愛知県の想定では、天白川があふれると名古屋市天白区の島田一丁目や中坪町などは、町・字の中心が2階まで浸水する3〜5mの区域に入ります。
ただし2000年の東海豪雨について、名古屋市の記録は被害表の「道路の冠水」の欄で、天白区野並地区を川ではなく「内水によるもの」としています。
先に結論
- ✓ 名古屋市の想定(1,000年に1度程度の雨)で天白川の右岸4.8km地点の堤防が切れた場合、浸水が続く区域は12時間未満が約8km²、12時間〜1日が約3km²、1〜3日が約2km²で、3日〜1週間は0
- ✓ 2000年の東海豪雨は、天白川沿川で浸水面積約1,000ha・浸水戸数約8,200戸。愛知県は「伊勢湾台風以来の大水害」と書いている
- ✓ 東海豪雨後の河川激甚災害特別緊急事業で野中橋より下流の改修が終わり、2011年の台風15号では天白川水位観測所の水位が改修前の想定より約3.3m低かった。ただ野中橋より上流は、2015年7月の県のページで整備中
天白川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は天白川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
3〜5mの区域は、天白区から瑞穂区・南区・緑区にかけて天白川の両岸に帯のように続き、その下流の南区側には0.5〜3mが広がります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
南区は町・字の中心356か所のうち217か所が区域に入り、0.5〜3mが170か所、0.5m未満が38か所、3〜5mが9か所です。
瑞穂区は52か所(3〜5mが15か所)、天白区は38か所(同7か所)です。緑区は5か所で、浦里一丁目〜五丁目がすべて3〜5mです。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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天白川の過去の水害と最近の大雨

東海豪雨の天白川は、長時間にわたり計画高水位を越え、既往最高水位を記録しました(愛知県)。
名古屋市の記録では、南区で堤防を越水し、天白区では平針北小の北側で左岸が欠壊しています。
天白区の住宅の浸水のうち、川の水によるものと内水によるものの内訳は、市の記録からは分かりません。
避難所を開こうとした職員は、野並小と若宮商高には浸水で近づけませんでした。
天白区は9月11日21時、「二次災害発生のおそれを考慮し」避難勧告を出さないと決めています。
河川激甚災害特別緊急事業では、野中橋より下流で引き堤や河床掘削をしました。愛知県はその後、2009年3月に天白川水系河川整備計画を定めています。
2015年7月の県のリーフレットでは、野中橋から植田川合流点までの約2.3kmが当面の整備区間で、目標は東海豪雨相当の洪水です。
2026年9月の台風第25号では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、天白川・天白島田・鳴海とも水防団待機水位に届きませんでした。

今の水位を見る場所

天白川は愛知県が管理する二級河川で、植田川の合流点から河口までの区間に、愛知県尾張建設事務所と名古屋地方気象台が共同で洪水予報を出します。
水位は川の防災情報の天白川と、上流の天白島田を見ます。扇川沿いの緑区は鳴海です。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
2026年9月8日、天白川はどんな状況だったか
名古屋市は2026年9月8日18時10分、「天白川水位上昇」を理由に天白川で避難指示を出しました。
その前の17時55分には、支川の植田川で緊急安全確保を出しています。植田川では堤防の越水もありました(9月9日の本部会議資料)。
この日、天白区で避難情報が出たのは、野並・平針・植田など13の学区です。
「9月8日に天白区が大きく浸水した」とは言い切れません。
天白区の住家被害は床上浸水5棟・床下浸水1棟(9月16日15時現在)で、東海豪雨のときの天白区の床上浸水1,000棟とは桁が違います。
流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません ›
ここで扱った浸水想定は、愛知県が天白川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 愛知県尾張建設事務所「二級河川 天白川」リーフレット(平成27年7月)
- 愛知県尾張建設事務所「二級河川 天白川」リーフレット 中面(平成27年7月)
- 愛知県尾張建設事務所「二級河川天白川の整備について」(2015年7月24日更新)
- 名古屋市「東海豪雨水害に関する記録」(平成13年3月30日)
- 名古屋市「令和8年9月8日の大雨にかかる被害状況等について」(2026年9月23日更新)
- 名古屋市「令和8年9月8日の大雨 第2回本部員・本部幹事合同会議資料」(9月9日)
- 名古屋市防災会議「想定し得る最大規模の風水害等に係る被害想定調査」(令和6年3月)
- 愛知県「天白川水系 天白川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」洪水予報区間(令和元年8月30日指定)
- 名古屋地方気象台「令和5年6月2日 台風第2号に伴う大雨」速報
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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