国の想定では、庄内川があふれると名古屋市西区のあし原町や枇杷島一丁目などは、町・字の中心が2階まで浸水する3〜5mの区域に入ります。
ただし2000年の東海豪雨で、あし原町で切れたのは庄内川ではなく、庄内川の水を分けて流す新川の堤防でした。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が4週間以上続く町・字の中心は401か所で、うち名古屋市中川区が205か所、港区が134か所、守山区が33か所
- ✓ 最大の水害は1959年の伊勢湾台風。河口域で庄内川と新川の13か所が破堤し、国は「史上最大の風水害」と書いている
- ✓ 上流の小里川ダムは2026年9月8日の大雨で、ダムから流す水の量を最大約62m³/s減らした。ただ国は、想定最大規模の雨は河川整備の目標の雨を「大きく上回ります」としている
庄内川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は庄内川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国の想定の雨は24時間で、愛知県区間578mm・岐阜県区間637mmです。
町・字の中心が10〜20mの区域に入るのは名古屋ではなく、上流の多治見市27か所と土岐市7か所です。
名古屋市内では守山区29か所、中川区14か所などが5〜10mです。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
名古屋市中川区は町・字の中心516か所のうち468か所が区域に入り、0.5〜3mが370か所、0.5m未満が69か所、3m以上が29か所です。
中村区は383か所のうち372か所で、355か所が0.5〜3mです。
3m以上が多いのは、多治見市117か所、春日井市106か所、清須市99か所、名古屋市西区73か所です。

4週間以上続くのは、中川区の一色新町二丁目・助光二丁目・万場四丁目や、守山区の金屋一丁目・川西一丁目・幸心一丁目などです。
港区の油屋町一丁目〜四丁目、惟信町一丁目〜四丁目は、深さ0.5〜3mでも4週間以上続きます。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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庄内川の過去の水害と最近の大雨

2000年の東海豪雨で、庄内川の本川は中川区の一色大橋の下流右岸で堤防を越水しましたが、決壊はしていません。
新川は、新川洗堰から庄内川の水の一部を分けて伊勢湾へ流す派川(はせん)です。
東海豪雨では洗堰から新川へ最大270m³/sが越流し、新川自体の洪水と重なって高い水位が長く続きました。
名古屋市の記録(2001年3月)では、市内で切れた堤防は新川(西区)、新地蔵川(北区)、新川右岸(洗堰)(北区)の3か所です。
区全体の床上浸水は西区2,450棟、北区2,221棟で、破堤と内水の内訳は記録にありません。
小里川ダムは2004年3月に完成しました。2026年9月8日はダムに最大約85m³/sが流れ込み、洪水調節(防災操作)をしています。
同じ日、新川洗堰では5時間あまり、庄内川から新川側に越流しました。

今の水位を見る場所

国の洪水予報の基準は、清須市の枇杷島、守山区の志段味、矢田川の瀬古、上流の多治見・土岐の5か所です。
名古屋市の西区・中村区・中川区は枇杷島、守山区は志段味、矢田川沿いは瀬古を見ます。
2026年9月8日の「レベル5氾濫特別警報」は、瀬古が氾濫発生水位を超えて出たものです。
この水位は「相対的に堤防の低い箇所で越水等により氾濫が発生する可能性のある水位」です。
この日の国の調査は「河川からの氾濫はしていない」(内水による浸水)という判断でした。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「庄内川は氾濫しやすい」は本当か
庄内川河川事務所は「昭和34年の伊勢湾台風以来、本川堤防が決壊するような大洪水こそ起きていませんが、依然として数年毎に沿川に浸水被害をもたらしています」と書いています。
「本川が切れていないから、庄内川沿いは浸からない」とは言い切れません。
名古屋市の想定(1,000年に1度程度の雨)では、庄内川の左岸15.0km地点で堤防が切れると、市内の約29km²が2週間以上浸かり、1週間後も約15.8万人が孤立するとしています。
名古屋市北部から下流は、自然堤防、後背湿地、三角州と干拓地からなる低い土地です。
国は下流を「日本一のゼロメートル地帯を有する水害リスクの高い地域」と書いています。
流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません ›
ここで扱った浸水想定は、国が庄内川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 庄内川河川事務所「河川概要」
- 国土交通省「庄内川水系河川整備計画【大臣管理区間】」第1章
- 国土交通省「庄内川水系河川整備計画【大臣管理区間】」第2章
- 庄内川河川事務所「令和8年度 庄内川河川事務所事業概要」
- 国土交通省「庄内川水系河川整備基本方針」(平成17年11月)
- 名古屋市「東海豪雨水害に関する記録」(平成13年3月30日)
- 庄内川河川事務所「平成23年9月台風第15号豪雨から10年」WEBパネル②
- 庄内川河川事務所「前線や熱帯低気圧の影響による令和8年9月8日からの大雨における庄内川(土岐川)出水状況について【第1報】修正版」(2026年9月11日)
- 庄内川河川事務所「庄内川水系洪水浸水想定区域図等の解説」
- 名古屋市防災会議「想定し得る最大規模の風水害等に係る被害想定調査」(令和6年3月)
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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