豊島区で部屋を借りる・家を買う前に浸水の履歴を見ようとしても、区の浸水実績図はネットに出ていません。区のページには「本庁舎5階の防災課、または、6階の道路整備課の各窓口でのみ閲覧いただけます」と書いてあります。
窓口へ行く前にネットで分かることを、国の一覧、都の浸水の記録、区の被害の表から集めました。
この記事でわかること
- ✓ 国の冠水注意箇所はビックリガード1か所。都の記録で浸水が多いのは西池袋と長崎です
- ✓ 1時間18ミリの雨で、38世帯が床上まで浸かった日があります
- ✓ 川の氾濫の区域は高田1〜3丁目だけで、ほかは下水があふれる内水です
浸水実績図は、区役所の窓口でしか見られません
「豊島区 浸水実績図」「冠水履歴」で探しても、区の地図は出てきません。区は不動産会社向けのページで、次のように案内しています。
- 見られる場所:本庁舎5階の防災課、6階の道路整備課の窓口
- 期間:平成11年から現在まで
- 中身:区で確認した箇所と、区民の方から報告を受けた箇所
- 問い合わせ:都市整備部道路整備課道路整備グループ(03-3981-4878)
借りる・買う前なら、住所を控えて窓口で見せてもらうのが確実です。ただし区は、特定の住所が浸水区域に当たるかの判断には「お答え出来かねます」としています。見て判断するのは自分です。
読者
わざわざ区役所まで行かないと、何も分からないんですか?
町ごとの浸水の回数なら、東京都の記録で分かります。ここから先は、ネットで見られる資料だけで追っていきます。
国の一覧に、豊島区はビックリガード1か所です
国土交通省 関東地方整備局の「道路冠水注意箇所」は、東京都の地図版の一覧で135か所。豊島区は1か所です。隣の板橋区だけの箇所は7か所、練馬区だけの箇所は6か所で、ほかに両区にまたがる箇所が3つあります。
A は区道12-680号線のビックリガード(南池袋1丁目)。池袋駅の南で、線路の下をくぐる道です。管理は豊島区で、説明表には目白警察署と豊島消防署が載っています。

地図の番号と同じ順です
Googleマップのリンクは、説明表の住所と構造物の名前から道路地図(OpenStreetMap)で位置を合わせた緯度経度で開きます。合わせられなかった箇所は町丁目の代表点なので、数百メートルずれることがあります。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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浸水の記録が多いのは、西池袋と長崎です
東京都は「浸水実績箇所の住所検索」で、建物が床下・床上まで浸かった記録を公開しています。元のデータから豊島区を取り出すと182行、日付で数えて48回。町ごとに記録のある日を数え、8回以上の15町を並べました。
| No. | 町 | 浸水した日 | 最新 | 代表点の標高 | 地図 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 西池袋 | 20回 | 2011年8月26日 | 32.6m | 地図で開く |
| 2 | 長崎 | 19回 | 2011年8月26日 | 32.1m | 地図で開く |
| 3 | 池袋 | 14回 | 2013年8月21日 | 31.2m | 地図で開く |
| 4 | 目白 | 14回 | 2013年8月21日 | 32.7m | 地図で開く |
| 5 | 高松 | 13回 | 2018年9月18日 | 28.7m | 地図で開く |
| 6 | 南池袋 | 12回 | 2000年8月5日 | 33.1m | 地図で開く |
| 7 | 池袋本町 | 10回 | 2018年9月18日 | 29.1m | 地図で開く |
| 8 | 駒込 | 10回 | 2013年10月15日 | 20.9m | 地図で開く |
| 9 | 巣鴨 | 10回 | 2013年8月21日 | 24.8m | 地図で開く |
| 10 | 雑司が谷 | 10回 | 2000年8月5日 | 27.4m | 地図で開く |
| 11 | 高田 | 10回 | 1999年8月24日 | 10.8m | 地図で開く |
| 12 | 上池袋 | 9回 | 2018年9月18日 | 29.2m | 地図で開く |
| 13 | 東池袋 | 9回 | 2018年9月18日 | 31.7m | 地図で開く |
| 14 | 南長崎 | 9回 | 2013年10月15日 | 34.0m | 地図で開く |
| 15 | 南大塚 | 8回 | 2013年9月15日 | 14.5m | 地図で開く |
西池袋20回、長崎19回、池袋と目白が14回。12回以上の6町の一丁目の代表点は、28.7〜33.1メートルでした。10回の町には、代表点が20.9メートルの駒込や、10.8メートルの高田もあります。
2010年以降に3回以上の記録があるのは、目白・高松・駒込・池袋本町・上池袋・南大塚の6つ。都の記録では、2013年8月21日の豊島区の130棟のうち102棟が南大塚1丁目でした。
箇所の数は国土交通省 関東地方整備局の一覧と説明表、回数は都の元データ(豊島区は1974〜2019年)、世帯数は豊島区地域防災計画 資料編の表を自分で数えました。旧町名(長崎町・高田町・池袋町・千早町)の行は、今のどの町に当たるかを一次資料で確かめられないため別に数えています。表には棟数を載せず、回数で比べています。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いた一丁目の代表点1点の値で、町全体の高さではありません。
1時間18ミリでも浸水した日と、区の表が書く浸水の場所
豊島区の地域防災計画の資料編には、昭和56年からの風水害の被害が表で載っています。浸水が記録された行の「浸水地域」の欄は、昭和58年以降ほぼすべてが同じ言葉です。「下水道幹線沿い等の低地帯」。
区のページによると、谷端川は昭和37年に河川としては廃止され、暗渠(あんきょ)の下水道幹線になりました。上はいま谷端川南緑道・北緑道で、住所は西池袋4丁目と池袋本町3丁目。どちらも、都の記録で浸水の多い町です。

1999年以降の最多は、同じ1999年の8月29日で169世帯です。目を引くのは雨の量で、2000年9月12日は1時間最大18ミリで38世帯、2008年7月29日は22ミリで40世帯が浸かりました。区の表では、どちらもほとんどが床上浸水です。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
浸水した世帯は、30年で15分の1になりました

区の表の世帯数を年代ごとに足すと、1981〜89年が3,424世帯、2010年代は225世帯でした。最も多い1987年7月31日は、30分間に60ミリの雨で1,232世帯が浸かっています。
区の計画によると、都下水道局は浸水対策として、第二雑司ヶ谷幹線・第二千川幹線・谷端川一号幹線(一部)などの整備を進めてきました。池袋駅は1時間75ミリの雨に対応する施設が完成済みで、南大塚では同じ75ミリに耐える工事が進んでいます。池袋本町は、都の「下水道浸水対策計画2022」の新しい重点地区10地区の1つに選ばれました。
工事中の南大塚と重点地区の池袋本町は、どちらも都の記録で2010年以降に3回以上浸水した町です。区の表では、令和5年6月2日の台風2号でも床上6世帯、床下1世帯が浸かりました。令和6年にも「激しい雹雨により住家に多数の被害発生」という行が3つあります。
川があふれる区域は、高田1〜3丁目だけです
区のハザードマップは「洪水・内水ハザードマップ」(令和7年1月発行)です。区のQ&Aでは、川の氾濫による浸水の表示は「高田1~3丁目の神田川浸水想定区域」だけとしています。区の計画には、神田川付近の一部で3メートルを超える浸水が予想されると書かれています。
それ以外の色は、下水があふれる内水(雨水出水)の想定です。東京都下水道局は令和8年3月25日に雨水出水浸水想定区域を指定し、豊島区は神田川、石神井川及び白子川、隅田川及び新河岸川の3つの流域で関係区に入りました。これで区の内水の地図も水防法に基づくものになり、区は「作成済」としています。想定の雨は1時間最大153ミリ、24時間690ミリです。
大雨の日に豊島区の冠水情報を見るページ
「豊島区 冠水情報」と検索する人が知りたいのは、いま水が出ているかどうかです。区と都が出しているのは次の4つでした。
- 豊島区防災ポータル「被害情報」:人的被害・住宅被害・火災・ライフラインの速報
- 豊島区気象情報:警報・注意報と気象レーダー
- 東京都 水防災総合情報システム:南大塚にある都の雨量計「豊島」の値
- 東京アメッシュ:東京都下水道局の雨量レーダー
区の計画の観測の表によると、区はビックリガード(池袋南交差)とウイロードに観測カメラを置いています。ただ、都のシステムで確認できる印が付くのは南大塚の雨量計「豊島」だけで、カメラの映像を見られるページは見つかりませんでした。
区の計画では、都の建設局(水防本部)から求められたときに、1時間30ミリを超えたら毎時の雨量を報告する決まりです。区の表では、それより弱い1時間18ミリや22ミリの雨でも床上浸水が出ています。30ミリを待たず、強い雨のときはビックリガードのような線路の下の道を通らないでください。
\借りる前・買う前に、住所で確かめる/
気になる物件の住所で、土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさをまとめて確認できます
よくある質問
高いところに住めば安全ですか
標高の数字だけでは決まりません。区はQ&Aで、浸水の深さは「単純な土地の高低だけで決まるわけではなく、下水枡や道路の整備状況等によっても変わってきます」と書いています。区の被害の表も、浸水した場所を「下水道幹線沿い等の低地帯」としています。
ビックリガードは大雨で通れなくなりますか
水がたまるおそれがあるとして、国の一覧に載っています。大雨の日は、線路の下をくぐる道を避けると確実です。
ほかの区はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 新宿区 冠水 どこが危ないの?
- 板橋区 冠水 どこが危ないの?
- 練馬区 冠水 どこが危ないの?
- 荒川区 冠水 どこが危ないの?
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」東京都(一覧と1か所ごとの説明表。2026年9月23日取得)
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水想定箇所 箇所表」東京都-02-057(ビックリガード)(2026年9月23日取得)
- 豊島区「宅地建物取引業者の方へ(ハザードマップの作成状況等)」(浸水実績の閲覧場所・2026年9月23日取得)
- 豊島区「豊島区洪水・内水ハザードマップ」(令和7年1月発行)
- 豊島区地域防災計画(令和7年修正)(第5部風水害編・資料編「区内における風水害による被害状況」)
- 豊島区「谷端川南緑道」・「谷端川北緑道」
- 東京都 水害リスク情報システム「浸水実績箇所の住所検索」(元データは1974〜2024年。豊島区は1974〜2019年の182行)
- 東京都下水道局「雨水出水浸水想定区域図」神田川流域・石神井川及び白子川流域・隅田川及び新河岸川流域(令和8年3月25日指定)
- 東京都 水防災総合情報システム
- 豊島区防災ポータル/豊島区気象情報/東京アメッシュ
- OpenStreetMap(ビックリガードの位置合わせ)
- 国土地理院 住所検索API・標高API(標高)/地理院タイル(地図)
この記事の数値は公表資料を集計したものです。避難や通行の判断は、必ず区と東京都の最新の発表を確認してください。
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