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岐阜市で冠水する場所は14か所 検索されている「六条」「茜部」が、そのまま国のリストに載っている

岐阜市で冠水しやすい場所として国土交通省が数えているのは、市内14か所です。地点の名前まで公表されていて、いま検索されている「岐阜市 六条 冠水」の六条には市道六条15号線の六条大溝地下道、「岐阜市 茜部 冠水」の茜部には市道茜部159号線の新荒田橋右岸地下道が、そのまま載っています。

ただし、同じように検索候補に出てくる「鶉」は、この14か所に入っていません。入っていないことは、そこが安全だという意味ではありません。

気象庁は9月8日17時28分、岐阜県美濃地方に顕著な大雨に関する情報(線状降水帯の発生)を発表しました。同じ時刻に発表された愛知県西部の文言は「線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まっています」です。

18時6分、美濃地方に出ている危険警報の対象は大雨・土砂災害・氾濫の3つに広がりました。同じ発表のなかで、庄内川で河川の氾濫に厳重に警戒するよう呼びかけられています。庄内川にはレベル4の氾濫危険警報が出ています。

豪雨の市街地。車のヘッドライトが、水のたまった路面に反射している
豪雨の市街地。車のヘッドライトが、水のたまった路面に反射している(写真: Pexels)

この記事でわかること

  •  国土交通省が公表している岐阜県の道路冠水注意箇所は148か所・36市町村。最多は大垣市18、次いで岐阜市14、瑞穂市12
  •  岐阜市の14か所のうち12か所は名前に「地下道」が入っている。六条大溝地下道・新荒田橋右岸地下道・新荒田橋左岸地下道など
  •  今日1時間約100ミリが降った多治見市と土岐市は、リストに2か所ずつしかない。その東濃の水が集まる庄内川に、18時6分、レベル4の氾濫危険警報が出た
目次

岐阜市で冠水する場所はどこ? 国が数えているのは14か所

国土交通省中部地方整備局は、道路防災情報Web(ウェブ)マップで「道路冠水注意箇所」を都道府県ごとに公表しています。路線名と地点名まで出ていて、岐阜県は148か所、うち岐阜市が14か所です。

この14か所を並べると、ひとつの共通点が出ます。14か所のうち12か所は、地点名に「地下道」という語が入っています。残る2か所は県道岐阜環状線の「西荘」と県道文殊茶屋新田線の「今嶺」で、こちらは地下道の名前が付いていません。

つまり岐阜市で国が見張っているのは、面としての低い土地ではなく、線路や道路の下をくぐる構造の道です。まわりより低い場所に水が集まり、逃げ場がない。だから同じ地点が繰り返し名前を挙げられます。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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検索されている「六条」「茜部」はリストにある。「鶉」は無い

「岐阜市 冠水」と打つと、検索候補に地名が3つ出てきます。六条、六条 大溝、鶉。「岐阜 冠水」では茜部も出ます(2026年9月8日18時に実測)。

このうち六条と茜部は、国のリストの地点名とそのまま重なります。

検索されている語 国土交通省のリスト
岐阜市 六条 冠水/六条 大溝 冠水 市町村道 六条15号線/六条大溝地下道
岐阜 冠水 茜部 市町村道 茜部159号線/新荒田橋右岸地下道
岐阜市 鶉 冠水 該当する地点名は無し

住民が不安になって検索している地名と、国が冠水注意箇所として登録している地点が、同じ場所を指しています。「なんとなく心配で調べている」のではありません。そこは実際に、水がたまる道として名前が付いている場所です。

いっぽう鶉は、14か所のどこにも出てきません。ただし新荒田橋の右岸(茜部159号線)と左岸(下川手94号線)はどちらもリストにあり、荒田川沿いの茜部・下川手・華陽・今嶺が並んでいます。鶉はその続きの一帯にあたります。リストは道路管理者が「冠水するおそれのある道路」として挙げた地点の集まりで、その市の低い場所を網羅した地図ではありません。

読者

うちの町名がリストに無ければ、今夜は大丈夫ということですか?

おかあさん

違います。このリストは道路の冠水注意箇所で、住宅が浸かるかどうかの一覧ではありません。載っている14か所は「そこを通らない」ための情報として使い、自宅が浸かるかは洪水・内水のハザードマップで別に見てください。載っていない場所が安全だという読み方だけは、しないでください。

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岐阜市14か所の全リスト

公表されている14か所を、路線名と地点名のまま並べます。地点名は国土交通省中部地方整備局の表記どおりです。

路線 地点名
市町村道 市橋鏡島209号線 機動隊前地下道
市町村道 六条15号線 六条大溝地下道
市町村道 芋島4丁目線 芋島地下道
市町村道 長森500号線 芋島第2地下道
市町村道 茜部159号線 新荒田橋右岸地下道
市町村道 下川手94号線 新荒田橋左岸地下道
市町村道 華陽37号線 祈年町地下道
市町村道 下川手61号線 東川手5地下道
県道 岐阜環状線 西荘
県道 文殊茶屋新田線 今嶺
市町村道 岩田西4号線 岩田西地下道
市町村道 東興16号線・長森27号線 曙町地下道
市町村道 市橋鏡島3号線 市橋鏡島3号線地下道
市町村道 薮田5丁目西荘7丁目線 市橋門田地下道

芋島が2か所(芋島地下道・芋島第2地下道)、市橋鏡島が2か所、新荒田橋が両岸で2か所。14か所といっても、地名でまとめると数か所の一帯に集まっています。

県道の2か所を除く12か所は市道です。市道の地下道は、雨のときに通行止めにする担当が市になります。同じ「岐阜市の冠水注意箇所」でも、閉める判断をする相手は路線で違います。

県内148か所は大垣・岐阜・瑞穂に固まっている

岐阜県全体では148か所、36市町村に散っています。上位はこうです。

市町村 か所数
大垣市 18
岐阜市 14
瑞穂市 12
美濃加茂市 9
可児市 8
羽島市 7
養老町 6
各務原市 5
本巣市 5
高山市 5
(参考)多治見市 2
(参考)土岐市 2
岐阜県の道路冠水注意箇所148か所の市町村別ランキング
岐阜148か所の市町村別。大垣18・岐阜14・瑞穂12に対し、多治見と土岐は2か所(国土交通省の一覧から集計)

上位10市町で89か所、全体の6割です。残りの59か所が26市町村に分かれます。大垣市・岐阜市・瑞穂市・羽島市・養老町を足すと57か所で、いずれも県の西側、木曽三川と揖斐川に囲まれた低い一帯です。

瑞穂市の12か所は、この表のなかで異質です。人口規模では大垣市や岐阜市とくらべものになりませんが、か所数では3番目に来ます。12か所のうち10か所が市道のアンダーパス・地下道で、地点名を見ると穂積が3か所(穂積アンダーパス・穂積1地下道・穂積2地下道)、別府が2か所(別府地下道と県道北方多度線の別府)と、同じ地名が繰り返し出てきます。牛牧地下道、横屋アンダーパス、稲里アンダーパス、野田新田アンダーパス、前畑町アンダーパス、上光町アンダーパスも市道です。

ひとつの市の中で、同じ地名の地下道が3つ数えられている。市の広さではなく、線路や道路をくぐる構造がどれだけあるかで数が決まっていることが、ここに出ています。

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数字は国土交通省中部地方整備局「道路防災情報Webマップ」の岐阜県 道路冠水注意箇所一覧(21_gifu_kansui_list)を当サイトが集計したものです。別に国土交通省が公表しているアンダーパス箇所数(令和7年3月31日時点)では岐阜県は145か所で、全国は3,841か所。調査の目的が違うので、この2つの数字は一致しません。

1時間100ミリが降った多治見は2か所しかない

ここまでの表を、今日の雨と重ねると話が合わなくなります。

気象庁は9月8日16時30分、多治見市付近と土岐市付近でそれぞれ1時間に約100ミリの雨が降ったとして、記録的短時間大雨情報を発表しました。17時50分までの24時間雨量は、多治見が181.5ミリで県内最多。美濃加茂が119.5ミリで続きます。いっぽう岐阜は94.5ミリ、大垣は94.0ミリです。

地点 24時間雨量(8日17時50分まで) 冠水注意箇所
多治見市 181.5ミリ(県内最多) 2か所
美濃加茂市 119.5ミリ 9か所
岐阜市 94.5ミリ 14か所
大垣市 94.0ミリ 18か所
9月8日の24時間雨量と冠水注意箇所数の対比
雨は東濃、冠水注意箇所は西濃(気象庁アメダスと国土交通省の一覧から作成)

雨がいちばん降っている多治見市は2か所、雨がその半分の大垣市は18か所。リストの多い少ないは、今日どこに降ったかとは無関係です。

多治見市の2か所は、国道248号の音羽JRアンダーパスと、県道武並土岐多治見線の前畑JRアンダーパスです。土岐市の2か所は市道の新大富立体交差と大富立体交差。どちらも数は少ないのに、名前はすべて線路や道路をくぐる構造です。1時間100ミリが降っている今夜、この4か所は避けたほうがいい場所として名指しされています。

逆に言えば、多治見市と土岐市で今夜水がたまるのは、この2か所だけとは限りません。1時間100ミリはリストが想定している降り方の外にあります。リストに載っている=危ない、載っていない=安全、という読み替えをしないでください。載っているのは「過去に冠水したか、構造上そうなりやすいと道路管理者が把握している地点」です。同じ雨のなかで、愛知県側では名古屋市港区を管轄する警察署に、アンダーパスなどが冠水して車が動けなくなったという通報が相次いでいます(乗っていた人は全員自力で脱出)。

全国の冠水注意箇所がどう公表されているかは冠水しやすい道は住所まで公表されています|関東甲信で1,014か所、最多は埼玉の273か所に、リストに頼らず地形から見る方法は冠水しやすい場所の見分け方|「高台だから大丈夫」とは限りませんに書いています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

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東濃に降った雨は、西濃ではなく愛知へ出ていく

雨は東濃、冠水注意箇所は西濃。このねじれには続きがあります。多治見市と土岐市に降った水は、大垣市や岐阜市のある西濃へは行きません。

18時6分、岐阜県美濃地方に危険警報(大雨、土砂災害、氾濫)が発表され、庄内川で河川の氾濫に厳重に警戒するよう呼びかけられました。庄内川には同じ18時6分、レベル4の氾濫危険警報が出ています。

庄内川の上流は土岐川で、土岐市と多治見市を流れています。今日1時間100ミリが降った2つの市が、そのまま庄内川の上流です。東濃に降った雨は、土岐川から庄内川になって愛知県側へ下っていきます。

そのことは、庄内川のレベル4で浸水が想定されている地区の並びに出ています。

庄内川レベル4で浸水が想定されている市町
岐阜県 土岐市・多治見市
愛知県 名古屋市・瀬戸市・春日井市・小牧市・清須市・あま市・豊山町・北名古屋市 ほか
東濃に降った雨が土岐川から庄内川を通って愛知へ出ていく模式図
土岐市・多治見市を流れる土岐川は、下流で庄内川になります

下流にあたる名古屋市では、16時50分までの1時間に101.5ミリを観測しました。1時間雨量として観測史上最多で、2000年の東海豪雨を上回っています。

だから、多治見市と土岐市に住んでいる人が今夜見る川の名前は、揖斐川でも長良川でもなく庄内川(土岐川)です。冠水注意箇所が2か所しかないことと、川の水位が上がっていることは別の話として見てください。

今夜やること

岐阜県は9月10日にかけて、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降る予報です。今夜の行動は6つに絞れます。

冠水した街路と、通行止めを示す標識
冠水した街路と、通行止めを示す標識(写真: Pexels)
  • 土岐市・多治見市にいるなら、庄内川(上流の土岐川)に氾濫危険警報が出ていることを前提に動く。川沿いにいる人は市の避難情報を今すぐ確認する
  • 車で帰るなら、地下道とアンダーパスを通らない経路に変える。岐阜市なら上の14か所、多治見市なら音羽JRアンダーパスと前畑JRアンダーパス、土岐市なら大富の2か所
  • すでに水がたまっている道に、深さを確かめずに入らない。走行中に水を吸ってエンジンが止まると、その場所から自力で出られなくなる
  • ドアが開かなくなる水位でも窓は割れる。車内から出る手順は冠水した道路に車で入るとどうなる?で確認しておく
  • 気象庁の危険警報と、市町村が出す避難情報は別物。避難するかどうかは市町村の情報で決める
  • 自宅が浸水想定区域に入っているかを、今夜のうちに住所で確かめる
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この記事は2026年9月8日18時15分時点で公表されている情報にもとづきます。線状降水帯の情報も雨量も刻々と変わります。いま外にいる人・車の中にいる人は、この記事より先に気象庁の危険度分布と市町村の避難情報を見てください。

よくある質問

岐阜市の冠水情報をリアルタイムで見るには

この記事に載せた14か所は、平常時に公表されている「冠水しやすい地点」の一覧で、いま水がたまっているかどうかは分かりません。今この瞬間の状況は、気象庁の危険度分布(キキクル)、岐阜県と岐阜市が出す道路の通行止め情報、河川の水位情報の3つで見ます。地点名を控えておくと、通行止め情報が出たときにどこの話かがすぐ分かります。

六条大溝地下道は毎回冠水するのですか

毎回とは書かれていません。国土交通省の一覧は「道路冠水注意箇所」で、冠水するおそれがあるとして道路管理者が把握している地点を挙げたものです。どのくらいの雨で何センチたまるかは、この一覧には出ていません。

鶉がリストに無いのはなぜですか

理由は公表されていません。分かるのは、鶉には道路冠水注意箇所として登録された地点が無いということだけです。同じ荒田川沿いの茜部・下川手・華陽・今嶺には地点があります。一覧に無い場所の浸水のしやすさは、洪水と内水のハザードマップで別に確かめてください。

多治見市や土岐市の冠水注意箇所は2か所ですが、庄内川はなぜ岐阜県の警戒対象なのですか

庄内川の上流が土岐川で、土岐市と多治見市を流れているためです。1時間100ミリが降ったのはこの2つの市で、その水が庄内川へ入ります。庄内川のレベル4(氾濫危険警報)で浸水が想定されている地区にも、土岐市と多治見市が入っています。道路冠水注意箇所の数と、川の氾濫の警戒は別の指標です。

大垣市が県内最多なのは、いちばん危ないという意味ですか

そうは読めません。か所数は、その市にアンダーパスや地下道がいくつあるかと、道路管理者がいくつ登録したかで決まります。数が多いことと、1か所あたりの危なさは別の話です。

出典

  • 国土交通省 中部地方整備局「道路防災情報Webマップ」岐阜県 道路冠水注意箇所一覧 https://www.cbr.mlit.go.jp/road_map/doro_bosaijoho_webmap/html/21_gifu_kansui_list.html
  • 国土交通省「アンダーパス箇所数」(令和7年3月31日時点)https://www.mlit.go.jp/road/bosai/pdf/under_pass_data.pdf
  • 気象庁 顕著な大雨に関する情報(岐阜県美濃地方・愛知県西部)2026年9月8日17時28分発表 防災情報XMLフィード
  • 気象庁 気象警報・注意報(岐阜県美濃地方 危険警報〈大雨、土砂災害、氾濫〉)2026年9月8日18時06分発表 防災情報XMLフィード
  • 気象庁・国土交通省 指定河川洪水予報(庄内川 氾濫危険情報=レベル4)2026年9月8日18時06分発表 防災情報XMLフィード
  • 気象庁 記録的短時間大雨情報(岐阜県多治見市付近・土岐市付近)2026年9月8日16時30分発表 防災情報XMLフィード
  • NHK「名古屋市で1時間101.5ミリ 1時間雨量として観測史上最多」2026年9月8日 https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260908de49082
  • NHK「名古屋市港区 アンダーパスなど冠水し車が動けなくなる通報相次ぐ」2026年9月8日 https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260908de49072
  • 気象庁 アメダス 24時間降水量(2026年9月8日17時50分まで)
  • Googleサジェスト実測(2026年9月8日18時・ie=UTF-8指定)

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    この記事を書いた人

    ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
    その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
    契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
    実務全般に携わってきました。

    特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
    反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
    自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

    現在は子育てのため一線を退いていますが、
    これまでの実務経験を活かし、
    フリーランスとして不動産会社様向けの
    バックオフィスサポート業務を開始しました。

    現場目線を大切にしながら、
    「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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