🗨️「雨がやんだら、高速道路の通行止めはすぐ解除されますか?」
されません。NEXCO西日本は、解除の予定時間を前もって知らせることはできないと自社のよくある質問に明記しています。天候が回復したあとも、安全に走れる状態かどうかを警察と道路会社の双方で確かめる必要があるためです。一方で、閉まる条件のほうは区間ごとに表で公表されています。いちばん低い区間といちばん高い区間で、5倍ちがいます。
[交通] この記事の要点
2026年9月8日 発表
- 8日から10日にかけて、西日本・東日本の高速道路を走る予定がある人
- 通行止めに巻き込まれて、いつ動けるようになるかを調べている人
- 山あいの区間を通って通勤・帰省・配送をしている人
解除の時刻は、道路会社にも分かっていません
通行止めに遭ったとき、いちばん知りたいのは「何時に開くのか」です。ところが、その答えは道路会社も持っていません。NEXCO西日本は自社のよくある質問に、こう書いています。
理由も同じページに書かれています。天候が安定したあとも、風倒木の除去や除雪に加えて「道路が安全に走行できる状態になっているかといった確認を、警察機関と弊社双方で行う必要があり、弊社だけの判断で解除できるものではございません」。雨がやんだ瞬間に開くのではなく、やんでから人が見に行って、警察と道路会社の両方が確認して、はじめて開きます。
じゃあ、待っていれば開くのか、帰ったほうがいいのかも分からないんですか。
そこは自分で決めるしかありません。だから、待ち時間を当てにした予定を組まないほうがいいんです。通行止めに遭った時点で、下道に降りるか引き返すかを先に決めてしまうほうが早く着きます。
先に結論
- ✓ 解除の予定時刻は公表されない。道路会社も「解除直前までわからない」と書いている
- ✓ 閉める側の基準は公表されている。連続雨量130ミリで閉まる区間から、650ミリまで閉めない区間まである
- ✓ 305区間のうち30区間は、過去に崩れた斜面が直りきっていないため基準が低く設定されている
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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閉める側の基準は、全区間ぶん公表されています
解除は分からなくても、閉まる条件は分かります。NEXCO西日本は「異常気象等による事前通行規制基準」という表を出していて、2026年8月14日現在のぶんを数えると305区間ありました。関西の主な区間を抜き出すと、こうです。
| 区間 | 連続雨量 | 組合せ雨量 |
|---|---|---|
| 京都縦貫道 丹波IC〜京丹波わちIC | 130mm | 90mm+時間30mm |
| 名神 大津IC付近 | 170mm | 120mm+時間35mm |
| 西名阪道 藤井寺IC〜天理IC | 170mm | 130mm+時間40mm |
| 中国道 宝塚IC〜吉川IC | 210mm | 160mm+時間45mm |
| 阪和道 堺IC〜阪南IC | 280mm | 210mm+時間40mm |
| 阪和道 印南IC〜南紀田辺IC | 300mm | 200mm+時間50mm |
130ミリで閉まる区間と、650ミリまで閉めない区間があります
全国で並べ替えると、幅の大きさが見えます。いちばん低いのは京都縦貫自動車道の丹波IC〜京丹波わちICで130ミリ。いちばん高いのは高知自動車道の新宮IC〜大豊IC、大豊IC〜南国IC、土佐IC〜須崎東ICの650ミリです。
同じ会社の同じ制度で、5倍ひらいています。高知の650ミリは雨が多い土地に合わせた数字で、逆にいえば、それだけ降っても閉めない前提で道が作られているということです。京都縦貫の130ミリは、その5分の1で閉まります。
数字が低い区間って、危ない道ってことですか?
「雨に弱い場所」という意味です。地形と過去の被害から決めているので、低い数字は「ここは早めに閉めないと危ない」という判断の表れなんです。走る側からすると、低い区間ほど通行止めに遭いやすい、とも読めます。
※が付いた30区間は、まだ直りきっていない斜面です
この表でいちばん見落とされているのが、行の右端に付いた※印です。表の下に、こう注記されています。
つまり、一度崩れて、応急処置で通したまま、本格的な対策が終わっていない区間です。数えると305区間のうち30区間、全体の10%でした。関西では次の8区間が該当します。
| ※が付いている区間(関西) | 暫定の連続雨量 |
|---|---|
| 京都縦貫道 丹波IC〜京丹波わちIC | 130mm |
| 京都縦貫道 京丹波わちIC〜舞鶴大江IC | 165mm |
| 名神 大津IC付近 | 170mm |
| 播磨道 播磨JCT〜播磨新宮IC | 170mm |
| 播磨道 播磨新宮IC〜宍粟JCT | 170mm |
| 湯浅御坊道路 湯浅IC付近 | 220mm |
| 阪和道 御坊IC〜印南IC | 250mm |
| 湯浅御坊道路 有田IC〜御坊IC | 290mm |
私はこの30区間の一覧が、いちばん読まれるべき情報だと考えています。通行止めのニュースは「◯◯ICから△△ICまで」としか伝えませんが、その区間がなぜ早く閉まったのかは、この表の※を見ないと分かりません。断定はしませんが、暫定基準のまま何年も置かれている区間があるとすれば、それは今年の雨でも同じ判断が繰り返されるということです。
連続雨量は、6時間降り止まないとゼロに戻りません
今回のような秋雨前線の雨で効いてくるのが、連続雨量の数え方です。表の注記にはこうあります。
いったん小降りになれば、数字はリセットされるんじゃないんですか。
6時間以上あかないと切れません。降ったりやんだりを繰り返す前線の雨は、足し算され続けるということです。3日続く雨がやっかいなのは、そこなんです。
気象庁は、前線が10日頃にかけて停滞し、西日本から東日本の太平洋側で大雨が続くおそれがあるとしています。降り方が弱くても、間が6時間あかなければ数字は積み上がります。
雨では閉めない区間が26あります
逆に、雨量では規制しない区間も26ありました。関西では、名神の豊中IC〜西宮IC、新名神の城陽JCT〜八幡京田辺JCT、中国道の吹田JCT〜宝塚IC、近畿道の吹田JCT〜松原IC、西名阪道の松原JCT〜藤井寺IC、阪和道の松原IC〜堺IC、京滋バイパスの宇治西IC〜大山崎JCT、京奈和道の城陽JCT・IC〜田辺北IC、京都縦貫道の大山崎JCT〜長岡京IC、第二京阪道路の鴨川東IC〜八幡東ICなどです。
並べると、平野部の高架区間にかたよっているのが分かります。崩れる斜面が近くにないので、雨量では閉めない。ただし雨で閉めないことと、走って安全なことは別です。強風については、10分間の平均風速20メートル以上を目安に通行止めを実施すると書かれています。
8日から3日、高速に乗る前にやること
やることは3つです。通る区間が事前通行規制の対象かを見ておくこと。通行止めに遭ったら、待たずに降りるか引き返すかを決めること。そして、降りたあとに走る下道のほうが、実は水に弱いことを覚えておくことです。
高速が閉まると、車は下道に集まります。アンダーパスや川沿いの道は、そこで初めて渋滞して止まります。高速の通行止めより、迂回した先の低い道のほうが危ないことがあります。
生活・仕事にどう効くか
- 解除の時刻は道路会社にも分からない:NEXCO西日本のよくある質問には「もちろん弊社内部においても明確な解除予定時間といったものは、解除直前までわかりません」と書かれている。風倒木の除去などに加え、安全に走行できる状態かの確認を「警察機関と弊社双方で行う必要があり、弊社だけの判断で解除できるものではございません」
- 閉める基準は5倍ひらく:いちばん低いのは京都縦貫自動車道の丹波IC〜京丹波わちICで連続雨量130ミリ。いちばん高いのは高知自動車道の新宮IC〜大豊IC・大豊IC〜南国IC・土佐IC〜須崎東ICで650ミリ。同じ会社の同じ制度でこの差がある
- 30区間は「まだ直っていない斜面」:305区間のうち30区間(10%)には※印があり、過去ののり面災害を応急復旧で通行止め解除した区間で、斜面の万全な対策が完了していないため通常より低い暫定基準値が設定されている、と注記されている
結局どうすればよいか
- 出発前に、通る区間が事前通行規制の対象かどうかを見ておく。都市部の高架には雨量では閉めない区間が26あり、山あいの区間ほど基準が低い
- 通行止めに遭ったら、解除予定時刻を待たずに下道か引き返すかを決める。道路会社自身が「解除直前までわからない」と言っている以上、待ち時間の見積もりは立たない
- 車を止める場所を先に決めておく。アンダーパスや川沿いの駐車場は、通行止めの迂回で流れ込んだ車が浸かる場所でもある
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公式出典
- NEXCO西日本「異常気象等による事前通行規制基準」(2026年8月14日現在)(2026年8月14日発表)
- NEXCO西日本 よくあるご質問「異常気象時の通行止め」(2026年9月8日発表)
- 気象庁 天気概況・気象解説情報(2026年9月7日発表)(2026年9月8日発表)
更新履歴
- 2026年9月8日 初版を公開(NEXCO西日本の2026年8月14日現在の基準表を集計)
※本記事は2026年9月8日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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