🗨️「6日からの雨で、奈良と和歌山はどの道が閉まるの?」
雨量が基準に達すると自動的に閉まる道は、和歌山県が28区間113.4km、奈良県が61区間639.2kmです。和歌山県は2026年6月1日から新しい基準に変わり、それまでの74区間702.6kmから4分の1以下に減りました。同じ国道168号でも、奈良側は連続雨量110ミリで閉まり、和歌山側は240〜550ミリまで閉めません。
[交通] この記事の要点
2026年9月6日 発表
- 6日から9日ごろに紀伊半島の山あいを車で通る人
- 十津川村・野迫川村・古座川町など、迂回路のない区間の先に用がある人
- 国道168号・169号・371号・425号を通勤や配送で使う人
- 山あいの宿・キャンプ場へ向かう予定がある人
和歌山で雨に閉まる道は、6月1日から28区間になった
和歌山県は令和8年3月に規制区間の見直しをとりまとめ、2026年6月1日から新しい基準で運用しています。県が公開している見直し結果の一覧には、こう書かれています。
| 区分 | 区間 | 延長 |
|---|---|---|
| 現行規制区間 | 74区間 | 702.6km |
| うち 災害リスクなし(区間廃止) | 41区間 | 313.6km |
| うち 災害リスクあり | 28区間 | 375.5km |
| 見直し後の規制区間(一覧表本体) | 28区間 | 113.4km |
41区間313.6kmは、規制そのものが廃止されました。雨が強くなっても、その道はもう自動では閉まりません。路線でいうと国道424号は5区間すべてが廃止。国道370号は4区間のうち3つ、国道371号は9区間のうち複数、国道480号も5区間のうち3つが消えています。県道では高野天川線19.0kmと那智勝浦本宮線19.0kmが丸ごと廃止です。
危ない道を減らしたということですか。それとも危なくなくなったんですか。
県の資料の言い方は「災害リスクなし」です。閉める必要が無いと判断した区間を外したという整理で、道が新しくなったという話ではありません。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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残った区間は、基準そのものが大きく上がった
減ったのは本数だけではありません。残った区間も、閉めるまでに必要な雨量が引き上げられています。極端な例を並べます。
| 路線 | 区間 | 連続雨量 | 雨量観測所 |
|---|---|---|---|
| 国道311号 | 田辺市中辺路町福定〜大川(1.9km) | 600ミリ | 福定 |
| 那智勝浦古座川線 | 那智勝浦町南平野〜小阪(1.8km) | 560ミリ | 色川 |
| 国道168号 | 田辺市本宮町本宮〜大居(1.7km) | 550ミリ | 本宮 |
| 国道371号 | 古座川町平井(3.9km) | 540ミリ | 平井 |
| 海南金屋線 | 海南市別所〜市郡界(6.0km) | 120ミリ | 東畑 |
国道311号の福定は連続雨量600ミリまで閉めません。見直し前は同じ路線が200ミリで閉まっていました。県内で最も低い基準は海南金屋線の120ミリで、同じ県の中で5倍の開きがあります。
28区間のうち白浜温泉線・樫野串本線・潮岬周遊線・日の岬公園線の4区間は高潮や強風による規制で、雨量の基準がありません。雨で閉まるのは24区間です。
同じ国道168号でも、県境で基準が3〜5倍ちがう
ここが今回いちばん見てほしい数字です。国道168号は奈良県の五條から十津川を抜けて和歌山県の新宮へ下る1本の道ですが、規制の基準は県ごとに別に決まっています。
| 管理 | 区間 | 延長 | 通行止めの連続雨量 | 迂回路 |
|---|---|---|---|---|
| 奈良県 | 十津川村七色〜小原(村役場) | 20.0km | 110ミリ | なし |
| 奈良県 | 十津川村小原〜五條市大塔町宇井 | 31.5km | 110ミリ | なし |
| 奈良県 | 五條市大塔町宇井〜天辻 | 13.8km | 110ミリ | なし |
| 奈良県 | 五條市西吉野町宗川野〜生子町 | 8.2km | 160ミリ | なし |
| 和歌山県 | 新宮市相賀〜熊野川町田長 | 5.4km | 320ミリ | — |
| 和歌山県 | 新宮市熊野川町宮井〜田辺市境 | 6.4km | 240ミリ | — |
| 和歌山県 | 田辺市本宮町本宮〜大居 | 1.7km | 550ミリ | — |
奈良側は110ミリで閉まり、和歌山側は240ミリから550ミリまで開いています。同じ道を走っていても、県境を越えた瞬間に基準が3倍から5倍変わるということです。南から北へ向かう人は「和歌山側は普通に通れたのに、奈良に入ったら閉まっていた」という形で当たります。
十津川村は、1つの雨量計で4区間99.8kmが同時に閉まる
奈良県の一覧を観測所ごとに並べ替えると、平谷雨量観測所を基準にしている区間が4つ出てきます。
| 路線 | 区間 | 延長 | 通行止め(時間/連続) | 迂回路 |
|---|---|---|---|---|
| 国道425号 | 十津川村大野〜小原字滝 | 23.6km | 15ミリ/50ミリ | なし |
| 国道168号 | 十津川村七色〜小原(村役場) | 20.0km | 25ミリ/110ミリ | なし |
| 国道425号 | 十津川村迫西川〜平谷蕨尾 | 29.7km | 25ミリ/110ミリ | なし |
| 県道 龍神十津川線 | 十津川村上湯川(県境)〜平谷 | 26.5km | 25ミリ/110ミリ | なし |
合わせて99.8km。連続雨量50ミリで国道425号の西側が閉まり、110ミリで残りの3本が同時に閉まります。4区間とも、県の一覧では迂回路の欄が「なし」です。
これは机上の話ではありません。2024年5月28日、十津川村は「国道168号・425号 雨量規制通行止めについて」という告知を出しています。対象は国道168号の七色〜小原、国道425号の平谷〜迫西川、県道龍神十津川線の上湯川〜平谷。同じ3路線が実際に同時に閉まりました。告知には「規制解除については現在未定です。」と書かれています。
「迂回で4〜5時間」——閉まった先に用がある人はこうなる
奈良県の61区間のうち、迂回路の欄が「なし」になっているのは29区間です。国道が28区間347.6km、主要地方道が21区間168.0km、一般県道が12区間123.6kmで合計61区間639.2km。その半分近くに、代わりの道が用意されていません。
2023年4月、三重県紀宝町の飛雪の滝キャンプ場が出した告知にこう書かれています。国道168号の十津川村長殿地内・城門トンネル付近が通行止めになったときのものです。
さらに4~5時間くらいかかるようです
奈良県十津川村を通過しないルートから必ずお越しくださいませ
山あいの通行止めは、数十分の遠回りでは済みません。宿やキャンプ場の側が「うちに来るならこの県を通らないで」と案内する形になります。
2011年の紀伊半島大水害では、奈良県内で国道168号が30か所、国道169号が3か所被災し、県・市町村の道路を含めると297か所が壊れました。上北山では総雨量1,808ミリを記録しています。復旧を担当した五條土木事務所の報告(土木技術資料2015年11月号)には、五條市大塔町阪本〜西吉野町宗川野の区間について「雨量規制を加えると年平均でネットワークが9回も遮断されており」と書かれています。2015年時点の記述ですが、規制が年に何回発動しているかを示した数少ない記録です。
6日からの雨で、自分で見るのはこの3つ
閉まったかどうかを待つのではなく、基準になっている観測所の連続雨量を自分で見るほうが早く動けます。
- 奈良県河川情報システム — 平谷など各観測所の雨量が見られる
- 道路情報なら(奈良県の地理情報システム) — 今どこが規制中か
- 和歌山県道路規制情報 — 通行規制と工事予定
連続雨量って、降り始めからずっと足していくんですか。
足し方は道路管理者ごとに決めています。京都府は「過去48時間の連続降雨量(4時間以内の降雨の中断は連続降雨量とみなす)」と定義していますが、奈良県と和歌山県のページには定義が書かれていません。同じ200ミリでも中身が違う可能性があります。
参考までに、大阪府は39路線52区間を指定していて(2026年4月1日時点)、規制の開始は雨量だけでは決まりません。府の土砂災害危険度情報で2時間予測が大雨警報(土砂災害)の基準に達し、かつ連続雨量が基準に達したときに規制する形になっています。同じ関西でも、県によって考え方が違います。
雨で自動的に閉まる仕組みそのものは、屋久島の220ミリの記事で説明しています。この先の雨の見通しは、関西の警報級大雨の記事にまとめてあります。
生活・仕事にどう効くか
- 行きは通れて帰れない:十津川村では国道425号の一部が連続雨量50ミリで閉まり、110ミリで国道168号・425号・県道龍神十津川線の3本が同時に閉まる。4区間とも一覧の迂回路欄は「なし」。
- 回り道の時間:2023年に国道168号が長殿地内で閉まったとき、三重県紀宝町のキャンプ場は「さらに4〜5時間くらいかかるようです」と告知した。
- 同じ道で基準が変わる:国道168号は奈良側が連続雨量110ミリ、和歌山側は320ミリ・240ミリ・550ミリ。県境をまたぐと3〜5倍変わる。
結局どうすればよいか
- 出発前に、通る路線が規制区間かどうかを県の一覧で確認する
- 閉まったかどうかではなく、基準になっている雨量観測所の連続雨量が今いくつかを見る
- 迂回路欄が「なし」の区間へ入るなら、引き返す判断の時刻を決めておく
- 山あいで足止めされたときのために、車に水と充電手段を積んでおく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 和歌山県「異常気象時通行規制について」(2026年6月1日発表)
- 和歌山県「異常気象時における道路通行規制区間一覧」(2026年6月1日現在)(2026年6月1日発表)
- 和歌山県「事前通行規制区間・規制雨量一覧(見直し前後)」(令和8年3月)(2026年3月31日発表)
- 奈良県「異常気象時における雨量規制区間」(2026年2月27日発表)
- 大阪府「異常気象時通行規制区間」(2026年4月1日発表)
- 十津川村 道路情報「国道168号・425号 雨量規制通行止めについて」(2024年5月28日発表)
更新履歴
- 2026年9月6日 初版を公開
※本記事は2026年9月6日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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