🗨️「関東甲信は警報級の大雨って聞いたけど、今は降ってないよ。もう終わったの?」
終わっていません。28日12時10分のアメダスでは関東甲信の170地点すべてで直近1時間の雨量が0.0ミリでしたが、気象庁が注意しているのは日中の気温上昇でこれから発達する積乱雲です。大雨の警戒は28日夕方まで、雷と竜巻の注意は29日明け方までで、終わる時刻が別々に置かれています。
[災害] この記事の要点
気象庁は2026年8月28日5時20分、関東甲信地方気象解説情報(大雨・落雷・突風)を発表した。前線が日本海から東日本を通って日本の東にのび、暖かく湿った空気と日中の気温上昇、上空の寒気の影響で、29日明け方にかけて大気の状態が非常に不安定になる見込み。28日夕方にかけて雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨の降る所があり、雨雲が予想以上に発達した場合や同じ場所にかかり続けた場合には警報級の大雨となる可能性があるとしている。その後、群馬県が10時59分、長野県が11時09分、茨城県が11時20分に「警報級の大雨となる可能性は低くなった」と発表した。一方、28日10時58分時点で1都8県に出ている警報はゼロで、9都県すべてに雷注意報が出ている。
2026年8月28日 発表
- 28日の午後から夜にかけて、関東甲信で屋外の予定がある人
- グラウンド・河川敷・海辺・山など、逃げ込める建物がすぐそばにない場所へ行く人
- アンダーパスや地下駐車場を通って帰宅する人
- 群馬県・長野県北部・中部の、崖や急斜面のそばに住んでいる人
この記事でわかること
- 正午のアメダス170地点すべてが0.0ミリだったのに、なぜ注意が29日明け方まで続いているのか
- 大雨の警戒(28日夕方まで)と、雷・突風の注意(29日明け方まで)で終わる時刻が違う理由
- 1都8県のうち警報が出ているのは何県か(答えはゼロ)と、全県に共通して出ている注意報の中身
正午の関東甲信は、170地点すべてで雨が降っていなかった
気象庁のアメダスを28日12時10分の値で数えました。関東甲信の1都8県にある観測所は170地点。そのうち直近1時間に0.1ミリ以上の雨を観測した地点は、ひとつもありませんでした。
朝までに降った分をさかのぼると、24時間降水量がいちばん多いのは長野県の奈川(松本市)で45.0ミリ。関東側は神奈川県の小田原31.5ミリが最大で、あとは10ミリ台です。
| 都県 | いちばん多い地点 | 24時間降水量 |
|---|---|---|
| 長野県 | 奈川(松本市) | 45.0ミリ |
| 神奈川県 | 小田原 | 31.5ミリ |
| 群馬県 | 西野牧(下仁田町) | 16.5ミリ |
| 茨城県 | 下館(筑西市) | 16.0ミリ |
| 埼玉県 | 熊谷 | 15.0ミリ |
| 栃木県 | 小山 | 14.0ミリ |
| 東京都 | 小河内(奥多摩町) | 11.5ミリ |
| 山梨県 | 山中(山中湖村) | 10.5ミリ |
| 千葉県 | 横芝光 | 6.5ミリ |
雨、やんでるじゃない。もう終わったんじゃないの?
終わっていません。気象庁が言っているのは「今降っている雨」ではなく、これから日中の気温が上がって発達する積乱雲のことです。だから午前中が静かでも、注意の期限は29日明け方に置かれています。
気象庁が28日5時20分に出した関東甲信地方気象解説情報は、不安定になる理由を3つ挙げています。前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気、日中の気温上昇、そして上空の寒気です。3つのうち2つは、午後にならないと効いてきません。
28日夕方まで「非常に激しい雨」の所も 甲信は1時間50ミリの予想
気象庁が28日に予想している1時間降水量は、多い所で次のとおりです。
| 地域 | 1時間降水量(多い所) |
|---|---|
| 関東地方北部 | 30ミリ |
| 関東地方南部 | 40ミリ |
| 甲信地方 | 50ミリ |
この数字が指している雨の強さを、気象庁の「雨の強さと降り方」に当てはめると次のようになります。
| 1時間雨量 | 予報用語 | 人の受けるイメージ | 車に乗っていて |
|---|---|---|---|
| 30以上〜50未満 | 激しい雨 | バケツをひっくり返したように降る | 高速走行時にハイドロプレーニング現象 |
| 50以上〜80未満 | 非常に激しい雨 | 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) | 車の運転は危険 |
甲信地方の50ミリは、「非常に激しい雨」の階級にちょうど乗る値です。気象庁の説明では、滝のように降って傘は全く役に立たなくなり、水しぶきであたり一面が白っぽくなって視界が悪くなる。車の運転は危険、とはっきり書かれています。
関東北部の30ミリ・南部の40ミリは、ひとつ下の「激しい雨」。道路が川のようになる強さで、高速走行中はハイドロプレーニング現象が起きます。
29日朝までの雨量は多い所で100ミリ 長野ではすでに156ミリ降っている
28日6時から29日6時までの24時間降水量は、多い所で次の予想です。
| 地域 | 24時間降水量(多い所) |
|---|---|
| 関東地方北部 | 60ミリ |
| 関東地方南部 | 80ミリ |
| 甲信地方 | 100ミリ |
この100ミリという数字を、実際に降った量と並べると意味が見えてきます。長野県気象解説情報によると、降り始めの26日17時から28日10時までに、小谷で156.5ミリ、白馬で138.0ミリ、長野市鬼無里で130.5ミリがすでに降りました。群馬県でも26日19時からの積算で、沼田80.5ミリ、草津80.0ミリ、前橋71.5ミリです。
土に水が入りきったあとの雨は、同じ量でも地面にとどまらず表へ出ます。長野県と群馬県が「警報級の可能性は低くなった」と言いながら、それでも土砂災害への注意だけは28日夕方まで残したのはこのためです。
11時台に3県が「警報級の可能性は低くなった」と更新している
ここが、朝のニュースからいちばん動いたところです。5時20分の地方情報のあと、3つの県が個別に情報を出し直しました。いずれも「これで終了します」と結ばれた最終報です。
| 県 | 発表時刻 | 内容 |
|---|---|---|
| 群馬県 | 10時59分 | 警報級の大雨となる可能性は低くなったが、28日夕方にかけて土砂災害に注意 |
| 長野県 | 11時09分 | 大雨の峠を越え、警報級の大雨となる可能性は低くなった。北部と中部は28日夕方にかけて土砂災害に注意 |
| 茨城県 | 11時20分 | 警報級の大雨の可能性は低くなったが、28日夜遅くにかけて落雷・突風・降ひょうに注意 |
栃木県も9時36分に土砂災害注意報を解除しています。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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1都8県すべてで警報はゼロ 共通して出ているのは雷注意報だけ
28日10時51分から10時58分にかけて、9つの都県の気象警報・注意報が出そろいました。中身を1つずつ数えると、こうなります。
| 都県 | 警報 | 注意報 |
|---|---|---|
| 茨城県 | なし | 雷 |
| 栃木県 | なし | 雷 |
| 群馬県 | なし | 大雨・雷 |
| 埼玉県 | なし | 雷 |
| 千葉県 | なし | 雷・波浪 |
| 東京都 | なし | 雷 |
| 神奈川県 | なし | 雷・強風・波浪 |
| 山梨県 | なし | 雷 |
| 長野県 | なし | 大雨・雷 |
警報は1都8県すべてでゼロ。大雨注意報が出ているのは群馬県と長野県の2県だけで、どちらも土砂災害に対する注意です。そして9都県すべてに共通して出ているのは、雷注意報だけでした。
私はここが今日の関東甲信のいちばん大事な点だと見ています。見出しは「大雨」で立っていますが、1都8県のどこにいる人にも等しく効いているのは雷のほうです。大雨の警戒は地域と地形で濃淡が出るのに対して、積乱雲は場所を選ばず、グラウンドにいる人にも河川敷にいる人にも同じように届きます。
雨がやんでも終わりではない 警戒の時間が2つに分かれている
今日の情報でいちばん読み違えやすいのは、大雨の警戒時間と、雷・突風の注意時間が別々に置かれていることです。
| 何に対して | いつまで | 出どころ |
|---|---|---|
| 低い土地の浸水・河川の増水・土砂災害 | 28日夕方まで | 関東甲信地方気象解説情報(5時20分) |
| 落雷・竜巻などの激しい突風・降ひょう | 29日明け方まで | 同上 |
| (茨城県)落雷・突風・降ひょう | 28日夜遅くまで | 茨城県気象解説情報(11時20分) |
| (長野県)落雷・突風・降ひょう | 28日夜のはじめ頃まで | 長野県気象解説情報(11時09分) |
| (山梨県)落雷・突風・降ひょう・局地的な激しい雨 | 28日夜遅くまで | 山梨県気象解説情報(6時32分) |
夕方に雨が上がったら、もう外に出ていいってこと?
雨と雷は同じ時計で動いていません。雨がやんだあとも、29日明け方までは落雷と突風の注意が残ります。夕方以降にグラウンドや河川敷へ出るなら、空の様子を見る目は残しておいてください。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
アンダーパス・地下・河川敷 降っていない場所でも起きる
短い時間に強く降る日は、水が集まる場所と、降った場所が一致しません。気象庁が挙げている過去の事故は、どれもその型です。
- アンダーパス・地下道・地下駐車場——平成11年7月21日、東京都新宿区で地下室に流れ込んだ水の水圧でドアが開けられず、逃げ遅れた1人が亡くなりました
- 川沿い・河川敷・中州——平成20年7月28日、神戸市の都賀川で上流の大雨によりわずか10分で水位が1メートル30センチ上昇し、遊びに来ていた児童ら5人が亡くなりました。川の場所は降っていませんでした
- 周囲より低い道路・用水路のそば——縁石やガードレールが水面下に隠れると、道の端が分からなくなります
- 崖や急斜面のそば——群馬県と長野県北部・中部は、雨がやんだあとも28日夕方まで土砂災害の注意が続いています
車で冠水した道へ入らないことも、今日の関東甲信ではそのまま効きます。水深60センチでドアは開かなくなるので、止まった時点で外へ出る手段が窓しか残りません。詳しくは同じ日に出した水深60センチでドアは開きませんの記事にまとめてあります。
空が急に暗くなったら、そこで屋外の予定を切る
気象庁が「積乱雲が近づくサイン」として挙げているのは、3つだけです。
- 真っ黒い雲が近づいてきた
- 雷の音が聞こえてきた
- 急に冷たい風が吹いてきた
3つのうち1つでも来たら、まもなく激しい雨と雷が来ます。竜巻などの激しい突風が起きるおそれもある、というのが気象庁の説明です。
気象庁のページには、もっと強い言葉も書かれています。「遠くで雷の音がしたら、すでに危険な状況です。自分のいる場所にいつ落雷してもおかしくありません」。音が近づくのを待ってから動くのでは間に合わない、という意味です。
そして、避難先として選んではいけない場所がはっきりしています。木の下です。木の下で雨宿りをしていて死傷する事故は、ほとんどが樹木から人体へ雷が飛び移る側撃雷によるものだと気象庁は書いています。関東でも実際に起きています。
- 平成25年7月8日 東京都北区・荒川の河川敷で樹木に落雷。木の下で雨宿りをしていた男性3名のうち1名が死亡、2名が負傷
- 平成24年5月6日 埼玉県桶川市で樹木に落雷。木の下で雨宿りをしていた母と娘が被雷し、娘(小学生)が死亡
逃げ込む先は、鉄筋コンクリートの建物、屋内、車の中(金属の屋根がある車)です。頑丈な建物の中へ移動する——気象庁が今日の解説情報に書いている行動も、これです。
最新の雨雲と警報を、いま確認する
この記事の数字は28日12時20分までのものです。今日のように積乱雲が主役の日は、状況が1時間で変わります。出かける前と帰る前に、次の4つを見てください。
- 気象庁「雨雲の動き」(ナウキャスト)——1時間先までの雨雲の予測。5分または10分ごとに更新されます。雷ナウキャスト・竜巻ナウキャストも同じ画面で切り替えられます
- 気象庁「キキクル(危険度分布)」——土砂災害・浸水・洪水の危険度を地図の色で示します。自分の通り道の色を見るのに使います
- 気象庁「警報・注意報」——市区町村単位まで見られます。この記事の表は10時58分時点なので、必ず最新を確認してください
- お住まいの自治体が出す避難情報——防災行政無線、自治体のメール配信、公式サイトのトップページで確認できます
生活・仕事にどう効くか
- 午後の屋外の予定をどこで切るか:気象庁が挙げる積乱雲のサインは「真っ黒い雲が近づく」「雷の音が聞こえる」「急に冷たい風が吹く」の3つ。1つでも来たら屋外の活動を止めて頑丈な建物へ入る。木の下は避難先にならず、木の下での雨宿り中の死傷事故はほとんどが側撃雷によるもの。
- 帰宅時の道の選び方:甲信で予想されている1時間50ミリは「非常に激しい雨」の階級で、気象庁は「車の運転は危険」と明記している。アンダーパス・地下駐車場・周囲より低い道路は、降っている場所と水がたまる場所が一致しない。水深60センチでドアは開かなくなる。
- 家のまわりで残っているリスク:群馬県と長野県北部・中部は、警報級の大雨の可能性が下がったあとも28日夕方まで土砂災害の注意が続いている。長野県では小谷で156.5ミリ、群馬県では沼田で80.5ミリが降り始めからすでに降っており、土に水が入りきった状態で追加の雨を受けることになる。
結局どうすればよいか
- 出かける前に気象庁「雨雲の動き」で、行き先に発達した雨雲が近づいていないかを見る(5〜10分ごとに更新)
- 真っ黒い雲・雷の音・急に冷たい風、のどれか1つでも来たら、グラウンドや河川敷から頑丈な建物へ移動する。木の下には入らない
- 車ではアンダーパスと地下駐車場を避け、冠水した道へは進入しない
- 帰宅前に気象庁「キキクル」で、通り道の土砂災害・浸水の色を確認する
- 28日16時30分頃に次の関東甲信地方気象解説情報が出る予定なので、夕方の予定がある人はそこで見直す
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
- 今すぐ備えて!「水が引くまで車で待とう」は間違い 水深60センチでドアは開きません
- 「関東甲信は28日夕方まで」ではありません 東京と埼玉は27日いっぱい、長野だけ翌朝が山
- 「ハザードマップ、気にしすぎでしょうか」——色のない場所から、被害報告の55.7%が届きました
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 気象庁 関東甲信地方気象解説情報(大雨・落雷・突風)2026年8月28日5時20分(2026年8月28日発表)
- 気象庁 群馬県(10時59分)・長野県(11時09分)・茨城県(11時20分)気象解説情報(2026年8月28日発表)
- 気象庁 気象警報・注意報(1都8県/10時51分〜10時58分発表)(2026年8月28日発表)
- 気象庁 アメダス(関東甲信170地点/12時10分の値)(2026年8月28日発表)
- 気象庁 知識・解説「雨の強さと降り方」
- 気象庁 知識・解説「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために」(積乱雲が近づくサイン・雷の災害例)
更新履歴
- 2026年8月28日 初版を公開(気象庁の11時20分発表・12時10分のアメダスまで反映)
※本記事は2026年8月28日12時20分時点で気象庁が公表している情報にもとづきます。次の関東甲信地方気象解説情報は28日16時30分頃に発表される予定です。警報・注意報や雨量の予想は今後変わるため、行動する前に気象庁の最新発表と自治体の避難情報を必ずご確認ください。


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