重ねるハザードマップを名古屋の新川の周りで切り出すと、清須市の西枇杷島町片町は、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
ただし、2000年の東海豪雨で新川の堤防が切れたのは西枇杷島町ではなく、名古屋市西区のあし原町です。
先に結論
- ✓ 新川が流れる清須市は142か所、名古屋市西区は157か所で、町・字の中心の0.5m以上の浸水が1〜3日続く想定
- ✓ 県の表(1974年以降)で最大の水害は2000年9月の東海豪雨。新川流域の浸水は床上14,524戸・床下9,863戸
- ✓ 東海豪雨の後の改修で、新川は2005年度に五条川合流後で1,090m³/sを流せるようになった。ただ新川洗堰(あらいぜき)からは2026年9月8日にも庄内川の水が約5時間越流
新川が氾濫したら浸水する町

この地図は重ねるハザードマップを新川の周りで切り出したもので、新川以外の川の想定も重なっています。色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。
この地図には、新川の流域をはさむ庄内川と木曽川などの想定が大きく重なっています。
5〜10mが細長く続くのは、中川区の西側で庄内川と新川にはさまれた一帯です。
新川の堤防が切れた場合の想定は愛知県の洪水浸水想定区域図で、雨は新川流域の24時間総雨量751mmです。図は県の「愛知県 洪水浸水想定区域図」のページにあります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
新川が流れる清須市は300か所のうち261か所で、5〜10mが西枇杷島町片町・西枇杷島町城並一丁目の2か所、3〜5mが104か所です。
名古屋市西区は192か所のうち181か所で、5〜10mが名塚町三丁目、3〜5mがあし原町・枇杷島一丁目など74か所です。
北名古屋市は37か所のうち26か所、大治町は12か所の全部が入ります。
3番目に多い稲沢市(356か所)は、県の新川の想定の関係市町村に入っていない市です。

2〜4週間続くのは、下流の名古屋市中川区238か所・港区173か所です。
新川沿いのあま市は87か所のうち52か所、大治町は12か所のうち10か所が3日〜1週間です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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新川の過去の水害と最近の大雨

国の資料は、1787年に新川と洗堰ができた後について「この後約60年間は下流部にて水害がほぼ無し」と書いています。
東海豪雨では、洗堰から新川へ最大270m³/sが越流し、新川自体の洪水と重なって長い時間高い水位が続きました(国の河川整備計画)。
北名古屋市の久地野では、約13時間にわたって計画高水位を超えています。
東海豪雨の新川の決壊で、清須市では旧西枇杷島町で約4,000世帯、旧新川町で約2,300世帯が床上浸水しました(清須市)。
今の水位を見る場所

新川では、清須市の水場川外水位に避難判断水位と氾濫危険水位の線があります。北名古屋市の久地野と名古屋市の新川下之一色は、氾濫注意水位までです。
名古屋市は2026年9月8日17時25分、「新川(水場川外)」などを挙げて避難指示を出しました。
洗堰から新川へ水が越えているかは国の洗堰のカメラ、新川そのものは北名古屋市の新川・電車川排水機場のカメラで見られます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
名古屋・愛知の新川と洗堰の仕組み
この新川は、名古屋市北区・西区境にある庄内川の洗堰から始まり、清須市などを流れて名古屋港へ出る愛知県管理の川です。いわき市や札幌市の新川とは別の川です。
新川洗堰は、庄内川の北の堤防を約73mにわたって半分の高さに切り下げた堰です。大水のときは庄内川の水がここから新川に入り、伊勢湾へ流れます。
「東海豪雨の後の工事で、洗堰から新川へ水は入らなくなった」とは言い切れません。国の河川整備計画の目標は、東海豪雨と同じ規模の洪水で洗堰から新川への越流量を0にすることです。
それを上回る洪水では「新川洗堰から新川に越流する」とも書いています。
2026年9月8日には「19時10分頃から9日0時30分頃まで約5時間あまり、庄内川から新川側に越流しました」(庄内川河川事務所の出水速報)。
流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません ›
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ここで扱った浸水想定は、国と都道府県が川ごとに作った想定最大規模の雨の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 名古屋市「庄内川水系の河川」
- 愛知県「新川流域水害対策計画」第1章第1節 流域と河川、下水道の概要
- 愛知県「新川流域水害対策計画」第1章第2節 流域の浸水被害の状況
- 庄内川河川事務所「新川の開削と洗堰」
- 国土交通省「庄内川水系の流域及び河川の概要」
- 国土交通省「庄内川水系河川整備計画【大臣管理区間】」第1章
- 国土交通省「庄内川水系河川整備計画【大臣管理区間】」第2章
- 国土交通省「庄内川水系河川整備計画【大臣管理区間】」第3章
- 庄内川河川事務所「東海豪雨20年」
- 清須市「東海豪雨における清須市浸水実績について」
- 名古屋市「東海豪雨水害に関する記録」(平成13年3月30日)
- 庄内川河川事務所「前線や熱帯低気圧の影響による令和8年9月8日からの大雨における庄内川(土岐川)出水状況について【第1報】修正版」(2026年9月11日)
- 名古屋市「令和8年9月8日の大雨にかかる被害状況等について」
- 愛知県河川課「愛知県 洪水浸水想定区域図」
- 愛知県「庄内川水系 新川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」(洪水浸水想定区域・想定最大規模)
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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