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大崎市 冠水 いちばん低い住宅地は鹿島台木間塚の2.8メートル ところが40年前、宮城県が軒下まで浸かったと記録したのも同じ字でした

🗨️「大崎市で冠水しやすいのは、どのあたりですか?」

住宅地の標準地12地点を国土地理院の標高データにかけると、標高5メートルを切るのは鹿島台木間塚の1地点(2.8メートル)だけでした。次に低い古川駅東は17.7メートルで、14.9メートルの段差があります。そして1986年8月の台風10号で宮城県が記録した写真の中に「木間塚地区もほとんど冠水」「姥ヶ沢地内」の文字が残っています。今回いちばん低いと出た標準地の所在は、大崎市鹿島台木間塚字姥ケ沢です。

[災害] この記事の要点

発表日・更新日

2026年9月7日 発表

影響を受ける人
  • 大崎市鹿島台・松山町で家を買う予定の人、いま持っている人
  • 大崎市・美里町・松島町から仙台へ通勤・通学している人
  • 「大崎市は古川しか知らない」という人(市内の標高差は178メートルある)
目次

大崎市で標高5メートルを切る住宅地は、1か所しかない

大崎市の住宅地の標準地12地点を、国土地理院の標高データにかけて低い順に並べました。

標高所在
2.8m大崎市鹿島台木間塚字姥ケ沢
17.7m大崎市古川駅東3丁目
19.6m大崎市古川小稲葉町
19.7m大崎市三本木南谷地字長寿院浦
20.1m大崎市古川大宮6丁目
21.0m大崎市古川字竹ノ内
32.1m大崎市鹿島台平渡字狸沢
33.3m大崎市三本木新町1丁目
49.3m大崎市岩出山字東川原町
50.6m大崎市岩出山字浦小路
114.2m大崎市鳴子温泉字川渡
180.9m大崎市鳴子温泉字新屋敷

12地点の中央値は26.6メートルです。5メートルを切るのは鹿島台木間塚の1地点だけで、2番目に低い古川駅東との間には14.9メートルの段差があります。大崎市は2006年に古川・鹿島台・岩出山・鳴子温泉などが合併してできた市なので、180メートルの温泉地と2.8メートルの水田地帯が同じ市の中に同居しています。「大崎市の標高」という平均値では、この段差は見えません。

読者

低い土地ほど安い、ということですか。

おかあさん

そうはなっていません。ここで測ったのは高さだけです。土地の値段は駅からの距離や商業の集まり方で決まるので、標高の順とは並びません。ここで見てほしいのは順位ではなく、市内でここだけが飛び抜けて低いという一点です。

40年前、その字は軒下まで浸かっている

宮城県が公開している「みやぎ水害記録集」の昭和61年8月洪水(台風10号)の項に、当時の写真の一覧が残っています。鳴瀬川水系(吉田川流域)の欄に並んでいる説明文を、書かれているとおりに抜き出します。

  • 軒下までつかった家屋
  • 冠水した鹿島台町中心部
  • 増水は翌日の昼まで続き、懸命の救助が行われた(姥ヶ沢地内
  • 家財をかついで避難(姥ヶ沢地内
  • 木間塚地区もほとんど冠水
  • 救助ボートが一軒一軒を回る
  • 線路にまでせまった浸水

今回の集計でいちばん低いと出た標準地の所在は、大崎市鹿島台木間塚字姥ケ沢です。40年前に県が写真に残した字の名前と、いま標高を測って最下位に出てくる字の名前が一致しています。

読者

そんな昔の話が、いまも関係あるんですか。

おかあさん

川の形や堤防はそのあと直されています。ただ、地面の高さは直せません。1986年に水が集まった場所が2026年も市内でいちばん低い、という事実だけは動いていません。

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1986年8月の台風10号は、8月1日にルソン島の東で発生し、4日21時に石廊崎の南で温帯低気圧に変わったあとも勢力を保ったまま房総半島をかすめ、6日9時に仙台湾沖へ達しました。宮城県では4日8時ごろから雨が降り始め、5日の午後まで降り続いています。仙台の連続雨量402ミリは、明治21年の観測開始以来の過去最大で、県は「過去のデータから推測すると約200年に一度の大雨」と書いています。県内では7河川の11か所で堤防が破れ、99河川で水があふれました。被害は県管理河川で927件、市町村管理河川で797件の合計1,724件、総被害額は151億円です。

i この段落の数字はすべて宮城県「みやぎ水害記録集(昭和61年8月洪水(台風10号))」からの引用です。当時の自治体名は鹿島台町で、2006年の合併で大崎市になりました。

9年のうち3年、大崎市では建物が浸かっている

国土交通省の水害統計調査から、市区町村別の被害を2015年から2023年まで足しました。

床上浸水床下浸水半壊全壊・流失被害額
2015427棟202棟4棟1棟約69.1億円
2019125棟613棟274棟111棟約187.2億円
20220棟517棟149棟0棟約118.5億円
累計552棟1,332棟427棟112棟約376.5億円

床上浸水の多さでは、記録のある954市区町村のうち32番目でした。ここで読み違えやすいのが2019年です。床上は125棟しかないのに、半壊274棟・全壊流失111棟が別の欄に立っています。深く浸かった建物は床上浸水ではなく半壊・全壊のほうに数えられるので、床上の棟数だけを見ると被害を小さく受け取ってしまいます。2022年も床上0棟のまま半壊が149棟あります。

i 国土交通省「水害統計調査」市区町村別水害被害(表-3)を2015年から2023年まで集計しました。棟数は建物の被災棟数、被害額はその年の価格です。2024年以降は確報が未公表のため含みません。

止まった理由の書き方が、1区間だけ違う

7日23時05分のJR東日本 東北エリアの運行情報を、「なぜ止めたか」の文言で並べ直しました。

区間状態止めた理由の書き方
東北本線 松島〜小牛田本日全列車の運転取りやめ河川増水の影響で
常磐線 いわき〜仙台終日運転見合わせ大雨が見込まれるため
磐越東線 いわき〜郡山終日運転取りやめ大雨が見込まれるため
石巻線 小牛田〜女川9時ごろから運転取りやめ大雨が見込まれるため
気仙沼線 小牛田〜柳津9時ごろから運転取りやめ大雨が見込まれるため
山田線 上米内〜宮古最終まで運転見合わせ大雨が見込まれるため
花輪線 全線最終まで運転見合わせ大雨が見込まれるため

「大雨が見込まれるため」は、雨が来る前に決めた運休です。だから何時から何時までと時刻で書けますし、雨が抜ければ予定どおり戻せます。松島〜小牛田だけがそうではありません。増えたのは川で、水が引くまで線路の点検に入れないので、時刻を先に決めることができません。実際、7日23時05分の時点で8日の案内が出ていたのは大船渡線(始発から14時ごろまで)、釜石線の4本、快速はまゆり2本だけで、松島〜小牛田には1行もありません。

この区間は松島町の品井沼から大崎市の鹿島台・松山町を通って美里町の小牛田へ抜けます。1986年の記録集にある「線路にまでせまった浸水」の写真も、同じ吉田川流域のものです。

最後に集計条件を書いておきます。国土数値情報「地価公示」2026年のうち用途が住宅の標準地を抽出し、各地点の緯度経度を国土地理院の標高API(5メートルメッシュのレーザ測量データ)にかけて標高を取りました。大崎市は12地点です。標準地の位置での値であって、市内すべての土地を表すものではありません。ここで測ったのは地面の高さであって浸水想定ではないので、ハザードマップの代わりにはなりません。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。

生活・仕事にどう効くか

  • 市内の低さの偏り:大崎市の住宅地の標準地12地点のうち、標高5メートルを下回るのは鹿島台木間塚の1地点(2.8メートル)だけ。次に低い古川駅東は17.7メートルで、14.9メートル上にある
  • 40年前に起きたこと:1986年8月の台風10号で、宮城県は仙台の連続雨量402ミリを記録した。明治21年の観測開始以来の最大で、県は「約200年に一度の大雨」としている。吉田川流域では内ノ浦・粕川・下志田・桧和田で堤防が破れた
  • 過去9年の浸水:国交省の水害統計で、大崎市は2015年から2023年までの9年のうち3年で建物の浸水被害が出ている。床上552棟・床下1,332棟・半壊427棟・全壊流失112棟で、被害額の累計は約376.5億円
  • 8日の朝に動くかどうか:7日23時05分時点で、JR東日本が8日の計画を出しているのは大船渡線・釜石線・快速はまゆりだけ。松島〜小牛田には8日の時刻がひとつも出ていない

結局どうすればよいか

  • 大崎市のハザードマップは「洪水」と「内水」を別々に開く。川があふれる話と、降った雨が地面から出ていけない話は別の地図になっている
  • 8日の朝は「東北本線」ではなく「松島〜小牛田」の区間名で運行情報を見る。同じ路線でも岩沼〜仙台・仙台〜松島・小牛田〜一ノ関はそれぞれ扱いが違う。代行バスは出ない(全区間「代行輸送は行いません」)
  • 住所を入れて、自分の家が浸水想定区域にかかっているかを先に見ておく。鹿島台のように市内で1か所だけ低い土地は、市全体の平均では見えない

\気になる住所を1つ入れるだけ/

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公式出典

更新履歴

  • 2026年9月7日 初版を公開

※本記事は2026年9月7日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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