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京都五山送り火に738万円集まった。それでも山では薪が足りない

京都では今夜、いつものように五山送り火が灯る。けれど、その「いつものように」を続けることが、年々難しくなっている。

大文字山に最初の火が入るのは午後8時。合図から数分おきに、妙法、船形、左大文字、鳥居形と、京都を囲む五つの山に次々と炎が浮かび上がる。今年、その足元では目標の184%にあたる支援金が集まっていた。

先に結論

  • 2026年8月16日20:00、大文字を皮切りに五つの送り火が順に点火(気象条件により変更の可能性あり)
  • 五山送り火は観光イベントではなく、お盆に迎えた先祖の霊を送り出す宗教的・民俗的な伝統行事
  • 維持のためのクラウドファンディングは目標400万円に対し、支援総額738万円・達成率184%・支援者542人(2026年8月16日時点、受付は8月31日まで)
  • 原因はお金だけではなく、豪雨・獣害・薪不足・設備老朽化・担い手不足が同時に進んでいること
目次

今夜、京都の山にいつもの火が灯る

2026年8月16日、五山送り火の点火予定は次の通り。それぞれ約30分間、山肌に炎が浮かび上がる。

送り火 点火予定時刻
大文字 20:00
妙法 20:05
船形 20:10
左大文字 20:15
鳥居形 20:20

気象条件によっては、時刻や実施そのものが変更される場合がある。最新情報は主催者の発表を確認してほしい。

五山送り火とは何なのか

五山送り火は、お盆に迎えた先祖の霊を、再びあの世へ送り出すための行事だ。8月13日に迎え火で祖霊を迎え、16日の送り火で送り出す。京都の夏の風物詩として観光客の目にも触れるが、本来の性格は観光イベントではなく、宗教的・民俗的な伝統行事である。大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形の五つはいずれも京都市登録無形民俗文化財に指定されている。

実は「火を灯すまで」がとてつもなく大変

観客が実際に目にするのは、山に火が浮かぶ約30分間だけだ。だが、その30分の裏には、地域住民や保存会による準備期間がある。松の薪を山へ運び上げ、火床を組み、作業道を維持する。急斜面のため重機が入れない区間もあり、人力での補修が続けられている。観覧者の安全対策も、山の管理と並行して行う必要がある。「火をつけるだけの行事」ではなく、1年をかけて山を維持する行事だ。

異常気象・薪不足・設備老朽化・担い手不足が同時に進んでいる

京都五山送り火連合会が公表している課題は、一つではない。

気象・地形の悪化:豪雨による土砂流出、土砂崩れ、地割れ、倒木が起き、火床や作業道そのものが崩れる。急斜面が多く、崩れた箇所の復旧も人力に頼らざるを得ない。

シカによる獣害:シカが木の葉を食べ尽くし、山肌が露出する場所が増えている。植生が失われた斜面は足場が悪くなり、作業者が滑落する危険も高まっている。

薪の確保難:送り火に使う松の薪は、良質なものに育つまで何十年もかかる。近年は松の枯れや病害虫の被害が増え、かつてのように安定して薪木を採取できなくなっている。

設備の老朽化:山中で資材を運ぶウィンチレールなどの設備は、長年の風雨や地盤変動で劣化が進んでいる。更新には費用がかかり、修繕をしながら延命させているのが実情だ。

担い手不足:山の整備も、当日の運営も、地域の担い手あってのものだ。クラウドファンディングのページには、こう記されている。

「火を守ってきた人の力も、組織の体力も、自前の資金も静かにすり減っている」(京都五山送り火連合会クラウドファンディングページより)

これらは互いに絡み合っている。獣害で山肌が荒れれば土砂災害のリスクが上がり、作業道が崩れれば薪の運搬がさらに困難になる。単純な「お金が足りない」ではなく、複数の問題が同時多発的に進んでいるというのが、この行事が置かれている状況だ。

400万円のクラウドファンディングが始まった理由

こうした状況を受け、京都五山送り火連合会は、運営を京都新聞社に委ねる形でクラウドファンディングを実施している。実施期間は2026年7月1日から8月31日まで、目標金額は400万円。資金は安全対策、山の整備・保全、松割木などの資材確保、老朽設備への対応、行事の伝承、担い手の研修にあてられる予定だ。

本記事執筆時点(2026年8月16日)で、支援総額は738万円、達成率184%、支援者は542人にのぼる。目標額はすでに大きく上回っているが、受付は8月31日まで続いている。最新の支援状況は、クラウドファンディングページで確認できる。

私はこの738万円という結果を、送り火への愛着の大きさを示す数字だと見ています。ただ、これで問題が解決したとは考えていません。今回集まった資金は、老朽設備の修繕や資材の確保など、目の前の危機を一時的に押し返すためのものです。シカによる食害や豪雨の頻度そのものは、資金では止められません。来年、再来年と、同じ規模の支援と担い手を集め続けられるかどうかが、この行事の実質的な寿命を決めることになると考えています。

「毎年あるもの」が毎年あるとは限らない

五山送り火は、毎年8月16日に開催されてきた。だから来年も当然開催されると思ってしまう。だが実際には、地域住民と保存会による準備、山の整備、資材の確保、そして今回のような資金調達が積み重なって初めて、その「毎年」が成り立っている。

観光地として消費される行事ではなく、地域が担ってきた宗教行事だからこそ、担い手の高齢化や後継者不足がそのまま行事の存続に直結する。今夜、山に火が灯るのを見たとき、それが「当たり前に続くもの」ではなく「続けるために誰かが動いている」ものだと知っているかどうかで、見え方は変わってくる。

まとめ

  • 2026年8月16日20:00から、大文字を皮切りに五つの送り火が順に点火される
  • 五山送り火は観光イベントではなく、先祖の霊を送る宗教的・民俗的な伝統行事
  • 課題は豪雨・獣害・薪不足・設備老朽化・担い手不足が同時に進んでいることで、お金だけの問題ではない
  • クラウドファンディングは目標400万円に対し738万円・達成率184%(2026年8月16日時点)、受付は8月31日まで
  • 「毎年あるもの」は、地域の準備と担い手があって初めて毎年あり続ける
クラウドファンディングのページを見る(8月31日まで)▶

支援状況はページ上でリアルタイムに確認できる

参考・出典

(本文中の支援総額・達成率・支援者数は2026年8月16日時点の数字。最新の状況はクラウドファンディングページで確認してください。)

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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