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学校選択制 導入自治体/自由に選べるのは2%

🗨️「引っ越し先の市で、子どもの小学校を選べますか」

文部科学省の調査では、学校選択制を入れている教育委員会は、小学校が2校以上ある1,455のうち331(22.7%)でした。ただし、市内のどの学校からでも選べる「自由選択制」は33(2.3%)だけです。いちばん多いのは、山あいの小さな学校などに市内のどこからでも通えるようにする「特認校制」で、331のうち196を占めます。

[暮らし] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月3日 発表

影響を受ける人
  • 小学校・中学校の入学前に引っ越し先を決める家庭
  • 学校選択制のある市区町村に住んでいて、来年度に新1年生がいる家庭
  • 「学区の外の学校にも通える」と聞いて家を探している人
目次

選択制がある自治体の数

「学校選択制がある町なら、好きな学校を選べる」と思われがちですが、そうとは限りません。文部科学省が2022年5月1日時点で全国の教育委員会に聞いた調査では、学校選択制を入れているのは、小学校が2校以上ある1,455のうち331でした。そのうち、市内のどの学校からでも選べる形は33しかありません。

学校選択制は、学校教育法施行規則第32条で「あらかじめ、その保護者の意見を聴取することができる」と定められた仕組みです。入学する学校を教育委員会が決める前に、保護者から希望を聞きます。聞く場合は、その手続きを定めて公表することになっています。

調査の年小学校で導入中学校で導入
2006年240(14.2%)185(13.9%)
2012年246(15.9%)204(16.3%)
2022年331(22.7%)227(20.1%)

割合の分母は、小学校(または中学校)が2校以上ある教育委員会の数です。2022年は小学校1,455、中学校1,131でした。数は増えていますが、小学校で7割(1,020)は「導入していないし、今後検討する予定もない」と答えています。

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中身は5つの型に分かれる

同じ「学校選択制」でも、選べる範囲は自治体によってまるで違います。文部科学省は5つの型に分けて数えています。1つの自治体が2つ以上の型を使っていることもあります。

型選べる範囲小学校中学校
特認校制決められた学校だけ、市内のどこからでも通える19672
特定地域選択制決められた地域に住む子だけ、学区の外も選べる9164
隣接区域選択制となりの学区の学校まで選べる5235
自由選択制市内のすべての学校から選べる3363
ブロック選択制市内をブロックに分け、その中から選べる63

小学校でいちばん多い特認校制は、196のうち185が「小規模校の課題解消のため」に入れたものです。山あいで子どもが減った学校に、市内のどこからでも通えるようにする制度で、街なかの人気校を選ぶ制度ではありません。

市内の全部の学校から選べる自由選択制は、小学校で33。1,455の2.3%です。中学校では63と少し増えますが、それでも1,131の5.6%です。

選択制が無い町で学区の外に通うには、指定校変更や区域外就学を申し立てる道があります。違いと順番はこちらにまとめました。

申し込みと抽選の流れ

選択制のある自治体では、入学の前の年の秋に希望を出します。大阪市阿倍野区の令和9年度入学(2027年4月)の案内では、日程は次のとおりです。

  • 10月30日まで:希望調査票を区役所へ提出(必着)
  • 11月13日:学校ごとの希望者数を公表(予定)
  • 11月13日〜19日:希望を書き換えられる期間
  • 12月8日:希望者が受け入れ人数を超えた学校で公開抽選
  • 12月下旬:就学通知書が届く

11月に一度、希望者の数を見てから書き換えられるのが、この仕組みの要です。抽選が見えた学校を避けて、第2希望に回る家庭が出ます。

大阪市北区の希望調査票には、こう書かれています。

学校選択制においては、異なる通学区域へ転居した場合等を除き、希望確定後の変更や辞退、入学後の転校は認められません。

通学の安全確保は保護者の責任となりますので、通学経路や通学時間等を必ずご確認のうえ、学校を選んでください。

出典:大阪市北区「学校選択制希望調査票の記入例」(令和9年度 小学校新1年生)

選んだ学校が遠くても、入学後に「やっぱり近くの学校へ」とは戻れません。一方で、同じ調査票には「通学区域の学校へは必ず就学できます」とも書かれています。選ばずに出せば、住所で決まる学校に入れます。

駅前の歩道を列になって歩く小学生たち
学区の外の学校を選ぶと、通学の道と時間は保護者が確かめることになる(イメージ・Photo: Pexels)

住所で決まる学校がどこかは、大阪市なら大阪市の学区一覧で町名から調べられます。品川区も学校選択の仕組みを持つ区で、品川区の学区一覧にまとめています。品川区は2024年7月の区議会の資料で、子どもが急に増えた東品川4丁目11〜13番の学区を、2026年4月1日に城南小学校から城南第二小学校へ移すと示しました。選択制がある区でも、学区そのものは動きます。

導入した市の評価と廃止

導入した331の教育委員会に「よかったこと」を聞くと、いちばん多いのは「保護者の希望に配慮することができるようになった」で239(72.2%)でした。一方で、「学校同士が競い合うことにより教育の質が向上した」と答えたのは331のうち3だけです。中学校でも227のうち4でした。

課題のほうは、「課題は特にない」が135(40.8%)で最多、次が「事務手続きが煩雑化した」103(31.1%)、「通学距離が長くなり、安全の確保が難しくなった」57(17.2%)と続きます。自由記述には、抽選で兄弟や双子が別々の学校になった例や、災害のときに学区の外に住む保護者への引き渡しが難しかった例が並んでいます。

すでにやめた教育委員会も、小学校で23、中学校で18あります。理由の書き込みには「選択できない学校や抽選校が増加し、公平性の確保が難しい状況となった」「一つの学校にのみ希望が集中し、過収容の限度も超え」といった言葉があります。

私は、学校選択制を家選びの決め手にしないほうがいいと見ています。自由に選べる形は小学校で2.3%しかなく、選べる町でも抽選があり、確定後は変えられず、制度そのものがやめになることもあります。家を決めるときの前提は、住所で決まる学校です。選択制は、そのうえで使えたら使う、くらいの位置に置くのが安全だと思います。

よくある質問

Q. 学区の外の学校のほうが近いのですが、選択制が無い町では通えませんか。
A. 指定校変更を申し立てる道があります。距離や安全を理由として認める市もあります。学区の線が近い学校を外れる理由は近い小学校があるのに学区外なのはなぜ?にまとめました。

Q. 選んだ学校が遠いと、どれくらいの距離になりますか。
A. 学校までの距離の目安は小学校まで徒歩30分は遠い?で、神戸市の町丁ごとに測った結果を載せています。

Q. 選択の結果はいつわかりますか。
A. 大阪市阿倍野区では、12月下旬に届く就学通知書で決まった学校が示されます。通知書の届く時期と、届かないときの連絡先は就学通知書 いつ届く/届かないときにあります。

Q. 中学校だけ選択制の町はありますか。
A. あります。導入数は小学校331、中学校227で、自由選択制は中学校のほうが多く(小学校33・中学校63)なっています。住む予定の市区町村の教育委員会のページで、小学校と中学校を分けて確かめてください。

生活・仕事にどう効くか

  • 引っ越し先を決める前:市内のどの学校からでも選べる自由選択制は、小学校で33の教育委員会だけ。選択制がある町でも、選べる学校は限られていることが多い
  • 選択制のある市で新1年生がいるとき:大阪市阿倍野区は、令和9年度入学の希望調査票を10月30日まで受け付け、希望者が多い学校は12月8日に公開抽選する
  • 選んだあと:大阪市の調査票には、転居などを除き、希望が確定したあとの変更や辞退、入学後の転校は認められないと書かれている

結局どうすればよいか

  • 住む予定の市区町村名と「学校選択制」で検索し、教育委員会の公表ページを読む
  • 選べる学校の一覧と、抽選になった場合の優先順位(きょうだいなど)を確かめる
  • 選べなかったときに通う、住所で決まる学校(通学区域の学校)を先に調べておく

\町名を入れて通学先だけ先に見る/

学区検索を使ってみる ›

小学校・中学校(無料)

公式出典

更新履歴

  • 2026年10月3日 初版を公開(文部科学省の調査PDFの原本で数字を確認したもの)

※本記事は2026年10月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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