不動産代理・仲介業の倒産は、2026年1〜8月に全国で86件。そのうち負債5,000万円未満が60件、約7割でした。関西は、同じ調査の「近畿」で24件です。
ただし、「設立5〜9年で倒産が目立つ」「平均23.7年」という業歴の数字は、それぞれ別の調査です。取引先や勤務先を考えるときも、会社の年数だけで安全性は決まりません。
2026年10月22日確認。以下の件数は2026年1〜8月の集計です。10月までの累計や、2026年通年の確定値ではありません。
小規模事業者の倒産
帝国データバンクが2026年9月8日に公表した対象は、土地・建物の売買や賃貸仲介、管理などを手がける不動産代理・仲介業。負債1,000万円以上で、法的整理に至った倒産を数えています。
86件は前年同期の87件から1件減りました。「前年より倒産件数が急増した」という読み方にはなりません。一方、負債総額は約79億8,300万円で、前年同期より66.6%増えています。件数と負債額では動きが違います。

負債5,000万円未満の60件は、86件に占める割合が69.8%という意味です。「小さな不動産会社の7割が倒産した」わけではありません。また、この調査でいう5,000万円未満は、集計条件の1,000万円以上に限られます。休廃業や解散も、ここで数える倒産とは区別します。
関西の倒産件数
関西の動向は、原典の地域名「近畿」で見ると、全国86件のうち24件、27.9%。関東の38件、44.2%に次ぐ件数でした。関東と近畿を合わせると62件で、全体の7割を超えます。

この27.9%は全国の倒産に占める近畿の割合で、近畿の不動産会社を分母にした倒産率ではありません。地域ごとの事業者数も違うため、件数だけで「関西の会社は他地域より倒産しやすい」とまでは判断できません。
なお、近畿24件のうち何件が負債5,000万円未満だったか、何件が設立5〜9年だったかという組み合わせは、確認した公表資料からは分かりません。全国の小規模60件を、そのまま近畿の数字に置き換えないことです。
設立5〜9年は全業種
リスクモンスターの「2025年 倒産動向レポート」は、全国の全業種を扱う調査です。会社の設立後10年未満で倒産が目立ち、その中でも設立5〜9年の件数が目立つと説明しています。不動産仲介業だけの結果ではありません。
名称には「2025年」とありますが、実際の集計期間は2024年12月〜2025年11月。速報性を重視した集計で、法的倒産と私的倒産を含みます。先ほどの帝国データバンクの86件とは、期間も倒産の定義も違います。
また、ある年数で倒産件数が多いことと、その年数の企業が倒産する確率が高いことは別です。設立5〜9年の企業が全体で何社あるかという分母がなければ、年数だけを使った倒産確率は計算できません。
平均23.7年の対象
平均23.70年は、帝国データバンクの「九州・沖縄地区の企業寿命」分析に出てくる、不動産業の数字です。対象は2000年1月〜2024年12月に倒産し、創業または設立年月が分かる企業。創業・設立の両方が分かる場合は、創業から数えています。
つまり、すでに倒産した不動産企業が、創業・設立から倒産まで何年続いたかの平均です。現在営業している会社を含めた寿命予測でも、全国の仲介会社があと何年続くかを示す数字でもありません。

関西・近畿の不動産業について、同じ条件で比較できる平均業歴は、今回確認した一次資料では見つかりませんでした。そのため関西の平均年数は掲載せず、確認できた「近畿24件」を地域のデータとして加えています。23.7年を関西にも当てはめてはいません。
会社を見るときの確認点
「設立10年を超えたから安心」「23.7年までは続く」とは限りません。今回の統計で分かるのは、一定の条件で倒産した企業の件数や業歴です。個別の会社の支払い能力まで保証する数字ではありません。
取引や就職の前に数字を照合するなら、まず次の3点を分けて確認できます。
- 業種:代理・仲介業だけか、不動産業全体か、全業種か。
- 期間と地域:2026年1〜8月か、別の期間か。全国か近畿か、九州・沖縄か。
- 分母:倒産した企業の内訳か、営業中の企業も含む倒産率か。

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