国と県の想定では、鶴見川が2日間で792mmの雨であふれると、横浜市港北区の綱島東五丁目や大倉山三〜五丁目など13か所は、町・字の中心が2階まで浸かる3〜5mの区域に入ります。
日産スタジアムが建つ鶴見川多目的遊水地がある川ですが、この792mmは国が「想定最大規模」として置いた雨です。
先に結論
- ✓ 港北区は町・字の中心28か所で、0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く想定
- ✓ 最大の水害は1958年の狩野川台風で、被災家屋は約2万戸を超えた(国の河川整備基本方針)
- ✓ 遊水地は2019年の台風19号で約94万m³をため、亀の子橋の水位を約0.3m下げたと国が試算。ただ当面の目標は狩野川台風と同じ規模まで
鶴見川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は鶴見川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
町・字の中心が5〜10mの区域に入るのは、遊水地に近い都筑区川向町だけです。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
港北区は町・字の中心101か所のうち49か所が浸水の区域に入ります。3〜5mに入るのは、大倉山三〜五丁目、新吉田東五〜八丁目、日吉六丁目、綱島東五丁目、綱島上町、北新横浜一丁目、樽町二丁目・三丁目の13か所です。
町・字の数が多いのは下流の川崎市川崎区(81か所)と横浜市鶴見区(71か所)です。どちらも中心が3m以上の区域に入る町・字は無く、0.5〜3mが川崎区52か所・鶴見区51か所、残りは0.5m未満です。

3日〜1週間続くのは港北区の大倉山・新吉田東・綱島東・日吉などです。下流は鶴見区71か所のうち45か所、川崎区81か所のうち41か所で、1日以内に0.5mを下回る想定です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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鶴見川の過去の水害と最近の大雨

1958年9月の狩野川台風では鶴見川の各所で堤防が決壊し、災害救助法が適用されました(京浜河川事務所の年表)。
当時の流域は市街地が約10%でしたが、2003年には約85%になりました。雨が地面にしみ込まず、川へ一気に集まる流域に変わっています。
一方で2014年10月の台風18号は、1966年の台風4号より流域の2日雨量が多かったのに、浸水は6戸でした(国の事業効果資料)。

今の水位を見る場所

洪水予報の基準地点は、遊水地のすぐ下流にある港北区の亀の子橋です。
2026年9月21日の台風第25号で、京浜河川事務所は支川の鳥山川の鳥山が氾濫注意水位を超えたとして警戒体制に入りました。川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、避難判断水位も一時超えています。
同じ日、亀の子橋は水防団待機水位を超えたところまででした。本川が低くても支川だけ危ない線に届く日があるので、鳥山川沿いでは鳥山の水位も見ます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「鶴見川は氾濫しない」は本当か
「日産スタジアムの遊水地があるから鶴見川は氾濫しない」とは言い切れません。鶴見川多目的遊水地が当面の目標にしているのは、1958年の狩野川台風と同じ規模の洪水までです。
2019年10月の台風19号では約94万m³をため、亀の子橋の水位を約0.3m下げたと国は試算しています。「遊水地が無い場合は、氾濫危険水位を超過したと推定されます」とも書いています。
2003年の運用開始から2026年6月の台風第6号までに、水をためたのは25回。いちばん多かった2014年でも約153.6万m³で、容量390万m³の約4割でした。
港北区の洪水ハザードマップは、2日間で400mm以上の雨では「避難場所の数が圧倒的に不足することが見込まれます」として、安全な場所にある親戚・知人の家や宿泊施設への避難を検討するよう書いています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。市区町村ごとの冠水しやすい場所は次のページです。
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ここで扱った浸水想定は、国と都道府県が川ごとに作った想定最大規模の雨の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 京浜河川事務所「鶴見川の概要」
- 京浜河川事務所「昭和の歴史年表」
- 京浜河川事務所「災害の記録 鶴見川」
- 国土交通省「鶴見川水系河川整備基本方針」
- 京浜河川事務所「鶴見川多目的遊水地事業とは」
- 京浜河川事務所「鶴見川多目的遊水地」パンフレット
- 京浜河川事務所「台風第19号(令和元年10月11日〜13日)出水概要」
- 京浜河川事務所「台風第6号 令和8年6月2日〜3日 出水概要」
- 京浜河川事務所「平成26年台風18号 事業効果」
- 京浜河川事務所「鶴見川の洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」
- 京浜河川事務所「台風第25号接近に伴う体制」(2026年9月21日)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 横浜市「港北区洪水ハザードマップ」(2026年6月4日更新)
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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