🗨️「長野の神社で銅板が盗まれているって、どのあたりで起きているの?」
報道されているだけで、8月以降に長野県内の4か所です。8月に小川村の神社、9月に大鹿村の神社、9月12日に下條村の入登山神社、9月中旬に阿南町の神社。下條村では手水舎の屋根(およそ6メートル×4メートル)の銅板がはがされました。阿南町では雨漏りが起きて、秋祭りが中止になっています。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月22日 発表
- 長野県内で神社・寺院・公民館などを管理している人
- 空き家や、ふだん人のいない建物を持っている人
- 銅の雨樋、エアコンの室外機、給湯器が屋外にある家
8月から4か所、いずれも山あいの神社
報道されている範囲で、長野県内の被害はこうなっています。
| 時期 | 場所 | 被害 |
|---|---|---|
| 8月 | 上水内郡 小川村の神社 | 屋根の銅板 |
| 9月 | 下伊那郡 大鹿村の神社 | 屋根の銅板 |
| 9月12日 | 下伊那郡 下條村・入登山神社 | 手水舎の屋根(約6m×4m)の銅板 |
| 9月中旬 | 下伊那郡 阿南町の神社 | 屋根の銅板。雨漏りで秋祭りが中止 |
4か所のうち3か所が下伊那郡です。いずれも人が常駐していない神社で、昼間でも人通りが少ない場所にあります。「誰かが見ている」という条件が抜けた建物が選ばれている、という並び方です。
屋根の板って、そんなに値段がつくもの?
盗まれているのは「板」ではなく銅という金属です。溶かして売る前提なので、形も由来も関係がありません。だから屋根でも、雨樋でも、室外機の中の配管でも同じ扱いになります。
銅の値段は、2年で1.6倍になっている
国内の銅の取引の目安になる「銅建値」は、JX金属が改定のたびに公表しています。直近は2026年9月17日に1トン231万円。2024年12月が144万円でしたから、およそ1.6倍です。
| 時点 | 銅建値(1トン) |
|---|---|
| 2024年12月 | 144万円 |
| 2025年12月 | 192万円 |
| 2026年9月17日 | 231万円 |
値段が上がれば、同じ重さを盗んだときの見返りが増えます。建物の側は何も変わっていないのに、狙われる理由のほうが年々大きくなっている、という形です。
買い取る側の規制は、6月にもう始まっている
金属の盗難については、令和7年法律第75号「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」があります。警察庁の説明によると、施行は2段階でした。
- 令和7年9月1日 … 犯行用具の規制と、盗難防止に関する情報の周知
- 令和8年6月1日 … 特定金属くず買受業に関する措置
対象になるのは「主として銅により構成されている金属くず」。買い取る事業者の側に、公安委員会への届出、確実な本人確認、取引記録の保存、盗品の疑いがあるときの申告が課される仕組みです。
売る側の出口を狭くする法律で、6月1日に全面施行されています。それでも9月に4か所目が出たというのが、いま起きていることです。制度ができたから終わり、とは読めません。

自分の家の銅は、どこにあるか
神社の話に見えますが、狙われている物そのものは、ふつうの家にもあります。
- 雨樋 … 古い家では銅の雨樋が使われていることがある
- エアコンの室外機 … 中の配管が銅。室外機ごと持ち去られる被害が各地で出ている
- 給湯器 … 屋外に設置されていて、配管が銅
- 屋根・庇の板金 … 社寺に限らず、銅板が使われている住宅がある
とくに、人が住んでいない実家や空き家は、神社と同じ条件にあります。誰も毎日見ていない、夜に明かりがつかない、車が停まっていない。盗む側から見ると、その3つがそろっている建物は分かりやすいということです。
盗まれた金額より、直す費用のほうが大きい
阿南町の神社では、銅板がはがされたあとに本殿で雨漏りが起き、秋祭りが中止になりました。屋根に穴が開くと、そこから先は建物そのものが傷みます。
空き家でも同じことが起きます。雨樋が無くなれば雨水が基礎まわりに落ち続け、屋根の板金が無くなれば下地が濡れます。管理していない期間が長いほど、気づいたときの修復費が大きくなります。実家をどうするか決めかねているなら、痛みが進む前に、いまの相場と売った場合の見込みだけでも把握しておくほうが選択肢が残ります。
生活・仕事にどう効くか
- 建物:屋根の銅板がはがされると、そこから雨が入る。阿南町では本殿に雨漏りが生じ、秋祭りが中止になった。盗まれた金属の値段より、修復費のほうが大きくなる。
- 家のまわり:狙われているのは銅そのもの。神社の屋根だけでなく、雨樋・エアコンの室外機・給湯器も同じ理由で狙われる。
- 制度:買い取る側を規制する法律は、令和8年6月1日に買受業に関する措置まで施行された。それでも9月に被害が続いている。
結局どうすればよいか
- ふだん人のいない建物は、屋根と軒先を月に一度は見上げて確認する
- 室外機や給湯器のまわりに、人が立てる足場(脚立になる物置・ブロック)を置かない
- 被害に気づいたら、はがされた部分に触れる前に警察へ連絡する
公式出典
- 警察庁「金属盗対策」(盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律・令和7年法律第75号)(2026年9月22日発表)
- JX金属「銅建値」(2026年9月17日発表)
更新履歴
- 2026年9月22日 初版を公開
※本記事は2026年9月22日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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