🗨️「値上げのニュースばかりなのに、今度は値下げ?」
2026年9月の飲食料品の値上げは4,923品目で、2026年の単月では最多です。同じ月に、くら寿司が9月4日から、セブン-イレブンが9月8日から、ファミリーマートが9月22日から、ローソンが9月29日から値下げを実施します。ただしくら寿司は同じ日に33品目を115円から120円へ上げていて、全部が安くなるわけではありません。コンビニ3社が理由に挙げているのは米の市場価格の低下で、くら寿司は「原価を安く仕入れているということではありません」と説明しています。
[話題] この記事の要点
2026年8月31日 発表 (2026年9月5日 更新)
- コンビニでおにぎりをよく買う人
- 子どもと回転寿司に行く人
- 毎月の食費を見直している人
先に結論
- ✓ くら寿司は110円の商品を37品目に増やしたが、同じ日に33品目を115円から120円へ上げている
- ✓ 110円になるのは、いまの最低価格が115円の店だけ。120円・130円・150円の店は5円ずつ下がるだけ
- ✓ コンビニ3社の値下げは「米が安くなったから」。くら寿司は「原価を安く仕入れたわけではない」と説明している
9月の値上げは4,923品目。何が上がるのか
帝国データバンクが8月31日に公表した集計では、主要な食品メーカー195社が9月に値上げする飲食料品は4,923品目でした。値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均11%です。
前年9月は1,467品目だったので、約3倍。単月で4,000品目を超えたのは2025年4月(4,225品目)以来、1年5カ月ぶりになります。

| 分野 | 品目数 | 中身 |
|---|---|---|
| 調味料 | 1,959 | マヨネーズ、ドレッシング類、しょうゆ、つゆ、食酢類 |
| 加工食品 | 1,848 | 冷凍食品、チルド食品、すり身製品 |
| 酒類・飲料 | 466 | 炭酸飲料などの清涼飲料水、焼酎など |
| 乳製品 | 278 | 前年同月から倍増 |
| 菓子 | 272 | 引き続き高水準 |
この5分野を足すと4,823品目で、9月の総数4,923品目のほぼ全部です。上がっているのは、毎日の料理に使うものと、買ってそのまま食べるものに集中しています。
値上げの理由として企業が挙げたのは、原材料高が90.7%で最多。電気代などのエネルギーが65.1%、中東情勢の悪化にともなうものが27.8%と続きます。原油・ナフサ高に加えて、人件費、物流費、円安が重なった形です。
▶ 帝国データバンクの調査ページで、分野別のグラフと注記を確認する
くら寿司の値下げはどれ? 同じ日に33品目が120円へ上がった
くら寿司が安くなったって聞いたけど、行けば全部安いってこと?
いいえ。安くなった皿と、高くなった皿が同じ日に入れ替わっています。
くら寿司は8月20日に価格改定を発表し、9月4日から実施しました。発表文の見出しは「最低価格を115円から110円に値下げ」ですが、本文には値上げの話も並んでいます。
| 動き | 対象の例 | 価格 |
|---|---|---|
| 値下げ | 熟成びんちょうまぐろ、ねぎまぐろ、たまご焼き、ハンバーグ、コーン | 最低価格を115円→110円へ |
| 新登場 | サーモンとえび、熟成びんちょうまぐろ、たまご焼きを組み合わせた「相盛り」 | 110円 |
| 値上げ | サーモン、ゆず塩かつおたたき、生えび、大葉松いか、赤貝など33品目 | 115円→120円 |
| 据え置き | 熟成まぐろ | 120円のまま |
110円で出す商品は、相盛りを含めて計37品目になりました。値下げ側に並んでいるのは、たまご焼き・ハンバーグ・コーンのように子どもが取る皿です。会社側も発表文で「弊社店舗はファミリーでのご利用も多く、お子様にお寿司を心ゆくまでお召し上がりいただきたい」と書いています。

110円になるのは「いま115円の店」だけ
くら寿司の価格は店舗によって違います。発表文に載っている改定の一覧はこうなっています。
| これまでの最低価格 | 9月4日から | 下がる幅 |
|---|---|---|
| 115円の店 | 110円 | 5円 |
| 120円の店 | 115円 | 5円 |
| 130円の店 | 125円 | 5円 |
| 150円の店 | 145円 | 5円 |
どの価格帯の店でも最低価格は5円下がります。ただし110円という数字が出るのは、いちばん下の115円の店に限られます。都心や駅前の店で「110円になっていない」ということが起こるのは、値下げがされなかったからではなく、もともとの段が違うからです。
▶ くら寿司のプレスリリースで、対象商品と4段階の改定表を確認する
回転寿司の情報を専門に発信しているアカウントが、新旧の価格を50品ぶん突き合わせて、29品が値上げ・21品が値下げだったと投稿しています(最も安い価格帯の店の場合)。
くら寿司のサーモンは115円→120円、えびは115円→110円に🍣
— sushipo! 🍣 日本一詳しい回転寿司情報 🍣 (@sushipo_jp) 2026年9月4日
9月4日は値上げと値下げが同時に実施。新旧価格を比べた50品では、29品が値上げ・21品が値下げでした📝
※最も安い価格帯の店舗の場合です。 pic.twitter.com/Ezz5QOWAQA
実際に9月4日に店へ行った人の投稿にも、同じことが書かれています。
くら寿司の値下げって聞いてたけど一貫だけの商品や抱き合わせ系の追加商品が値下げ価格で大半のレギュラーメニューが当たり前のように値上げしてて笑っちゃう。
— esesakurai (@sakuraisiro) 2026年9月4日
ローソンのおにぎり値下げは9月29日から 対象と新価格

ローソンは8月24日、9月29日から全国の店舗で手巻おにぎり全品を原則10円値下げすると発表しました。一部の商品は11円下がります。
| 商品名(手巻おにぎり) | 値下げ前 | 値下げ後 |
|---|---|---|
| シーチキンマヨネーズ | 181円 | 171円 |
| 熟成紀州南高梅 | 194円 | 184円 |
| 北海道産日高昆布 | 194円 | 184円 |
| 追い鰹製法おかか | 194円 | 184円 |
| 炙り熟成紅鮭 | 221円 | 211円 |
| 熟成辛子明太子 | 235円 | 225円 |
価格はいずれも税込みです。北陸エリア限定の「福井梅」や近畿エリア限定の「味付海苔手巻 追い鰹製法おかか」といったエリア限定の商品も対象に入っています。
ここで見落としやすいのが、ローソンが「商品の仕様を変更することなく」と書いていることです。同じ発表文には、これまで価格を抑えるためにやってきたこととして、海苔を使わない仕様の採用、一部商品でのもち麦の使用、「大きなおにぎり」シリーズの発売が並んでいます。中身を変えて値ごろ感を作るのではなく、今回は値札の数字だけを下げた、という書き方になっています。
▶ ローソンのニュースリリースで、対象商品と価格表を確認する
セブンとファミマも値下げ 9月8日と9月22日
おにぎりを下げたのはローソンだけではありません。同じ9月に、大手3社がそろって手を付けています。

| 会社 | 実施日 | 内容 | 会社が挙げた理由 |
|---|---|---|---|
| くら寿司 | 9月4日 | 最低価格を115円→110円。同時に33品目を115円→120円 | 原材料価格の高騰と円安(値上げ分) |
| セブン-イレブン | 9月8日 | 手巻おにぎり2品を税込232円→213円 | 原材料の調達コストと輸送費用の抑制 |
| ファミリーマート | 9月22日 | 「直巻おむすび」4種類を11円値下げ | 米の市場価格の低下 |
| ローソン | 9月29日 | 手巻おにぎり全品を原則10円値下げ | 米の市場価格の低下 |
ファミリーマートは9月2日の発表で、「直巻 焼しゃけ」を税込198円から187円へ、「直巻 和風ツナマヨネーズ」を税込185円から174円へ下げると公表しました。全国約16,500店舗が対象で、九州エリアでは「直巻 塩さば」、鹿児島県と宮崎県では「鶏めしおむすび」が対象になります。9月29日からは税込158円のおむすび3種類も発売します。
セブン-イレブンの2品は、報道によれば9月8日から税込232円が213円になります。その232円という価格が付いたのは、2026年2月です。セブン-イレブンは2月12日の告知で「コメの価格についても依然として高止まりの状況です」として、手巻おにぎりの炭火焼紅しゃけと具たっぷり辛子明太子を税込213.84円から232.20円へ上げていました。今回はそれを元の水準に戻した形になります。
つまり、去年より安くなったわけではない?
おにぎりについては、2026年の初めに上げた分を戻した、という説明のほうが実態に近いです。
▶ ファミリーマートのニュースリリースで、4種類の新旧価格を確認する
▶ セブン-イレブンが2026年2月に出した「コメ価格高騰への対応に関するお知らせ」を見る
なぜ今、値下げできるのか 理由は会社によって違う
同じ9月の値下げでも、コンビニ3社とくら寿司では、会社が挙げている理由が違います。ここを分けて読まないと「食品が全体的に安くなり始めた」という誤解につながります。
コンビニ3社が挙げたのは「米の市場価格の低下」
ローソンとファミリーマートは、値下げの理由を明確に米の価格に置いています。実際に米はいくら下がったのか、農林水産省が毎月公表している相対取引価格で確かめました。

令和7年10月の37,058円がピークで、令和8年6月は31,305円。5,753円、率にして15.5%下がりました。ただし直近の7月は32,486円で、前月より1,181円戻しています。下がり続けているわけではありません。
もうひとつ、ローソンは発表文の中で米の消費量にも触れています。1人1か月あたりの精米消費量は2025年度平均で4,435g(前年比6.1%減)。2026年6月は4,518gで、2024年6月の4,804gと比べて約6%少ない水準です。原料が安くなったことに加えて、そもそもおにぎりを買う量が減っている、という現実がその後ろにあります。
くら寿司は「原価を安く仕入れたわけではない」と説明している
一方のくら寿司は、値下げの理由に原料安を挙げていません。広報担当者は週刊女性PRIME(プライム)の取材にこう答えています。
物価高騰によって、どうしても値上げせざるを得ない商品が出てきたことが一番の要因です。ただ、単純に値上げするだけでは、お客様の足が遠のいてしまう。そこで、商品設計なども見直しながら、戦略的に価格改定を行っています
原価を安く仕入れているということではありません。全体の原価率とのバランスを見ながら、値下げできる商品については値下げしています。当社の原価率は43%ですので、仕入れ価格を抑えるというよりも、全体のバランスを見ながら商品設計をしています
言い換えると、上げた33品目でできた余裕を、下げる商品に回している、という説明です。値下げは原料が安くなった結果ではなく、値上げとセットで組まれた価格の設計だ、ということになります。
私はこの2つを、同じ「値下げ」という言葉でまとめないほうがいいと考えています。コンビニの10円は原料の値動きに連動しているので、米が上がればまた戻る可能性があります。くら寿司の5円は原料ではなく客足の話なので、米の相場が動いても直接は連動しません。次に価格が動くときの読み方が変わってきます。
▶ 週刊女性PRIMEの記事で、くら寿司広報の説明を通しで読む
買う側は、値下げをどう受け取ったか
10円という幅をどう感じるかは、はっきり割れています。
おはようございます😊
— Daibar【ランナー🏃♂️】 (@runnerDaibar) 2026年9月3日
11円でも値下げはウェルカムだけど、おにぎりは高いね💦
ローソン、セブンもおにぎり値下げ⤵️
今日もよろしくです👍
おにぎり値下げWWWW
— さーちゃんのポンポン (@kc__09297) 2026年9月3日
たった10円
売れないから値下げしますってはっきりいえよローソンもファミマも
「売れないから値下げする」という受け取り方は、ローソンが自分で出した消費量のデータとそれほど離れていません。値上げが続いた時期に、買う側がどこで手を止めていたのかがわかる投稿もあります。2025年12月に投稿されたもので、当時のローソンの熟成辛子明太子はちょうど235円でした。
「170円くらいなら出せるけどそれ以上は無理。235円は高すぎる」という内容で、7,970回表示、505件のいいねが付いています。9月29日以降、ローソンのシーチキンマヨネーズは171円、熟成辛子明太子は225円になります。
10円の値下げで、家計はいくら変わるのか
実際の金額に直しておきます。ローソンの手巻おにぎりを買う頻度べつの試算です。
| 買う回数 | 1か月 | 1年 |
|---|---|---|
| 週3回(月12個) | 120円 | 1,440円 |
| 週5回(月20個) | 200円 | 2,400円 |
| 毎日1個(月30個) | 300円 | 3,650円 |
1個10円なので、毎日買っても年3,650円です。同じ9月に4,923品目が平均11%上がることを考えると、この値下げで食費全体が下向きに変わる、という規模ではありません。
くら寿司のほうは、符号が注文の中身で変わります。4人で60皿食べて、全部が110円になった皿なら5円×60皿で300円安くなります。逆にサーモンや生えびのように120円へ上がった皿が多ければ、同じ皿数でも支払いは増えます。「安くなった店」ではなく「安い皿と高い皿が入れ替わった店」として見るほうが、実際の会計に近くなります。
じゃあ、家計を守るにはどこを見ればいいの?
おにぎり1個の10円より、家賃や住宅ローンのほうが桁が2つ違います。動かせる金額の大きい順に見るのが早いです。
これから他の商品も安くなるのか 帝国データバンクの見方
調査を出した帝国データバンク自身が、この点に触れています。同じレポートの見通しの部分に「足元では、一部の外食チェーンやコンビニなどで客数確保を目的とした価格引き下げの動きもみられる」と書いたうえで、こう続けています。
原材料・人件費・物流費などのコスト環境は依然として厳しく、値上げでもコスト増が十分吸収できていないケースも少なくない。(中略)そのため、広範な値下げの動きが食品メーカーにも波及する可能性は低いとみられる
実際、10月の値上げは3,033品目が見込まれています。単月で3,000品目を超えるのは2か月続きで、2023年6〜7月以来およそ3年ぶりです。2026年の年間では1〜11月の判明分だけで1万9,083品目に達し、前年(2万609品目)を上回る見通しになっています。
今回値段が下がったのは、外食チェーン1社とコンビニ3社の、しかも米を使う商品に集中しています。下がったのは原料が1つ安くなった分野だけで、調味料や加工食品が同じように下がる材料は、今の時点では出ていません。
まとめ
- 2026年9月の飲食料品の値上げは4,923品目で、2026年の単月では最多
- くら寿司は9月4日から110円の商品を37品目に増やす一方、33品目を115円から120円へ上げた
- 110円になるのは最低価格が115円だった店だけで、他の店は5円ずつ下がる
- ローソンは9月29日から手巻おにぎり全品を原則10円、セブン-イレブンは9月8日から2品を19円、ファミリーマートは9月22日から4種類を11円下げる
- コンビニ3社の理由は米の市場価格の低下。くら寿司は原料安ではなく値上げとセットの価格設計と説明している
企業ごと、商品ごとに価格の動きが分かれ始めました。「値上げか値下げか」ではなく、どの原料が動いたのかを見ると、次にどこが動くかの見当がつきます。
生活・仕事にどう効くか
- 毎日の買い物:ローソンの手巻おにぎりは9月29日から原則10円安くなる。毎日1個買う人でひと月300円、1年で3,650円。同じ月に4,923品目が平均11%上がるので、食費全体が下向きに変わる規模ではない。
- 外食:くら寿司は最低価格が5円下がるが、110円になるのは最低価格が115円だった店だけ。サーモンや生えびなど33品目は115円から120円へ上がるため、注文の中身によって会計は増えることも減ることもある。
- この先の価格:10月の値上げは3,033品目の見通し。帝国データバンクは、広範な値下げが食品メーカーへ波及する可能性は低いとみている。
結局どうすればよいか
- くら寿司へ行く前に、よく行く店の最低価格が115円だったかを思い出す。115円でなければ110円の皿は出ない
- ローソンの値下げは9月29日から。手巻おにぎりが対象で、直巻タイプとまぜご飯のおにぎりは含まれない
- 食費を10円単位で追う前に、家賃・住宅ローンなど毎月固定で出ていく金額を先に確認する
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公式出典
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年9月(2026年8月31日発表)
- くら寿司「寿司メニュー価格改定のお知らせ 最低価格を115円から110円に値下げ」(2026年8月20日発表)
- ローソン「おにぎりの価格改定でお米の消費拡大」(2026年8月24日発表)
- ファミリーマート「米の市場価格低下を受け「直巻おむすび」4種類を11円値下げ」(2026年9月2日発表)
- セブン-イレブン「コメ価格高騰への対応に関するお知らせ」(2026年2月12日発表)
- 農林水産省「令和7年産米の相対取引価格(速報)(令和7年9月〜令和8年8月)」(2026年9月5日発表)
- 週刊女性PRIME「くら寿司、値上げ続く中で“110円商品”増も《ド定番は値上げ》広報が明かした“価格改定”の真意」(2026年8月24日発表)
更新履歴
- 2026年9月5日 初版を公開。帝国データバンク(8月31日公表)、くら寿司・ローソン・ファミリーマート・セブン-イレブンの各発表、農林水産省の相対取引価格を確認して作成
※本記事は2026年9月5日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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