🗨️「空が一直線に真っ二つ。北海道で撮られた「変な雲」って、地震雲なの?」
あの空が見えたのは2026年8月29日(土)の午前です。北海道の上空に、北の乾いた空気と南の湿った空気の境目が横たわっていました。札幌管区気象台は「一般的に見られる気象現象」としています。気象庁は、雲と地震を結びつける科学的なメカニズムは説明できていないという立場です。
[話題] この記事の要点
2026年9月5日 発表
- 8月29日に北海道で空の写真を撮った人・見上げた人
- SNSで「地震雲では」という投稿を見て不安になった人
- 写真だけが回ってきて、いつの空か分からないまま拡散しそうな人
8月29日の朝、北海道の空が一直線に割れた
| いつ | 2026年8月29日(土)午前9時ごろ |
|---|---|
| どこで | 札幌市・千歳市・苫小牧市・小樽市・北広島市など。衛星では石狩地方から胆振・日高地方にかけて |
| 何が見えたか | 青空と白い雲が一直線で分かれた空。北海道を横断する長さ |
| 説明 | 北からの乾いた空気と南からの湿った空気の分かれ目(札幌管区気象台) |
| 報じられた日 | 8月29日=北海道テレビ放送(HTB)・ウェザーニュース/8月31日=札幌テレビ放送(STV)・テレビ朝日系(ANN)・北海道放送(HBC) |
北海道テレビ放送(HTB)が8月29日12時06分に出した記事によると、道内各地の視聴者から「変わった雲がでている」という投稿が相次ぎました。同日午前9時すぎに千歳市で撮影された映像では、青空と白い雲が定規で線を引いたようにくっきりと分かれています。
Xで最初に広がった投稿のひとつが、これです。8月29日9時22分、札幌から。
( ; ‘ω’ )おい!札幌民!大変だ!
— 猛毒パンダ祭@半分青い。 (@moupan) 2026年8月29日
空を見てみろ!
何だこの雲は!? pic.twitter.com/Ddx4imezhf
この投稿の返信欄に、道内の各地から写真が集まりました。苫小牧市。
苫小牧の別写真です。
— ふく (@earth699) 2026年8月29日
見上げてびっくりでした pic.twitter.com/ZAfnhXNKY4
小樽市。
小樽からだとこんな感じ https://t.co/cdC4DP3NIY pic.twitter.com/L7QmcHSHRV
— らんく@9/19.20.23.24 エスコン (@ranranranku) 2026年8月29日
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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「何だこの雲は」「地震雲?」──SNSに残っている声
テレビ朝日系(ANN)は8月31日の放送で、SNSの投稿として3つの言葉を字幕で出しました。「何だこの雲は!?」「なんか雲が変だった」「こんなに雲がピチーってなることあるんですか?」。
このうち1つ目は、上に貼った札幌の投稿とまったく同じ文です。3つ目は日高で牧場を営む下河辺牧場が8月29日9時30分に出した投稿にあります。テレビが拾った声は、いまもXでそのまま読めます。
そこに混ざっていたのが「地震雲?」でした。西日本スポーツのウェブ版は9月5日9時30分の配信で、SNSの反応として「な、、何なんだ 見たことない!!!」「地震雲?」「凄い神秘的ですね」「俺んちの屋根の上でパックリ割れてるぜ」を挙げています。
同じ空を見て、きれいだと思う人と不安になる人に分かれたということですか。
そうです。「神秘的」と書いた人と「地震雲?」と書いた人が同じ画面に並びました。結論を先に置くと、気象庁は雲と地震を結びつける科学的なメカニズムは説明できていないとしています。原文はこのあと引用します。
札幌管区気象台の説明は「乾いた空気と湿った空気の分かれ目」

札幌管区気象台は北海道テレビ放送(HTB)の取材に、29日の道内は北からの乾燥した空気と南からの湿った空気の分かれ目が上空にまたがっていたと説明しています。そのうえで「このような雲のかたちは、一般的に見られる気象現象」だとしています。
高さまで踏み込んだのが、テレビ朝日系(ANN)が8月31日に伝えた今村涼子気象予報士の解説です。
上空9000メートル付近を吹くジェット気流に沿って現れたものです。そのジェット気流の北側では乾いた空気があって、南側では湿った空気があって、ちょうどその境目にできた雲と考えられます
今村涼子気象予報士(テレビ朝日系・2026年8月31日)
ウェザーニュースは同じ日の記事で「この雲は上空9,600メートルほどの高い所を吹く強い西寄りの風、ジェット気流の流れと近い所に発生しています」と書き、あわせて「それほど厚みがある雲ではないので、すぐに天気を崩すようなものではありません」としています。9,000メートルと9,600メートル。600メートルの開きはありますが、どちらも旅客機が飛ぶ高さです。
【青空と雲の境界線】
— ウェザーニュース (@wni_jp) 2026年8月29日
今日29日(土)の午前中、北海道の札幌市や千歳市などでは空が青空と雲で真っ二つに分かれている様子が見られました。
この雲はジェット気流の流れと近い所に発生。衛星画像でもはっきりとした境界線が見られました。https://t.co/SqMCXMYpcC pic.twitter.com/GStmLNG2eb
そもそも空気に「境目」なんてあるんですか。
あります。性質の違う空気の塊は、水と油のようにすぐには混ざりません。片方は水蒸気が多く、片方は少ない。雲は水蒸気が冷えて粒になったものなので、湿った側にだけ雲ができて、乾いた側は青空のままになります。その切り替わりを地上から見上げると、線に見えるわけです。
気球の観測値で確かめた 上空5,700メートルで湿度3%と68%
ここから先は、報道に出ていない数字です。気象庁は決まった地点で1日2回、気球(ラジオゾンデ)を上げて上空の気温・湿度・風を測っています。2026年8月29日9時の観測値が公開されているのは、北海道では稚内と釧路の2地点でした。稚内は境目の北側、釧路は南東側にあたります。

| 高さ | 稚内の湿度 | 釧路の湿度 |
|---|---|---|
| 約4,300メートル | 8% | 2% |
| 約5,700メートル | 3% | 68% |
| 約7,400メートル | 35% | 74% |
| 約8,300メートル | 50% | 54% |
約4,300メートルでは、どちらも乾いています。ところが約5,700メートルまで上がると、稚内は3%、釧路は68%。同じ北海道の同じ時刻に、片方は砂漠のように乾き、片方は雲ができる湿り方をしていました。約7,400メートルでも35%と74%で、差は開いたままです。

風のほうも見ておきます。同じ観測から、強い風が吹いていた高さを抜き出しました。
| 高さ | 稚内 | 釧路 |
|---|---|---|
| 約9,400メートル | 秒速22メートル | 秒速27メートル |
| 約1万600メートル | 秒速34メートル | 秒速40メートル |
| 約1万2,000メートル | 秒速41メートル | 秒速49メートル |
秒速49メートルは時速に直すと176キロです。しかも2地点とも、風向きは西北西でそろっていました。西から東へ流れる強い風が空気の境目を引き伸ばす。北海道を横断する長さになった理由は、ここにあります。
気象台は「一般的」、気象予報士は「非常に珍しい」。どちらも正しい
この件で引っかかる人がいるはずです。札幌管区気象台は「一般的に見られる気象現象」と言い、テレビの気象予報士は「非常に珍しい」と言っている。同じ空の話なのに、言葉が正反対です。
今回の雲は非常に長く北海道を横断。ここまで雲の境界がはっきりとしていて、まっすぐな状態で現れたのが非常に珍しい
今村涼子気象予報士(テレビ朝日系・2026年8月31日)
私は、2人が別のものを指していると見ています。気象台が「一般的」と言ったのは雲のでき方で、予報士が「珍しい」と言ったのは見え方の程度です。空気の境目に雲ができること自体はいつも起きていて、それがここまできれいに見えることが少ない、ということになります。
実際、北海道放送(HBC)は見え方の条件を2つ挙げています。「そこまで珍しい現象ではありませんが、明るい日中だったことや、その雲の下に低い雲がなかったことなどの条件が揃い、青空半分、雲半分の空がくっきり見られました」。夜だったら形は分からず、下に低い雲があれば境目は隠れていました。
季節も効いています。札幌テレビ放送(STV)は8月31日、ウェザーニューズの説明として、南の「夏の暖かい空気」と北の「秋の冷たい空気」がすぐには混ざり合わないため、その境目が一直線になって空に現れたと伝えています。8月末の北海道は、夏と秋がぶつかる場所でした。
この雲に名前はある? 報道でも気象台でも種類名は出ていない
「雲 境目 はっきり 名前」で調べている人がいます。先に答えると、今回の雲について、気象台も報道各社も雲の種類の名前は出していません。示されたのは「空気の境目にできた雲」という成因のほうです。
札幌管区気象台は目視観測での雲の分類を公開していて、上層雲の巻雲・巻層雲・巻積雲、中層雲の高積雲・高層雲・乱層雲、下層雲の層積雲・積雲・層雲・積乱雲の10種類に記録するとしています。今回のように衛星と地上写真だけが残っている現象を、あとから10種類のどれかに当てはめるのは無理があります。
ジェット気流に沿った雲には、専門用語があると聞きました。
「トランスバースライン」という言葉はあります。ただ気象衛星センターの定義は「流れの方向にほぼ直角な走向を持つ小さな波状の雲列」で、流れと直角に並ぶ波のことです。今回話題になったのは流れに沿って伸びた雲の縁なので、同じものとは言えません。名前を先に決めないほうが安全です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
「地震雲」なのか 気象庁と日本地震学会の見解
気象庁はホームページの「地震予知について」で、地震雲について答えています。原文はこうです。
雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。大気は地形の影響を受けますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係で現れるのか、科学的な説明がなされていない状態です。
気象庁「地震予知について」
読み飛ばしやすいのが「『地震雲』が無いと言いきるのは難しい」の一文です。気象庁は「地震雲は存在しない」と断言していません。言っているのは、それが何で、地震とどう関係するのかを説明できる科学がまだ無いということです。
そのうえで、なぜ結びついて見えるのかを数で説明しています。
- 震度1以上を観測した地震は、おおむね年間2,000回程度。1日あたり5回程度
- 震度4以上の地震も、2014年から2023年の平均(2016年を除く)で年間50回程度
- 雲は上空の気流や太陽光で珍しい形や色に見えることがあり、夜間は正確な形状を確認できない
関係のない2つが一定の頻度で起きているので、見かけ上そのように結びつけられる──気象庁の説明はここに行き着きます。原文の締めくくりは「現時点では科学的な扱いは出来ていません」です。
日本地震学会も「地震研究者の間では一般に、雲と地震との関係はないと考えられています」としたうえで、こう書いています。
過去の報告例は大地震の前にたまたま特異な雲の形態をみたことで、地震と特異な雲の形態を結びつけてしまうケースが圧倒的に多いのではないかと考えられています(その一方、地震が起きなかった場合には雲のことを忘れてしまいます)。
日本地震学会 FAQ(よくある質問)2-12「地震雲」
括弧の中が効いています。地震が起きなかった日の変わった雲は、誰も覚えていない。覚えているのは、たまたま地震と並んだときだけです。
雲の研究者で気象庁気象研究所の荒木健太郎さんは、7月に別の地震で同じ話が広がったとき、自分のXで「何度でも言いますが、雲は地震の前兆にはなりません。巷で『地震雲』と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで、雲の見た目から地震の影響等を判断するのは不可能です」と書いています(日本ファクトチェックセンターが2026年7月30日の検証記事で引用)。
では、珍しい雲を見たときに何をすればいいんですか。
写真を撮って終わりで大丈夫です。備えるかどうかを雲で決めないのがいちばん確実です。自分の家の下がどんな土地なのかは、空を見上げなくても住所から調べられます。
地震雲のほかにも、動物の異常行動や前震など「前触れ」と呼ばれるものは複数あります。それぞれ何が分かっていて何が分かっていないのかは、地震の前触れは本当にある?地震雲・動物・前震など6つの「前兆」を科学的に解説にまとめています。
まとめ 8月29日の北海道の空に起きていたこと
- 見えたのは2026年8月29日(土)の午前。札幌・千歳・苫小牧・小樽・北広島などから目撃された
- 札幌管区気象台は、北からの乾いた空気と南からの湿った空気の分かれ目があったと説明。「一般的に見られる気象現象」
- 雲は上空9,000〜9,600メートルのジェット気流に沿ってできた。北側が乾き、南側が湿っていた
- 同じ時刻の気球の観測でも、上空5,700メートルの湿度は稚内3%・釧路68%と割れていた
- 気象庁も日本地震学会も、雲と地震を結びつける科学的なメカニズムは説明できていないとしている
見た目は珍しくても、起きていたのは空気の入れ替わりです。夏の空気と秋の空気がぶつかる場所に線が引かれ、その線が昼の光の中で、下に邪魔な雲もない状態でたまたま見えた。北海道じゅうが一斉に空を撮った8月29日は、季節が動いた日でもありました。
生活・仕事にどう効くか
- 写真が回ってきたとき:8月29日の空が、9月に入っても新しい出来事のように回っています。撮影日を確かめてから拡散すると、古い写真が「今の話」に化けるのを止められます。
- 「地震雲だ」という投稿を見たとき:気象庁も日本地震学会も、雲と地震を結ぶ科学的なメカニズムは説明できていないとしています。雲を根拠に避難や買いだめを決めない、が現時点で確実な線引きです。
- 家の備え:備えるかどうかは雲ではなく住所で決められます。浸水・土砂・地盤のリスクは住所を1つ入れれば無料で確認できます。
結局どうすればよいか
- 雲の写真を拡散する前に、撮影日を確認する(この空は2026年8月29日の午前です)
- 「地震雲」と書かれた投稿を見たら、気象庁「地震予知について」の原文を1回読む
- 自宅と実家の住所で、浸水・土砂・地盤のリスクを先に確認しておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- HTB北海道ニュース「「変わった雲がでている」…北海道内各地からHTBに視聴者投稿相次ぐ…「空気の分かれ目」で発生か」(2026年8月29日発表)
- ウェザーニュース「北海道の上空で青空と雲の境目 宇宙からも見えた雲の境界線」(2026年8月29日発表)
- テレビ朝日系(ANN)「北海道の空に何が? 各地で目撃 相次ぐ“謎の雲”」(2026年8月31日発表)
- HBCニュース北海道「【青白半分】青空とまっすぐな白い雲がくっきり…まるで芸術作品のよう」(2026年8月31日発表)
- STVニュース北海道「空を真っ二つに分ける「雲」夏の空気と秋の空気の境目」(2026年8月31日発表)
- 西スポWEB OTTO!「「変な雲発生してる」北海道に〝奇妙〟な雲出現でSNS騒然」(2026年9月5日発表)
- 気象庁「地震予知について」(地震雲はあるのですか?)(2026年9月5日発表)
- 日本地震学会 FAQ 2-12「地震雲」(2019年10月修正)(2026年9月5日発表)
- 日本ファクトチェックセンター「雲と地震は関係ない」(荒木健太郎氏の投稿を引用)(2026年7月30日発表)
- 気象庁 過去の気象データ検索(高層)指定気圧面の観測データ 稚内 2026年8月29日9時(2026年8月29日発表)
- 気象庁 過去の気象データ検索(高層)指定気圧面の観測データ 釧路 2026年8月29日9時(2026年8月29日発表)
- 気象庁 気象衛星センター「トランスバースライン」(2026年9月5日発表)
- 札幌管区気象台「いろいろな雲」(2026年9月5日発表)
更新履歴
- 2026年9月5日 初版を公開
※本記事は2026年9月5日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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