🗨️「福井の大雨で、あふれたのは九頭竜川ですか?」
違います。福井県が30日8時にまとめた資料に載っているのは、羽生川・荒川・江端川・北川・計石川・田島川・磯部川・兵庫川・温川の9つです。九頭竜川・足羽川・日野川という大きな川の名前は、あふれた川の一覧にも、氾濫危険水位を超えた川の一覧にも出てきません。
[災害] この記事の要点
福井県は2026年8月30日8時の第1回災害対策本部会議で、8月29日からの大雨による河川の被害状況を公表した。溢水・越水が確認されたのは福井市・坂井市・勝山市の9河川で、うち福井市原目町の荒川は30日5時9分に溢水した。あわせて6か所で氾濫危険水位を超え、福井市河原の荒川は超過幅が74cmに達した(30日6時時点)。
2026年8月30日 発表
- 福井市の羽生・原目・徳光・つくし野・計石の周辺に住んでいる人
- 坂井市の丸岡町霞町、春江町中筋三ツ屋、坂井町福島の周辺に住んでいる人
- 勝山市荒土町の周辺に住んでいる人
- 福井県内で家や土地を買う予定があり、近くの川の名前を知らない人
この記事でわかること
- 福井県で実際に水があふれた9つの川はどれか
- 氾濫危険水位をいちばん大きく超えたのはどの川か
- 川からではなく下水道から水があふれた場所
この記事でわかること
- ✓ 福井県で実際に水があふれた9つの川
- ✓ 氾濫危険水位をいちばん大きく超えたのはどの川か
- ✓ 川からではなく下水道から水があふれた場所
県が挙げた9つの川 どれも大きな川ではありません
福井県が2026年8月30日8時の第1回災害対策本部会議で出した資料に、河川の被害状況が一覧で載っています。8月29日からの大雨で水があふれたと確認されたのは、次の9か所です。
| 川 | 場所 | 発生 | 被害 |
|---|---|---|---|
| 羽生川 | 福井市薬師町 | 30日3時30分 | 道路冠水 |
| 荒川 | 福井市原目町 | 30日5時9分 | 確認中 |
| 江端川 | 福井市徳光町 | 30日4時 | 確認中 |
| 北川 | 福井市つくし野 | 29日8時 | 道路冠水 |
| 計石川 | 福井市計石町 | 30日3時30分 | 道路冠水 |
| 田島川 | 坂井市丸岡町霞町 | 30日1時30分 | 道路冠水 |
| 磯部川 | 坂井市春江町中筋三ツ屋 | 30日3時 | 道路冠水 |
| 兵庫川 | 坂井市坂井町福島 | 30日4時 | 農地浸水 |
| 温川 | 勝山市荒土町伊波 | 29日7時50分 | 確認中 |
この一覧に、九頭竜川・足羽川・日野川という名前は1つも出てきません。福井県で名前が知られている大きな川ではなく、住宅地や田んぼのそばを流れる川ばかりです。田島川と磯部川には「溢水・内水氾濫」と併記されていて、川からあふれた水と、行き場をなくして地面にたまった水の両方が起きたことが分かります。
うちの近くの川は、名前も知らないような小さな川なので大丈夫だと思っていました。
今回あふれたのは、その「名前も知らないような川」のほうです。大きな川は堤防が高く、水位の情報も細かく出ます。先に水が出るのは、家のすぐそばを流れている川です。
氾濫危険水位を超えたのは6か所 いちばん大きいのは荒川の74cm
同じ資料には、氾濫危険水位を超えた川が6か所載っています。氾濫危険水位は、いつ氾濫してもおかしくない高さとして川ごとに決められている基準です。どれだけ超えたかで並べると、こうなります。
| 川(観測地点) | 氾濫危険水位からの超過 | 30日6時の傾向 |
|---|---|---|
| 荒川(福井市河原) | +74cm | 上昇中 |
| 田島川(坂井市坂井町長屋) | 最高+50cm(4時) | 低下 |
| 赤根川(大野市中野) | 最高+47cm(4時) | 低下 |
| 底喰川(福井市文京5丁目) | +46cm | 上昇中 |
| 荒川(福井市河増町) | +33cm | 上昇中 |
| 芳野川(福井市上野本町) | +15cm | 低下 |
6か所のうち3か所は、6時の時点でまだ上がっていました。荒川は福井市内の2つの地点がどちらも入っていて、河原の地点は基準を74cm超えています。原目町であふれたのも同じ荒川です。
川からではなく、下水道のマンホールからあふれた場所もある
資料の下水道の欄に、こう書かれています。九頭竜川流域下水道の兵庫川ポンプ場の上流にあるマンホールで水があふれ、田んぼに被害が出た、と。
大雨のとき、下水道は雨水を集めて川へ流します。ところが川の水位が高くなると、集めた水を流し込めなくなります。行き場をなくした水は管の中で押し戻され、いちばん弱いところ、つまりマンホールから地上へ出てきます。堤防が切れなくても、道路や田んぼは水につかります。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
ダム3基が洪水調整に入っている
県内では3つのダムが洪水調整を始めています。坂井市の龍ヶ鼻ダムが29日19時36分、勝山市の浄土寺川ダムが29日21時、永平寺町の永平寺ダムが30日3時55分です。
洪水調整は、流れ込んできた水の一部をダムにためて、下流へ出す量を減らす操作です。下流の川が増えるのを遅らせますが、ためられる量には限りがあります。ダムが操作していることは、下流が安全になったという意味ではありません。
いま福井県に出ている情報
気象庁が30日8時23分に出した情報では、嶺北北部と奥越にレベル5大雨特別警報が続いています。24時間雨量は永平寺町牧福島で342.0mm、坂井市の龍ヶ鼻ダムで338.0mm、勝山市六呂師で333.0mm(いずれも30日6時まで)。住家被害は勝山市の床上浸水1軒と床下浸水4軒が確認済みで、福井市羽生地区と坂井市の丸岡城周辺は「確認中」とされています。
床上浸水が確認されたのは勝山市遅羽町大袋の1軒、床下浸水は勝山市鹿谷町の1軒と大野市の3軒です。あふれた川の一覧と住家被害の一覧は、いまのところ別々に動いています。水があふれた場所の被害は、これから数字になります。
生活・仕事にどう効くか
- 自分の家の危険を測るとき:大きな川の水位ばかり見ていると危険を見落とす。今回あふれた9つはいずれも住宅地や田んぼのそばを流れる中小の川で、名前を知らない人のほうが多い。
- 水は川からだけ来ない:県の資料には、九頭竜川流域下水道の兵庫川ポンプ場の上流マンホールから水があふれ、田んぼに被害が出たと記されている。堤防が切れなくても、下水道から水が地上へ戻ってくることがある。
- ダムの操作:坂井市の龍ヶ鼻ダムが29日19時36分、勝山市の浄土寺川ダムが29日21時、永平寺町の永平寺ダムが30日3時55分に洪水調整を始めた。ダムが水をためている間は下流の増え方が抑えられるが、ためられる量には限りがある。
結局どうすればよいか
- 自分の家からいちばん近い川の名前を確認する。大きな川ではなく、歩いて行ける川のほう
- その川の水位は、国土交通省の「川の防災情報」で川ごとに見られる。避難の判断は水位ではなく市町の情報で行う
- 床上・床下浸水の被害を受けたら、片づけを始める前に部屋の四隅と外観を写真に残す
公式出典
- 福井県「令和8年8月29日からの大雨の被害状況について(第1回福井県災害対策本部会議資料)」2026年8月30日8時(2026年8月30日発表)
- 気象庁 気象警報・注意報(福井県・8月30日8時23分発表)(2026年8月30日発表)
- 国土交通省 川の防災情報(2026年8月30日発表)
更新履歴
- 2026年8月30日 初版を公開(福井県 第1回災害対策本部会議資料・8月30日8時、水位は30日6時時点)
※本記事は2026年8月30日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


コメント