🗨️「台風は今夜のうちに通り過ぎるって聞いたけど、海の近くの家はもう安心していい?」
逆です。気象庁が高潮に「厳重に警戒」と名指ししたのは、台風が去ったあとの12日未明から13日午前中です。13日が新月で大潮にあたるため、熱帯低気圧に変わっても潮位は下がりません。
[災害] この記事の要点
気象庁は2026年8月11日夕方、兵庫県・香川県・岡山県などに台風第15号にともなう気象解説情報を発表し、豊岡市と香美町で12日未明から昼過ぎ、高松地域と中讃で12日昼過ぎから13日午前中にかけて高潮に厳重に警戒するよう呼びかけた。12日に予想される最高潮位は香川県で標高2.5メートル、高松地域で1.8メートル、岡山地域で1.7メートル。
2026年8月11日 発表
- 瀬戸内海・日本海側の海沿いや河口近くに住んでいる人
- 12日から13日に高松・玉野・豊岡など沿岸部へ帰省・旅行する予定の人
- 海沿いの土地や1階の駐車場を持っている人
この記事でわかること
- 台風が去ったあとに高潮のピークが来る理由(13日の新月=大潮と重なる)
- 気象庁が「厳重に警戒」と名指しした市町と、その警戒時間帯
- 「予想最高潮位 標高1.8メートル」を自分の家に当てはめる方法
先に結論
- 高潮の警戒時間は、台風が最接近する時間とずれる。ピークは12日未明から13日午前中
- 気象庁が「厳重に警戒」と名指ししたのは、兵庫県の豊岡市・香美町と、香川県の高松地域・中讃
- 12日に予想される最高潮位は、香川県 標高2.5m/高松地域 1.8m/岡山地域 1.7m/近畿北部・兵庫県北部 0.8m
- 13日が新月で大潮の時期。潮位そのものが高いところに、熱帯低気圧に変わった台風が重なる
- 自分の家が関係あるかは、洪水とは別冊の「高潮ハザードマップ」で確認する
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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台風はもう関東を抜けた。それでも西日本の潮位はこれから上がる
「今夜のうちに通り過ぎるんだから、明日はもう大丈夫でしょう」。進路図だけを見ていると、そう読めます。気象庁の11日18時の実況では、台風第15号(チャンホン)は銚子市の東北東約70キロにあって、中心気圧980ヘクトパスカル、最大風速25メートル。ここから西南西へ進み、12日朝6時には岐阜市付近、12日昼過ぎまでには熱帯低気圧に変わる見込みです。
ところが気象庁が高潮の「厳重警戒」を出したのは、その台風が熱帯低気圧に変わったあとの時間帯です。香川県の高松地域と中讃は12日昼過ぎから13日午前中。台風の中心が四国の北をとっくに通り過ぎたころが、いちばん潮位が高くなります。
理由は月です。気象庁は「13日の新月の前後は大潮の時期にあたるため、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなる所があります」と書いています。つまり今回は、台風が潮位を押し上げるというより、もともと潮位が高い大潮の日に、熱帯低気圧が上乗せしてくるという組み合わせです。台風が弱まっても、大潮は弱まりません。
気象庁が「厳重に警戒」と名指しした場所と時間
11日16時から17時台に発表された各県の気象解説情報から、高潮に触れている地域を並べます。数字はすべて12日に予想される最高潮位で、単位は標高(東京湾平均海面からの高さ)です。
| 地域 | 警戒の時間帯 | 12日の予想最高潮位 | 気象庁の表現 |
|---|---|---|---|
| 香川県 高松地域・中讃 | 12日昼過ぎ〜13日午前中 | 香川県 2.5m/高松地域 1.8m | 厳重に警戒 |
| 兵庫県 豊岡市・香美町 | 12日未明〜昼過ぎ | 兵庫県北部 0.8m | 厳重に警戒 |
| 岡山県 玉野市 | 12日夜遅くの満潮の時間帯 | 岡山地域 1.7m | 十分に注意 |
| 石川県 能登 | 12日未明〜夕方 | — | 注意・警戒 |
| 和歌山県の沿岸 | 13日頃までの満潮の時間帯 | — | 注意 |
並べて分かるのは、警戒の時間帯が県ごとに半日ずれていることです。兵庫県北部は12日の未明から昼過ぎ、香川県は12日の昼過ぎから13日の午前中。「明日は高潮に注意」とだけ覚えていると、自分の地域の山場を外します。
「予想最高潮位 標高1.8メートル」を自分の家に当てはめる
潮位の予想は標高で書かれています。標高1.8メートルというのは、東京湾平均海面から1.8メートルの高さまで海面が上がるという意味で、堤防を越えるかどうかは場所ごとに違います。自分の家に当てはめるなら、次の2つを見ます。
ひとつは市区町村が公表している高潮ハザードマップです。ここでよく起きる取り違えが、「うちは洪水のマップで色がついていなかったから大丈夫」という読み方です。高潮の浸水想定区域図は洪水とは別に作られていて、別冊・別ページになっている自治体がほとんどです。河川から離れた海沿いの土地では、洪水は白いのに高潮だけ色がついている、ということが起こります。
もうひとつは自分の敷地の標高です。国土地理院の地理院地図で住所を表示すると、地図上の任意の地点の標高が数値で出ます。予想潮位と自分の土地の標高を並べると、「1.8メートル」が遠い数字ではなくなります。
ちなみに不動産の取引では、2020年8月28日から、水防法にもとづく水害ハザードマップ(洪水・雨水出水・高潮)に物件の位置を示すことが重要事項説明で義務になっています(国土交通省、宅地建物取引業法施行規則の改正)。海沿いの物件を契約したときの重要事項説明書を見返して、高潮のマップが添付されていたか確認してみてください。3種類のうち高潮だけ記憶にない、という人は少なくないはずです。
私が今回いちばん見落とされやすいと考えているもの
私は、今回の台風でいちばん取りこぼされやすいのは高潮だと考えています。根拠は報じられ方です。11日夕方の時点で流れているニュースの見出しは「関東に上陸」「欠航」「進路」に集中していて、12日昼過ぎからの瀬戸内側の高潮までは届いていません。台風は東から西へ進んでいるので、関東の話が終わったころに西日本の番が来るのですが、ニュースの熱量は台風の中心と一緒に移動してくれません。
暴風や大雨は音がします。高潮は静かに上がってきて、気づいたときには駐車場の車のタイヤが浸かっています。音のしない災害ほど、時間を先に決めて動くしかありません。
雨のピークは13日。近畿南部は24時間150ミリ
高潮と同時に、雨も台風のあとに強まります。気象庁の近畿地方気象解説情報によると、12日18時から13日18時までの24時間に予想される降水量は、多い所で近畿中部120ミリ、近畿南部150ミリ。兵庫県では北部60ミリ、南部80ミリの予想です。12日の1時間降水量は近畿南部で50ミリの予想が出ています。
1時間50ミリは、道路が川のようになり、車のワイパーを最速にしても前が見えにくくなる強さです。お盆の帰省で12日夜から13日にかけて移動する人は、高速道路の雨量規制で通行止めになる可能性も込みで予定を組んでおくと安全です。
生活・仕事にどう効くか
- 12日夜から13日朝の外出:香川県の高松地域と中讃は12日昼過ぎから13日午前中が高潮の警戒時間帯。海岸沿いや河口付近の道路は満潮の時間帯を中心に冠水するおそれがある。
- 駐車場に置いた車:海抜の低い平面駐車場は、高潮による冠水で車が水に浸かる。車両保険は一般に水没を補償するが、車内の家財は対象外になることが多い。移動できるなら12日の日中に高い場所へ動かしておく。
- これから海沿いの家を買う・借りる:高潮の浸水想定は洪水とは別のマップになっている。2020年8月28日から、不動産の重要事項説明では水防法にもとづく水害ハザードマップ(洪水・雨水出水・高潮)に物件の位置を示すことが義務化されている。
結局どうすればよいか
- 自分の住所が高潮浸水想定区域に入っているか、市区町村の高潮ハザードマップで確認する(洪水のマップとは別冊になっていることが多い)
- 12日は満潮の時間帯を避けて移動する。香川・岡山は12日昼過ぎから13日午前、兵庫北部は12日未明から昼過ぎが警戒の時間帯
- 海抜の低い場所に車を置いている人は、12日の明るいうちに高い場所へ移す
- 雨は台風のあとに強まる。近畿中部・南部は12日18時から13日18時の24時間で120〜150ミリの予想なので、13日の予定も決め打ちにしない
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- 災害リスク診断 — 住所から浸水・土砂・地盤のリスクを確認する
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公式出典
- 気象庁 香川県気象解説情報(高潮)(2026年8月11日発表)
- 気象庁 兵庫県気象解説情報(台風第15号)(2026年8月11日発表)
- 気象庁 岡山県気象解説情報(高潮)(2026年8月11日発表)
- 気象庁 近畿地方気象解説情報(台風第15号)(2026年8月11日発表)
- 気象庁 気象警報・注意報(最新の発表状況)(2026年8月11日発表)
- 国土交通省 報道発表「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」(2020年7月17日発表)
更新履歴
- 2026年8月11日 初版を公開(気象庁の11日16〜17時台発表の気象解説情報にもとづく)
※本記事は2026年8月11日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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