🗨️「台風って西や南から来るものでしょう。うちは関東だから、そこまで身構えなくていいのでは?」
台風15号は2026年8月11日20時ごろ、茨城県南部に上陸しました。気象庁が1951年に統計を始めてから、茨城県への上陸は初めてです。しかも上陸したあと、東から西へ本州を横断して日本海へ抜けました。
[災害] この記事の要点
気象庁によると、台風15号(チャンホン)は2026年8月11日20時ごろに茨城県南部へ上陸し、翌12日午前9時ごろ日本海で熱帯低気圧に変わった。茨城県への台風上陸は1951年の統計開始以降で初めて。報道によると、この台風によるけが人は全国で7人(いずれも軽傷)、一時2万2,000軒が停電した。死者は確認されていない。
2026年8月13日 発表
- 台風は西日本から来るもの、と思って家の備えを決めている人
- 関東・東北に持ち家や実家があり、台風の備えを後回しにしてきた人
- お盆の帰省先や旅行先を、台風17号の発生報道を見て決めかねている人
この記事でわかること
- 台風の上陸が都道府県でどれだけ偏っているか(1位と圏外の差)
- 8月の台風だけ進路が読みにくい理由を、気象庁がどう説明しているか
- 風向きが前提どおりにならない年に、家のどこを見ておくか
先に結論
- 台風15号は8月11日20時ごろ茨城県南部に上陸。茨城県への上陸は1951年の統計開始以降で初めて
- 上陸後は東から西へ本州を横断し、12日午前9時ごろ日本海で熱帯低気圧に変わった
- 気象庁の都道府県別の上陸数は、1位の鹿児島県が45回。関東で表に載るのは千葉県の9回だけ
- 「大型」で発生した台風17号は、8月13日9時時点で日本へ近づく予報になっていない
- 家の側でやることは、雨戸やシャッターが付いていない窓がどの方角にあるかを数えること
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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茨城県への上陸は、1951年の統計開始以降で初めてでした
台風15号(チャンホン)が茨城県南部に上陸したのは、2026年8月11日の20時ごろでした。気象庁が1951年に台風の統計を取り始めてから、茨城県に台風が上陸したのはこれが初めてです。
報道によれば、この台風でけがをした人は全国で7人。いずれも軽傷で、茨城県では50代から80代の女性3人が風にあおられるなどして転倒しました。一時2万2,000軒で停電し、各地で倒木が相次いでいます。死者は確認されていません。
そして上陸したあとの進み方が、この台風のいちばん変わっていたところです。関東に上がった台風は、そのまま東の海へ抜けるか、北東へ進んで東北や北海道へ向かうのが一般的です。ところが15号は東から西へ本州を横断し、翌12日午前9時ごろ、日本海で熱帯低気圧に変わりました。列島を逆向きに走ったことになります。
上陸の前日、Yahoo!知恵袋にはこの進路への質問が投稿されていました。投稿者は、この台風を「普段の『南西から北東へ進む』台風とは逆で」と書いています(2026年8月10日の投稿)。多くの人が持っていた前提が、そのまま言葉になっています。
上陸が最も多いのは鹿児島の45回。関東で表に載るのは千葉だけです
「台風は九州や四国が先で、関東はそれた後の雨が降るだけ」。この感覚は、数字の上では正しいものでした。気象庁が公表している都道府県別の上陸数(1951年から2026年の台風第4号までの集計)は、次のようになっています。
| 順位 | 都道府県 | 上陸数 |
|---|---|---|
| 1 | 鹿児島県 | 45回 |
| 2 | 高知県 | 26回 |
| 3 | 和歌山県 | 25回 |
| 4 | 静岡県 | 22回 |
| 5 | 長崎県 | 18回 |
| 6 | 宮崎県 | 14回 |
| 7 | 愛知県 | 12回 |
| 8 | 千葉県 | 9回 |
| 9 | 熊本県 | 8回 |
| 10 | 北海道・徳島県 | 7回 |
10位までに関東地方から入っているのは、千葉県の9回だけです。1位の鹿児島県45回とは5倍の開きがあります。茨城県はこの表に名前がありません。今回が初めてなので、当然といえば当然です。
この表を読むときに、ひとつ落とし穴があります
沖縄県もこの表にいません。台風が毎年何個も通っている県なのに、です。理由は上陸の定義にあります。気象庁は「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」を上陸としていて、沖縄県や離島は最初から対象外です。さらに「小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合は通過」として、上陸に数えません。
つまりこの上陸数は、台風がどれだけ来たかの回数ではありません。4つの大きな島の海岸線に、中心がぶつかった回数です。「うちの県は上陸0回だから台風が来ない」という読み方はできない、ということになります。
8月の台風は進路が定まりにくい、と気象庁が書いています
では、なぜ今年に限って逆向きに進んだのか。気象庁の解説ページに、月ごとの進路の傾向が書かれています。春先は低い緯度で発生して西のフィリピン方面へ向かい、夏になると太平洋高気圧のまわりを回って日本へ北上するものが増えます。そして8月は上空の風が弱いため、進路が定まりにくいと説明されています。9月以降になると、南の海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。
同じページによると、台風は年間で約25個発生し、約12個が日本から300km以内に接近し、約3個が上陸します。発生した台風のうち、実際に上陸するのは1割強です。8月に発生した台風は、その1割強に入るかどうかも、どちらから来るかも読みにくい時期にあたる、ということです。
では台風17号はどうなのか。予報進路は日本の東です
8月12日に台風17号(ナンカー)が発生し、大型の台風として伝えられました。17号としては統計史上3番目に早い発生だと報じられています。「大型の台風が発生したなら、お盆の予定を動かしたほうがいいのでは」と考えた人もいるはずです。
気象庁が8月13日9時45分に出した情報では、17号は小笠原近海にあって中心気圧994hPa、中心付近の最大風速18m/s、最大瞬間風速25m/s。北東へ時速40kmで進んでいます。予報の進路は14日に南鳥島近海、16日には日本の東で、そのまま列島から離れていきます。8月13日の時点で、日本へ接近する予報にはなっていません。大きさの階級も、この発表では付いていません。
台風16号(ペイロー)のほうは、8月12日21時に日本のはるか東で熱帯低気圧に変わっています。15号・16号・17号と番号が並んでいますが、いま列島に向かっているものはありません。
風がどっちから来るか分からない前提で、家のどこを見るか
ここからが、今回いちばん実害に近い話です。今回の15号では、東側から風が入りました。すべての窓に雨戸やシャッターが付いている家は多くありません。付いていない窓がどこにあるかは、家ごとに違います。
調べていて意外だったのは、「雨戸は南面と西面を重点的に」といった方位別の推奨が、気象庁・国土交通省・日本損害保険協会の公開資料に見当たらなかったことです(当サイトで確認した範囲)。民間のリフォーム記事も、優先順位は方位ではなく防犯の基準で語っています。方位で備えを決める根拠は、もともと公の資料には無いということになります。台風が来る前夜にやることは台風15号、予報はすでに変化|11〜12日に備えて家で今夜やること7つで7つに分けています。「うちは南側に雨戸があるから大丈夫」と思っている家ほど、抜けている面がはっきりしています。
次の台風が来る前に、家の側でできることは3つです。
- 雨戸やシャッターが無い窓を、方角ごとに数える。「北に2枚、東に1枚」と分かっていれば、当日どこから養生するかで迷いません
- ベランダと庭の飛びそうなものを、風向きに関係なく片づける。物干し竿、植木鉢、ゴミ箱、自転車のカバー。今回も倒木が各地で起きています
- 火災保険の証券を出して、風災補償が付いているか、免責金額がいくらかを見る。付いていない契約もあり、免責20万円なら小さな破損は自己負担です。壊れた後の手順は台風で屋根が飛んだら、直す前に撮るにまとめています
3つとも、台風が近づいてからでは間に合いません。特に3つめは、被害が出た後に確認しても契約は変えられません。
私見:予報進路は信じられますが、上陸実績は信じないほうがいいと考えます
今回の一件で分かったのは、進路の予報が外れたということではありません。気象庁の予報どおりに15号は茨城へ上がりました。外れたのは、私たちが持っていた「この地域には台風は来ない」という長期の実績への信頼のほうです。
1951年からの75年間で0回だった県に、76年目に上陸しました。統計の空白は「起きない」の証明ではなく、「まだ起きていない」の記録でしかありません。私は、家の備えを決めるときに上陸実績を根拠にするのはやめたほうがいいと考えています。根拠にするなら、上陸したかどうかではなく、その土地が水や風にどう弱いかのほうです。それは実績ではなく地形の話なので、統計が0でも調べられます。
生活・仕事にどう効くか
- 家の備え:雨戸やシャッターが付いているのは、多くの家で南側と西側。今回のように東から風が入ると、雨戸の無い面のガラスが正面から風を受ける。
- お盆の予定:台風17号(ナンカー)は8月13日9時時点で小笠原近海。気象庁の予報進路は北東で、16日には日本の東へ抜ける。列島へ近づく予報にはなっていない。
- 住まいの資産:上陸実績が少ない地域ほど、風で壊れたときの「まさか」が大きい。火災保険に風災補償が付いているか、免責金額がいくらかは契約ごとに違う。
結局どうすればよいか
- 自分の家で、雨戸やシャッターが付いていない窓がどの方角かを数える
- ベランダと庭で、飛ぶ可能性のあるものを風向きに関係なく片づける
- 火災保険の証券を出して、風災補償の有無と免責金額を確認する
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
- 台風15号、予報はすでに変化|11〜12日に備えて家で今夜やること7つ
- 台風15号、11日午後に東北南部〜関東へ|お盆の移動と家の備えで今日できること
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公式出典
- 気象庁「台風の順位(上陸数)」都道府県別の上陸数(2026年8月13日発表)
- 気象庁「台風の発生、接近、上陸、経路」(2026年8月13日発表)
- 気象庁 台風情報(台風第17号)2026年8月13日9時45分発表(2026年8月13日発表)
更新履歴
- 2026年8月13日 初版を公開
※本記事は2026年8月13日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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