いま降っている雨が小降りでも、数日間の雨を「もう大丈夫」とは判断できません。水が地中に残る斜面や、川の水位が上がりやすい低地では、これまでに降った雨も重要です。自宅だけでなく、通勤・通学路に次の地形がないか確認してください。
先に確認したい4つの地形
崖や谷の位置は国土交通省の土砂災害の説明、低地や昔の川筋は治水地形分類図の説明が手掛かりです。上の4つは一般的な地形の目印であり、すべての地点が同じ危険度という意味ではありません。

雨脚が弱くても安心できない理由
斜面では、過去に降った雨が地中にたまっているかが重要です。気象庁は、その状態を雨量から推定する「土壌雨量指数」を土砂災害の危険度判断に使っています。国土交通省も、長雨で地面に水がしみ込み、地盤が弱まることをがけ崩れの原因に挙げています。気象庁・土壌雨量指数/国土交通省・土砂災害の説明
川沿いでは、自分のいる場所で雨が弱くても、上流の雨や高い川の水位の影響を受けます。後背湿地は、氾濫した水が深くなり、長く残りやすい地形です。道路のくぼみは短時間の強い雨でも冠水しますが、長雨の途中も「今は小降りだから通れる」と決めつけないでください。国土交通省・低地と旧河道の説明

覚えておきたいこと:雨の「今の強さ」だけでなく、降り始めからの雨、上流の雨、土地の高さを一緒に見ます。降雨量だけで安全・危険を一律に決める数字はありません。
長く続いた雨の後に起きた災害
2006年・沖縄県:地すべり、がけ崩れ
国土交通省の記録では、5月23日から6月15日まで24日間連続で降雨を観測。地盤が緩んだところに6月10日・12日の大雨が重なり、県内で地すべり5カ所、がけ崩れ3カ所が発生しました。中城村北上原では6月10日に大規模な地すべりが起きています。
2021年・京都府:浸水、土砂災害、河川の溢水
8月11日から20日にかけて前線が停滞し、長岡京では降り始めから485.5mmを観測。京都地方気象台は、床上浸水17棟・床下浸水43棟のほか、土砂災害や河川の溢水を報告しています(8月20日9時時点の府集計)。
どちらの事例にも、期間中に強い雨が含まれます。「弱い雨だけで同じ被害が起きた」例ではありません。教訓は、強い雨になる前や雨脚が落ちた時も、それまでに降った雨の影響を見落とさないことです。
自宅と通り道を調べる手順
- 国土地理院のハザードマップポータルで、自宅と通る道の洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域を調べる。地図は想定を示す資料で、現在の被害状況ではありません。
- 雨が続く間は気象庁のキキクルで、土砂災害・浸水害・洪水の危険度を確認する。自治体の避難情報、河川水位、道路管理者の通行規制も確認する。
- 崖や沢、冠水した道を見に行かない。避難が必要なら、周囲の状況が悪くなる前に動く。
地図の色が付いていない場所も、すべての危険がないという意味ではありません。避難先が今回の災害種別に対応し、実際に開設されているかも自治体情報で確かめてください。
資料確認:2026年9月28日。掲載した2枚は一般的な模式図です。アイキャッチは雨の住宅街のイメージ写真で、災害事例の現場写真ではありません。
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