🗨️「名古屋の道路があんなに水につかったのは、下水道が弱いからですか?」
名古屋市が計画で置いている数字は1時間63ミリです。8日に名古屋(千種区)で降ったのは1時間104.5ミリで、1890年からの観測でいちばん多い値でした。これまでの1位は2000年の東海豪雨の97.0ミリです。
[災害] この記事の要点
2026年9月9日 発表
- 名古屋市内で道路や住宅が水につかった人
- 庄内川・矢田川の近くに住んでいる人、住まいを探している人
- 9日も愛知県内を移動する予定の人
8日に名古屋で降った量
気象庁が公開している名古屋(名古屋地方気象台・千種区)の観測値です。9月8日の1日で、9月ひと月ぶんに近い量が降りました。
| 項目 | 9月8日の値 |
|---|---|
| 降水量の合計 | 219.5ミリ |
| 1時間降水量の最大 | 104.5ミリ |
| 10分間降水量の最大 | 23.0ミリ |
| 18時までの24時間降水量 | 215.0ミリ |
気象庁の10分ごとの値をたどると、16時00分から16時50分にかけて10分あたり14.0〜21.5ミリが続き、16時50分までの1時間で101.5ミリになります。名古屋地方気象台は、名古屋市千種区と多治見市で1時間降水量の日最大値が観測史上最大になったと発表しました。
これまでの1位は東海豪雨の97.0ミリでした
名古屋の1時間降水量の記録は、1890年7月から取られています。その中の上位はこうなっています。
| 順位 | 日最大1時間降水量 | 起きた日 |
|---|---|---|
| これまでの1位 | 97.0ミリ | 2000年9月11日(東海豪雨) |
| 2位 | 92.0ミリ | 1919年7月18日 |
| 3位 | 84.0ミリ | 2008年8月29日 |
| 4位 | 82.0ミリ | 1971年9月26日 |
8日の104.5ミリは、この97.0ミリを7.5ミリ上回ります。26年間だれも越えなかった数字が、8日の夕方の1時間で越えられました。
名古屋の下水道は、1時間何ミリで作られているのか
ここが、報道では出てこない数字です。名古屋市上下水道局は、平成12年の東海豪雨や平成20年8月末豪雨で大きな浸水被害が出た地域と、名古屋駅など都市機能が集まる地域について、おおむね10年に1度といわれる大雨(1時間60ミリ)に対応する施設へのレベルアップを進めてきました(緊急雨水整備事業)。
そのうえで、令和元年度に「名古屋市総合排水計画」を改定し、目標を次のように置いています。
| 降る量 | 市が目標にしていること |
|---|---|
| 1時間63ミリ | 浸水被害をおおむね解消する |
| 1時間 約100ミリ | 床上浸水をおおむね解消する |
8日に降ったのは104.5ミリです。市が置いた2つの目標のうち、上のほうの数字も超えた雨だったことになります。しかも、この2つは「いま達成できている」ではなく「これから整備して目指す」目標です。
じゃあ名古屋の下水道は手抜きだったということ?
私はそうは見ていません。63ミリはおおむね10年に1度の大雨に合わせた数字で、他の政令市と比べて低い水準ではありません。管を太くすれば解決する話でもなく、受けた水を流す先の川の側にも限界があります。読み取るべきなのは「弱い・強い」ではなく、都市の排水には必ず設計上の上限があって、それを超える雨は道路にあふれるという仕組みのほうです。
川のほうでは、矢田川にレベル5が出ていました
道路にたまる水(内水)とは別に、川があふれる側(外水)でも動きがありました。庄内川水系の矢田川には、8日にレベル5氾濫特別警報が発表されています。名古屋地方気象台は9日0時50分、これをレベル2氾濫注意報に切り替えました。
矢田川は名古屋市の守山区・北区・東区のあたりを流れて庄内川へ合流する川です。8日夕方の1時間104.5ミリは、この流域に降りました。市街地の冠水と川の増水が、同じ1時間の雨から同時に起きた形です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
9日も、まだ降る予想です
名古屋地方気象台が9日0時50分に出した情報では、愛知県では10日にかけて低い土地の浸水、河川の増水、土砂災害に注意・警戒が必要とされています。8日19時10分の東海地方の情報では、8日18時から9日18時までの24時間降水量が愛知県・岐阜県・静岡県で多い所200ミリ、三重県で150ミリ。1時間降水量は愛知県・岐阜県で70ミリの予想です。9日夕方にかけて線状降水帯が発生する可能性にも触れています。
地面はすでに水を含んでいます。同じ量が降っても、8日より早く道路へ出てくることになります。
生活・仕事にどう効くか
- 自宅の浸水リスク:下水道が受けられる量には計画上の上限があります。名古屋市の目標は1時間63ミリで浸水被害をおおむね解消、1時間約100ミリで床上浸水をおおむね解消です。8日に降ったのはその上の数字でした。
- 住まい探し:同じ名古屋市内でも、川に近い低い土地と台地の上では水のたまり方が違います。買う前・借りる前に、住所単位で浸水想定を見ておくと判断が変わります。
- 9日の予定:名古屋地方気象台は8日18時から9日18時までの24時間降水量を愛知県で多い所200ミリと予想し、9日夕方にかけて線状降水帯が発生する可能性にも触れています。
結局どうすればよいか
- 自宅と職場の住所で浸水想定と土砂災害の区域を確認する
- 川の水位は市の避難情報とあわせて見る。矢田川はレベル5からレベル2へ下がったが、9日も雨が続く予想であることを前提にする
- 地下や半地下の駐車場に車を置いている人は、雨が強まる前に高い場所へ移しておく
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ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
公式出典
- 気象庁 過去の気象データ検索「名古屋 2026年9月(日ごとの値)」(2026年9月9日発表)
- 気象庁 過去の気象データ検索「名古屋 観測史上1位の値」(2026年9月9日発表)
- 名古屋市上下水道局「ともにつくる 大雨に強いまち なごや」(2026年9月9日発表)
- 気象庁 防災情報XML「愛知県気象解説情報(大雨・氾濫・落雷)」名古屋地方気象台(2026年9月9日発表)
更新履歴
- 2026年9月9日 初版を公開
※本記事は2026年9月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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