🗨️「中古マンションの価格が下がったって聞いたけど、うちのマンションも下がってるの?」
7月に下がったのは都心6区(前月比-1.7%)と名古屋市(-0.1%)だけです。同じ東京23区でも城北・城東11区は+1.9%と上昇が加速しました。
[地価・住宅市場] この記事の要点
東京カンテイが2026年8月24日、2026年7月の「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」を公表した。都心6区は前月比-1.7%の18,195万円で3ヵ月連続のマイナス。一方、首都圏平均は+1.2%の7,547万円で24ヵ月連続の上昇となった。
2026年8月25日 発表
- 都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)でマンションを売ろうとしている人
- さいたま市・千葉市・横浜市など、都心の外側でマンションを買おうとしている人
- 手持ちのマンションの資産価値を、ニュースの見出しだけで判断しようとしている人
この記事でわかること
- 7月に値下がりしたのが東京のどこで、どこは上がっているのか
- 同じ東京23区のなかで、都心と城北・城東の差がどれだけ開いたか
- この数字が売り希望価格であって、成約価格ではないという読み方
先に結論
- 7月に下がったのは都心6区(前月比-1.7%)と名古屋市(-0.1%)だけです
- 同じ東京23区でも、城北・城東11区は+1.9%で上昇が加速しています
- 首都圏の平均は+1.2%の7,547万円で、24ヵ月連続の上昇です
- 7月にいちばん上がった主要都市は神戸市の+3.3%でした
「中古マンションの価格が3カ月連続で下落」という見出しを見て、自分の部屋の値段も下がったと思った人がいるはずです。実際の数字を開くと、下がっているのは都心6区と名古屋市だけで、その外側はむしろ上がっています。
東京カンテイが2026年8月24日に公表した「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」から、2026年7月の数字を並べます。
下がったのは都心6区と名古屋市だけ
| エリア | 7月の価格 | 前月比 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 首都圏 | 7,547万円 | +1.2% | +28.9% |
| 東京都 | 11,301万円 | +0.5% | +26.9% |
| 神奈川県 | 4,368万円 | +1.0% | +9.7% |
| 埼玉県 | 3,284万円 | +1.0% | +9.1% |
| 千葉県 | 2,990万円 | 0.0% | +6.9% |
| 近畿圏 | 3,627万円 | +1.3% | +15.4% |
| 中部圏 | 2,325万円 | +1.5% | +0.6% |
首都圏は24ヵ月連続、近畿圏は14ヵ月連続で上昇しています。中部圏は4ヵ月ぶりの上昇です。都府県の単位では、7月に前月比でマイナスになったところが1つもありません。千葉県が横ばいの0.0%で、いちばん弱い数字がそれです。
同じ東京23区で、都心は-1.7%、城北・城東は+1.9%
下落が出ているのは、東京23区をさらに割った区分のほうです。
| 区分 | 7月の価格 | 前月比 | 前年同月比 | 平均築年 |
|---|---|---|---|---|
| 都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷) | 18,195万円 | -1.7% | +9.0% | 22.0年 |
| 城南・城西6区(品川・目黒・大田・世田谷・中野・杉並) | 10,873万円 | +0.7% | +24.1% | 29.8年 |
| 城北・城東11区(上記以外) | 8,497万円 | +1.9% | +24.5% | 26.8年 |
| 東京23区(全体) | 12,724万円 | -0.1% | +21.4% | 25.8年 |
都心6区の前月比は5月が-0.4%、6月が-1.3%、7月が-1.7%で、下落率そのものが広がっています。一方で城北・城東11区は+1.9%と、7月にむしろ上げ幅を広げました。同じ東京23区のなかで、上と下に3.6ポイントの差が開いています。
東京カンテイは都心6区について「新規流通戸数は前年同月に比べて増加、さらに反響の鈍さから継続分も積み上がり続けており、流通戸数全体のボリュームが増大してきている」「一方、価格改定シェアや値下げ率自体は小幅な動きに留まった」と書いています。売り物は増えたが、1件ごとの値下げはまだ小さい、という状態です。
値上がりは外側で起きています
| 主要都市 | 7月の価格 | 前月比 | 平均築年 |
|---|---|---|---|
| 神戸市 | 2,899万円 | +3.3% | 33.9年 |
| 千葉市 | 2,890万円 | +2.3% | 32.5年 |
| さいたま市 | 4,400万円 | +2.1% | 28.9年 |
| 横浜市 | 4,745万円 | +1.0% | 32.3年 |
| 大阪市 | 6,503万円 | +0.6% | 27.0年 |
| 名古屋市 | 2,926万円 | -0.1% | 30.1年 |
7月にいちばん上がったのは神戸市の+3.3%で、都心6区の下落率-1.7%より大きい数字です。神戸市については、価格水準が最も高い中央区で事例数が増えたことが理由として挙げられています。
さいたま市と千葉市には、リリースにこう書かれています。「割安感から一般的な購入層からの実需ニーズも底堅く、平均築年数がやや進んだにもかかわらず比較的大きな上昇率を示している」。築古が増えたのに価格が上がった、という並びは、都心6区とちょうど逆です。都心6区の平均築年は22.0年で、この表のどの都市よりも若いのに下がっています。
私はこの7月の数字を、値下がりというより買い手の居場所が移った結果だと見ています。根拠は、都心6区で増えたのが「流通戸数」であって「値下げ率」ではないこと、そして同じ月にさいたま市と千葉市が築古を含めて2%台で上がっていることです。売り手が値段を下げ始めたのではなく、買える価格帯へ人が動いた、という順序に見えます。ただしこれは1ヵ月分の数字での見立てで、8月以降に値下げ率のほうが動けば読み方は変わります。
このエリアの相場はいくらですか?
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この数字は「売り希望価格」です
読み方でひとつ押さえることがあります。この価格は成約価格ではありません。リリースの集計方法にはこう書かれています。「価格データは、東京カンテイのデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70㎡に換算して表記」。対象はファミリータイプのみで、専有面積30㎡未満の住戸と事務所・店舗用は除いています。
集計に使われた売事例は、2026年7月だけで首都圏39,421件、近畿圏18,503件、中部圏7,041件です。売り希望価格は、売り手が「この値段で出したい」と決めた額なので、市場の温度が成約価格より先に出ます。逆に言えば、ここでの下落は「実際にいくらで売れたか」ではなく「いくらで出されたか」の変化です。自分の物件が実際にいくらで売れるかは、取引された価格のほうで確かめることになります。
生活・仕事にどう効くか
- 都心で売る:都心6区の前月比は5月-0.4%、6月-1.3%、7月-1.7%と下落率が拡大している。売り出し中の物件は、先月と同じ価格で置いておくと相対的に高く見える。
- 外側で買う:さいたま市は+2.1%の4,400万円、千葉市は+2.3%の2,890万円。1ヵ月で90万円前後の上げ幅で、待つほど高くなっている。
- 関西で売る:神戸市は+3.3%の2,899万円で、7月にいちばん上がった主要都市。都心6区の下落率-1.7%より大きい。
結局どうすればよいか
- 自分の物件が「下がった区分」に入っているかを、都府県・市区ではなく都心6区/城南・城西6区/城北・城東11区の区分で確認する
- この数字は売り希望価格であって成約価格ではないので、実際の売れた値段は取引データで別に確認する
- 売却を考えているなら、平均築年数の動き(都心6区は22.0年、城北・城東11区は26.8年)と自分の築年を突き合わせる
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公式出典
- 東京カンテイ プレスリリース「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」2026年8月24日(2026年8月24日発表)
- 東京カンテイ 市況レポート(2026年8月24日発表)
更新履歴
- 2026年8月25日 初版を公開。東京カンテイ2026年8月24日公表のプレスリリース(PDF3ページ)から数値を転記
※本記事は2026年8月25日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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