🗨️「台風15号は12日の朝には関東を抜けるそうです。昼から帰省で車を出せば、雨も渋滞も避けられますか?」
どちらも避けられない可能性が高いです。気象庁が11日17時に出した予報では、東京地方で雷を伴い非常に激しく降るのは12日の昼過ぎから夕方。渋滞予測のピークも同じ時間帯に入っています。
[交通] この記事の要点
気象庁は8月11日18時50分、台風第15号(チャンホン)の中心が11日18時時点で銚子市の東北東約70kmにあり、12日0時に北緯35.6度・東経138.7度、6時に岐阜市付近へ進むと発表した。同じ11日17時に各地方気象台が出した12日の天気予報では、東京地方で昼過ぎから夕方にかけて所により雷を伴い非常に激しく降るとしている。
2026年8月11日 発表
- 8月12日に車で帰省・移動する人
- 東名・中央道・圏央道を下る人
- 東海・北陸・近畿方面へ向かう人
この記事でわかること
- 台風15号の中心は8月12日6時に岐阜市付近まで進む(気象庁 8月11日18時50分発表)
- それでも東京地方は12日昼過ぎから夕方に雷を伴い非常に激しい雨の予報(同日17時発表)
- 8月12日の下り渋滞は首都圏で6時から15時。雨が強まる時間帯と重なる
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
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台風の中心は、12日の朝には岐阜まで進んでいる
気象庁が8月11日18時50分に発表した台風第15号(チャンホン)の予報位置を時刻順に並べると、関東を横切ったあと夜のうちに一気に西へ抜けることが分かる。
| 日時 | 中心の位置 | 中心気圧 | 進む速さ(自前計算) |
|---|---|---|---|
| 8月11日18時(実況) | 銚子市の東北東約70km | 980hPa | — |
| 8月12日0時 | 北緯35.6度・東経138.7度 | 985hPa | 約43km/h |
| 8月12日3時 | 北緯35.4度・東経137.2度 | 990hPa | 約46km/h |
| 8月12日6時 | 岐阜市付近 | 994hPa | 約21km/h |
| 8月12日9時 | 北緯35.8度・東経135.9度 | 994hPa | 約21km/h |
| 8月12日12時 | 北緯35.9度・東経135.0度 | 994hPa | 約27km/h |
| 8月12日15時 | 熱帯低気圧に変わる見込み | 996hPa | 約24km/h |
| 8月12日18時 | 松江市の北北東約50km | 996hPa | 約24km/h |
位置と気圧は気象庁の発表値をそのまま書いた。「進む速さ」の列は、発表された緯度経度から2地点間の距離を計算して経過時間で割った自前の計算値で、気象庁が別に発表している進行速度とはほぼ一致する。
ここで目に付くのが速度の変化だ。11日夜から12日3時までは時速40km台で走っていた中心が、3時から6時にかけて時速21kmまで落ちる。0時から6時までの6時間で199km進むのに、6時から12時までの6時間では143kmしか進まない。岐阜のあたりで足踏みして、そのまま近畿北部をゆっくり通る形になる。西日本方面へ向かう人ほど、雨にさらされる時間が長い。
中心が抜けても、雨のピークは昼過ぎに来る
各地方気象台が8月11日17時に出した12日の予報を並べる。降水確率は左から0〜6時、6〜12時、12〜18時、18〜24時。
| 地域 | 8月12日の天気 | 降水確率(%) |
|---|---|---|
| 東京地方 | 雨 昼過ぎから時々くもり 所により昼過ぎから夕方 雷を伴い非常に激しく降る | 90 / 70 / 60 / 50 |
| 愛知県西部 | 雨 明け方までくもり 所により昼前から 雷を伴い激しく降る | 20 / 70 / 70 / 70 |
| 岐阜県美濃地方 | 雨 時々くもり 所により朝から 雷を伴い激しく降る | 50 / 60 / 50 / 60 |
| 京都府南部 | くもり 昼前から雨 所により昼過ぎから 雷を伴い激しく降る | 40 / 50 / 70 / 60 |
| 石川県加賀 | くもり 昼前から夕方晴れ 所により明け方まで雨で雷を伴う | 30 / 10 / 20 / 20 |
読みどころは東京だ。台風の中心は12日6時にはすでに岐阜市付近まで離れているのに、東京地方の予報は「昼過ぎから夕方にかけて、所により雷を伴い非常に激しく降る」。降水確率も6〜12時が70%、12〜18時が60%と高いまま残る。中心が抜けた=雨がやんだ、ではない。
逆に、台風の中心が正午前後にいちばん近づく石川県加賀は、12日の降水確率が10〜20%で、この5地域のなかで最も低い。中心の位置と雨の強さは一致しない。進路図だけを見て出発時刻を決めると、いちばん外しやすいのがここだ。
渋滞のピークは6時から15時。雨と丸かぶりする
NEXCO中日本が7月17日に発表したお盆期間の渋滞予測(別紙-1)から、8月12日の下り・外回りで最大渋滞長10km以上と予測されている区間を抜き出した。
| 路線・方向 | 渋滞の先頭 | 最大 | 時間帯(ピーク) | 通過時間(通常時) |
|---|---|---|---|---|
| E1 東名 下り | 綾瀬スマートIC付近 | 20km | 7〜15時(9時) | 約50分(約15分) |
| E20 中央道 下り | 相模湖IC付近 | 20km | 6〜14時(7時) | 約60分(約15分) |
| E20 中央道 下り | 日野BS付近 | 15km | 6〜13時(7時) | 約45分(約15分) |
| C4 圏央道 外回り | 八王子JCT付近 | 15km | 6〜14時(7時) | 約45分(約15分) |
| C4 圏央道 外回り | 相模原IC付近 | 10km | 7〜15時(8時) | 約25分(約10分) |
| E23 東名阪道 下り | 亀山PAスマートIC付近 | 10km | 10〜13時(11時) | 約25分(約10分) |
| E1A 伊勢湾岸道 下り | 弥富木曽岬IC付近 | 10km | 8〜14時(9時) | 約25分(約10分) |
| E19 中央道 下り | 土岐IC付近 | 10km | 16〜20時(17時) | 約25分(約10分) |
| E8 北陸道 下り | 能美根上スマートIC付近 | 10km | 7〜21時(10時) | 約30分(約10分) |
首都圏の3路線はいずれも6時台に始まって14〜15時まで続く。東京地方で雨が強まる時間帯とほぼ完全に重なる。とくに東名下りの綾瀬スマートIC付近はピークが9時で、通常約15分の区間に約50分かかる予測。増える35分は渋滞だけの分であって、雨で車間を空ければそのぶん上乗せになる。
時間帯がいちばん長いのは北陸道の能美根上スマートIC付近で、7時から21時までの14時間。ただしここは12日の降水確率が10〜20%なので、長いのは雨ではなく単純に交通量の問題になる。
逆に、中央道の土岐IC付近(岐阜県)は16〜20時で、岐阜県美濃地方の18〜24時の降水確率は60%。夕方に東海方面を走る人は、渋滞と雨が同時に来る側に入る。
関東の「通行止めの可能性がある区間」は、最新版で消えている
NEXCO東日本 関東支社は8月10日16時に4ページのお知らせを出していて、そこには「1.通行止めの可能性がある主な区間」という表が1行だけあった。C4圏央道の稲敷IC〜大栄JCT(内回り・外回り)、原因は雨、おおよその開始日時は8月12日0時以降、という内容だ。
ところが、同じ関東支社が8月11日16時30分に出した最新版は2ページしかなく、「通行止めの可能性がある主な区間」という項目そのものが無い。NEXCO東日本の「ご利用に関する重要なお知らせ」の一覧に今並んでいるのも、この11日版のほうだ。
ただし、両方の版に同じ一文が入っている。「予期せぬ事故や気象の急変等により、急遽通行止めを実施する場合があります」。区間の予告が消えたことは、止まらないという意味ではない。予告できる分だけが先に出て、残りは当日その場で決まる。
「台風が抜けてから出発する」は、12日には効かない
ここからは筆者の見方になる。12日に限っては、よく言われる「台風が通り過ぎてから動く」という考え方が使えない。理由は3つある。
1つめ。中心が岐阜まで達する12日6時の時点で、東京地方の降水確率はまだ70%が残り、非常に激しい雨の予報が出ているのはそのあとの昼過ぎから夕方だ。中心の通過と雨のピークが半日ずれている。
2つめ。渋滞予測のピークが首都圏で7〜9時、時間帯としては15時まで続く。雨を避けて出発を遅らせると、今度は渋滞のいちばん濃いところへ入っていくことになる。逃げる先が同じ時間帯に固まっている。
3つめ。西へ向かうほど台風を追いかける形になる。中心は12日6時に岐阜、正午に近畿北部にいて、そこから先は時速20km台までペースを落とす。東京を朝出て名古屋・関西方面へ走ると、抜けたはずの雨雲にもう一度追いつく可能性がある。
結局のところ、見るべきは進路図ではなく「自分が通る県の、自分が通る時間の予報」だ。府県天気予報は1日3回更新されるので、出発の直前にもう一度開き直す価値がある。
生活・仕事にどう効くか
- 出発時刻の判断:12日の首都圏の渋滞は6時台に始まり14〜15時まで続く。東京地方の激しい雨の予報は昼過ぎから夕方。「昼から出れば空いていて雨も上がっている」は両方とも外れる可能性が高い。
- 所要時間:中央道下りの相模湖IC付近は通常約15分の区間が約60分の予測。差の45分は渋滞だけの分で、雨で車間を取ればさらに延びる。
- 車を置く場所:中心が抜けたあとの雨で水が出るのはアンダーパスや低い道。国土交通省 関東地方整備局が公表している道路冠水注意箇所は関東甲信9都県で1,014か所ある。
結局どうすればよいか
- 出発前に見るのは「台風の中心の位置」ではなく「自分が通る県の降水確率と警報」。気象庁の府県天気予報は5時・11時・17時に更新される
- 12日に首都圏を下るなら6時前か15時以降にずらす。中央道の相模湖IC付近は6時から14時で、通常約15分が約60分の予測
- 事前の区間予告が出ていなくても、雨量規制で急に通行止めになる。NEXCO東日本の「ご利用に関する重要なお知らせ」と公式Xを出発直前にもう一度見る
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公式出典
- 気象庁 台風第15号(チャンホン)台風情報(2026年8月11日18時50分発表)(2026年8月11日発表)
- 気象庁 府県天気予報(東京都・愛知県・岐阜県・京都府・石川県/各地方気象台 2026年8月11日17時発表)(2026年8月11日発表)
- NEXCO中日本「2026年度 お盆期間の中日本高速道路における渋滞発生予測」別紙-1(2026年7月17日発表)(2026年7月17日発表)
- NEXCO東日本 関東支社「台風15号の影響により関東地方では大雨の予報が出ております」(2026年8月11日16時30分発表)(2026年8月11日発表)
- NEXCO東日本 ご利用に関する重要なお知らせ一覧(2026年8月11日発表)
更新履歴
- 2026年8月11日 初版を公開
※本記事は2026年8月11日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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