青森県では9月3日朝も大雨による災害が相次いでいます。青森市は午前1時50分、瀬戸子川の氾濫で456世帯892人に警戒レベル5「緊急安全確保」を発令。五所川原市も午前6時、飯詰川と大泊溜池の堤防決壊のおそれで393世帯620人に同じレベル5を出し、午前9時すぎに毘沙門地区で飯詰川の氾濫が確認されました。県内11市町村にはレベル4土砂災害危険警報が続いています。雨はいったん止んでいますが、青森市の見通しでは3日夕方まで警戒レベル4相当が続きます。
[災害] この記事の要点
2026年9月3日 発表
- 青森市・五所川原市で緊急安全確保の対象になっている849世帯1,512人
- つがる市・弘前市で避難指示が出ている地区の住民
- 五能線・津軽線・大湊線を使う人と、県道青森五所川原線・越水木造線を通る人
現在わかっていること
3日午前10時時点で確認できている、青森県内の被害と避難情報です。時刻はすべて9月3日のものです。
青森市
- 午前1時50分、瀬戸子川の氾濫で456世帯892人に警戒レベル5「緊急安全確保」(瀬戸子神田・瀬戸子磯田・飛鳥岸田・飛鳥福浦・飛鳥塩越)
- 午前4時03分、内真部川の氾濫のおそれで内真部字岸田・平岡、清水字川瀬・浜元に避難指示
- 前夜11時30分、浪岡地区の13地区に土砂災害の避難指示(継続中)
- 避難所は北小学校・油川市民センター・北部地区農村環境改善センターほか5か所
五所川原市
- 午前6時、飯詰川と大泊溜池の堤防決壊のおそれで393世帯620人に警戒レベル5「緊急安全確保」(午前6時28分・6時50分に更新)
- 午前9時すぎ、毘沙門地区で飯詰川の氾濫を確認。長富橋から上流300メートルほどの地点で堤防が決壊
- 市内の4小中学校が臨時休校
そのほかの地域
- つがる市=午前5時40分、山田川の水位上昇で小田原地区23世帯54人に避難指示
- 弘前市=午前0時15分、土砂災害警戒区域の十腰内・十面沢・貝沢の13世帯31人に避難指示
- むつ市=午前4時17分に避難指示を解除
- 県内11市町村にレベル4土砂災害危険警報が継続(午前6時21分発表)
県のまとめでは、2日午後3時時点で人的被害の報告はなく、建物被害は69件(住家45棟・非住家24棟)です。住家のうち床上浸水が18棟、床下浸水が26棟でした。3日ぶんの集計はまだ出ていません。
青森市・瀬戸子川が氾濫 456世帯892人に緊急安全確保
青森市は3日午前1時50分、瀬戸子川の氾濫を理由に、市の北部にあたる5つの地区へ警戒レベル5「緊急安全確保」を出しました。対象は瀬戸子神田・瀬戸子磯田・飛鳥岸田・飛鳥福浦・飛鳥塩越で、あわせて456世帯892人です。
内訳は飛鳥塩越が205世帯410人でいちばん多く、次いで飛鳥岸田87世帯157人、瀬戸子神田70世帯127人、瀬戸子磯田54世帯111人、飛鳥福浦40世帯87人となっています。
市は防災情報のなかで「河川を超えないで避難または高いところに避難」と呼びかけました。川を渡って避難所へ向かうことを、市自身が止めているという書き方です。避難所は午前2時31分に北小学校・油川市民センター・北部地区農村環境改善センターの3か所が開き、その後に本郷小学校・浪岡北小学校が加わりました。
青森市 一部地域に緊急安全確保 瀬戸子川で氾濫発生https://t.co/ZWkgLw3MVw #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) 2026年9月2日
NHKニュース(9月3日 午前2時37分)
青森市ではこのあと午前4時03分にも、内真部川が氾濫するおそれがあるとして内真部字岸田・内真部字平岡・清水字川瀬・清水字浜元に避難指示(警戒レベル4)が出ています。前夜11時30分に出た浪岡地区の避難指示(土砂災害)も続いています。
五所川原市でも警戒レベル5 飯詰川で堤防が決壊
五所川原市は3日午前6時、飯詰川と大泊溜池の堤防が決壊するおそれがあるとして、警戒レベル5「緊急安全確保」を出しました。対象は393世帯620人です。
| 対象地区 | 世帯数 | 人数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 毘沙門 上熊石・中熊石・下熊石 | 150世帯 | 155人 | 大泊溜池付近 |
| 金木町 中柏木 | 94世帯 | 181人 | 大泊溜池付近 |
| 長富 鎧石 | 149世帯 | 284人 | 飯詰川付近 |
| 合計 | 393世帯 | 620人 | 堤防決壊のおそれ |
その後、午前9時すぎに毘沙門地区で飯詰川の氾濫が確認されました。青森放送の取材では、長富橋から上流300メートルほどの地点で堤防が決壊し、ほかに3か所で決壊のおそれがあるということです。堤防の土砂が崩れて田んぼへ流れ込んでいる場所や、橋桁に流木が引っかかっている場所も確認されています。
五所川原市毘沙門地区で飯詰川氾濫https://t.co/FX4PCkda0S#東奥日報
— 東奥日報(青森) (@toonippo) 2026年9月3日
東奥日報(9月3日 午前9時37分)
東奥日報の取材に、毘沙門地区の男性は「60年住んでいるが、こんなことは初めて」と話しています。床上・床下浸水も発生しているとみられます。市内では4つの小中学校が臨時休校になりました。
土砂災害にも厳重警戒 11市町村にレベル4
青森地方気象台は3日午前6時21分、青森市・弘前市・五所川原市などのレベル4大雨危険警報をレベル3大雨警報に切り替えました。下がったのは「大雨」だけで、「土砂災害」は下がっていません。
同じ発表で、レベル4土砂災害危険警報は次の11市町村に継続しています(2026年5月29日から、土砂災害警戒情報はこの名前に変わりました)。
| 地域 | レベル4土砂災害危険警報が出ている市町村 |
|---|---|
| 東青・北五・西津軽 | 青森市、五所川原市、つがる市、外ヶ浜町、鰺ヶ沢町 |
| 中南津軽 | 弘前市 |
| 下北 | むつ市、東通村 |
| 三八 | 八戸市、三戸町、南部町 |
このうち大雨警報(レベル3)も同時に出ているのは青森市・弘前市・五所川原市・むつ市・つがる市・鶴田町・東通村の7市町です。鰺ヶ沢町は大雨のほうが注意報まで下がっているのに、土砂災害だけレベル4が残っています。降った水が地中にしみ込んだまま抜けていないためで、雨が止んでいる時間帯でも崩れます。
2日から記録的な大雨 鰺ヶ沢で1時間82ミリ
始まりは2日未明でした。青森県内に線状降水帯が発生し、気象庁は鰺ヶ沢町・深浦町・弘前市の付近で1時間に約90ミリの猛烈な雨を解析して、記録的短時間大雨情報を出しました。
【動画】青森で線状降水帯 鰺ケ沢や深浦、弘前などで大雨、土砂崩落もhttps://t.co/P2TnzO50NX
— 朝日新聞デジタル編成席 (@asahicom) 2026年9月2日
青森県内で2日未明、線状降水帯が発生し、記録的な大雨になりました。気象庁によると、鰺ケ沢町や深浦町、弘前市付近で、1時間に約90ミリの猛烈な雨が観測されました。 pic.twitter.com/PuezmZDFfM
朝日新聞デジタル(9月2日 午前11時50分)
「約90ミリ」はレーダーによる解析値で、雨量計が実際に測った値とは別物です。鰺ヶ沢のアメダスの記録は次のとおりでした(10分値から集計)。
| 地点 | 最大1時間雨量 | 最大12時間雨量 | 降り始めからの総雨量 |
|---|---|---|---|
| 鰺ケ沢 | 82.0ミリ(2日3時10分まで) | 225.0ミリ(2日9時10分まで) | 260.0ミリ |
| 五所川原 | 39.0ミリ(3日0時まで) | — | 186.5ミリ |
| 青森 | 21.0ミリ(2日3時20分まで) | — | 117.0ミリ |
鰺ヶ沢の1時間82.0ミリと12時間225.0ミリは、どちらも観測史上最大です。五所川原の24時間124.5ミリ(2日午後3時まで)は9月として観測史上最大でした。気象台が発表した降り始め(1日19時)から3日午前5時までの雨量は、鰺ケ沢260.0ミリ、十和田市休屋205.5ミリ、五所川原186.5ミリ、むつ159.5ミリ、むつ市脇野沢159.5ミリです。
鰺ヶ沢町は8月27日にも同じように冠水しています。なぜ同じ町が繰り返し水に浸かるのかは、地形から説明できます。
現在の避難情報(3日午前10時時点)
| 市町村 | レベル | 発令時刻 | 対象 | 規模 |
|---|---|---|---|---|
| 青森市 | 5 緊急安全確保 | 1:50 | 瀬戸子神田・瀬戸子磯田・飛鳥岸田・飛鳥福浦・飛鳥塩越 | 456世帯892人 |
| 青森市 | 4 避難指示 | 4:03 | 内真部字岸田・平岡、清水字川瀬・浜元 | 306世帯556人(清水川瀬は非公表) |
| 青森市 | 4 避難指示 | 2日23:30 | 浪岡地区13地区(土砂災害) | 822世帯1,591人 |
| 五所川原市 | 5 緊急安全確保 | 6:00 | 毘沙門・金木町中柏木・長富鎧石 | 393世帯620人 |
| つがる市 | 4 避難指示 | 5:40 | 小田原(山田川) | 23世帯54人 |
| 弘前市 | 4 避難指示 | 0:15 | 十腰内・十面沢・貝沢(土砂災害警戒区域) | 13世帯31人 |
| むつ市 | 解除 | 4:17 | — | — |
五所川原市の五所川原地区(みどり町・一ツ谷など47地区)に2日午後2時に出ていた避難指示、つがる市の上町・千代町・吉岡下木造など6地区に出ていた避難指示は、いずれも解除済みです。むつ市の避難指示も3日午前4時17分に解除されました。
うちの地区が対象かどうか、どこで見ればいい?
あおもり防災ポータル(bousai.pref.aomori.lg.jp)と、お住まいの市町村の防災情報ページが最速です。青森市は防災メールの内容をそのままウェブに出していて、地区名まで載っています。
道路・鉄道への影響
青森県道路課が3日午前7時21分に発表した通行止めは次の2区間です。どちらも土砂崩落などによる全面通行止めで、解除の見通しは出ていません。
- 県道 青森五所川原線(青森市天田内〜五所川原市飯詰)
- 県道 越水木造線(つがる市木造越水〜木造三ツ館)
【#通行規制情報】#青森五所川原線(青森市天田内〜五所川原市飯詰) #越水木造線(つがる市木造越水〜木造三ツ館) において、土砂崩落等により全面通行止めとなっております。
— 青森県道路課(通行規制情報) (@aomoriken_douro) 2026年9月2日
付近を走行の際は、ご注意ください。
最新の情報は青森みち情報をご確認ください。https://t.co/HKSXae6lxG pic.twitter.com/1N6kxXyzP9
青森県道路課 通行規制情報(9月3日 午前7時21分)
このほか、弘前鯵ヶ沢線の弘前市十面沢が倒木で全面通行止めになっています。むつ市では国道338号(川内町宿野部〜蛎崎)の通行止めが午前5時30分に解除され、九艘泊脇野沢線(脇野沢蛸田)は午前6時から片側交互通行に切り替わりました。
鉄道は3日午前9時38分時点で次のとおりです(JR東日本発表)。
| 路線 | 区間 | 状況 |
|---|---|---|
| 五能線 | 深浦〜鰺ケ沢 | 始発から18時ごろまで運転見合わせ |
| 五能線 | 鰺ケ沢〜弘前 | 始発から12時30分ごろまで運転見合わせ |
| 津軽線 | 青森〜蟹田 | 運転見合わせ(再開見込みなし) |
| 大湊線 | 全線 | 上りは9時30分ごろ、下りは11時30分ごろまで運転見合わせ |
| 快速「しもきた」 | 八戸9:33発 大湊行き | 全区間運休 |
いずれも代行輸送はありません。2日は五能線が弘前〜能代間で終日運転取りやめ、奥羽線とあわせて在来線80本前後が運休しました。
これからの雨は 3日夕方まで警戒レベル4相当
3日午前9時30分のアメダスでは、青森・五所川原・鰺ケ沢・弘前・深浦・むつなど県内の主な8地点すべてで、直近1時間の雨量が0.0ミリでした。いま雨は止んでいます。
<青森 雨が止んでも油断せず>
— ウェザーニュース (@wni_jp) 2026年9月3日
昨日2日(水)から断続的な大雨となった青森県内は、ようやく雨の峠を越えました。
記録的な雨量となった地域があり、雨が落ち着いてもしばらくは警戒が必要です。https://t.co/TkQrCC16l2 pic.twitter.com/68XzKdbDMs
ウェザーニュース(9月3日 午前9時21分)
それでも警戒が解けないのは、青森市が防災情報で出している時間ごとの見通しを見ると分かります。午前6時21分発表分では、大雨浸水も土砂災害も「3日夕方まで警戒レベル4相当」が並び、レベル2に下がるのは3日夜のはじめ頃です。
予想される1時間雨量も、3日昼過ぎに20ミリ、夕方に25ミリ、夜遅くに20ミリと戻ってきます。青森地方気象台の3日午前5時37分発表では、3日に予想される1時間降水量は津軽・下北・三八上北のいずれも多い所で40ミリ、3日6時から4日6時までの24時間降水量は津軽80ミリ、下北60ミリ、三八上北60ミリです。
気象台は「3日夕方にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒」と書いています。あわせて4日昼前にかけては、竜巻などの激しい突風・落雷・降ひょうにも警戒が要ります。次の青森県気象解説情報は3日午後4時30分ごろに発表される予定です。
警戒レベル5が出たらどうする?
警戒レベル5「緊急安全確保」は、避難指示(レベル4)の次に出る情報ではありません。災害がすでに起きている、または起きていてもおかしくない段階で出るもので、指定避難所までたどり着けない前提の指示です。
青森市が3日午前1時50分の発表に「河川を超えないで避難または高いところに避難」と書いたのは、そのためです。氾濫している川を渡って避難所へ向かうのは、家にとどまるより危険になることがあります。
青森で再び大雨となっています。
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2026年9月2日
河川氾濫が発生し緊急安全確保の発令されている地域があります。建物の2階以上など少しでも身を守れる場所でお過ごしください。厳重に警戒をお願いします。 pic.twitter.com/WcG4I3GClX
気象研究所・荒木健太郎さん(9月3日 午前2時55分)
レベル5が出ている地域で、外が冠水していたり夜間だったりするときに取れる行動は次のとおりです。
- 建物の2階以上へ上がる(平屋なら屋根に近い高い場所へ)
- 崖や斜面から離れた側の部屋へ移る。がけの反対側にある部屋がいちばん安全
- 川からできるだけ離れた部屋へ移る
- すでに歩ける状態なら、水路や側溝が見えないので歩かない。冠水した道は側溝との境が消えます
- 車で移動しない。水深がドアの高さに届くと外から水圧がかかり、内側からドアが開かなくなります
この「その場で命を守る行動」は、避難をあきらめることではありません。移動そのものが危険になったときに、いまいる建物のなかで少しでも安全な場所へ動く、という意味です。明るくなって周囲の水が引いていて、安全な経路が見えているなら、避難所や親戚宅へ移動してかまいません。
雨が止んだ時間帯にも土砂災害は起きます。青森県内の11市町村ではレベル4土砂災害危険警報が続いていて、地震の影響で発表基準が引き下げられている市町村もあります。3日夕方までは、崖のそばの部屋で寝ないでください。
生活・仕事にどう効くか
- 住まい:瀬戸子川・飯詰川の周辺では床上・床下浸水が発生。五所川原市毘沙門では長富橋の上流300メートルで堤防が決壊し、ほかに3か所で決壊のおそれがある。
- 移動:県道青森五所川原線(青森市天田内〜五所川原市飯詰)と越水木造線が全面通行止め。五能線・津軽線・大湊線は3日午前中から夕方にかけて運転見合わせで、代行輸送はない。
- 土地の評価:氾濫した区間は今後の浸水想定区域の見直し対象になりうる。売買では重要事項説明で水害ハザードマップ上の位置を示す義務があり、実際の浸水履歴は買い手に必ず伝わる。
結局どうすればよいか
- 緊急安全確保が出ている地区にいるなら、川を渡らず建物の2階以上か崖の反対側の部屋へ移る
- あおもり防災ポータルと市町村の防災情報ページで、自分の地区が対象かを地区名で確認する
- 3日夕方までは崖のそばの部屋で寝ない。雨が止んでいても土砂災害の警戒レベル4は続いている
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 青森地方気象台「青森県気象解説情報(大雨・落雷・突風)」第5号(2026年9月3日発表)
- 気象庁 気象警報・注意報(R06)青森県(3日6時21分発表)(2026年9月3日発表)
- 青森市防災情報(2026年9月3日発表)
- あおもり防災ポータル(2026年9月3日発表)
- Yahoo!天気・災害 五所川原市の避難情報(2026年9月3日発表)
- JR東日本 東北エリアの運行情報(2026年9月3日発表)
- 青森みち情報(青森県管理道路 通行規制情報)(2026年9月3日発表)
- 東奥日報「五所川原市毘沙門地区で飯詰川氾濫」(2026年9月3日発表)
- 気象庁 アメダス(鰺ケ沢・五所川原・青森の10分値)(2026年9月3日発表)
更新履歴
- 2026年9月3日 3日午前10時時点の避難情報・警報・交通情報で初版を公開
※本記事は2026年9月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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