🗨️「ニュースで見た京都の「産廃の山」って、結局どこにあるの?」
京都市伏見区深草鞍ケ谷(ふかくさくらがたに)12番ほかです。京都市が7月28日に公表した行政処分の資料に、この住所がそのまま書かれています。8月31日の是正期限を過ぎた9月2日時点でも、高さは東側で約5メートル、西側で約7〜8メートル残っています。
[不動産] この記事の要点
2026年9月3日 発表
- 京都市伏見区深草・稲荷周辺に住んでいる人
- 家や土地を探していて、隣が空き地・資材置場になっている人
- 解体工事で出た産業廃棄物の保管場所を探している事業者
京都の「産廃の山」はどこにあるのか
テレビや新聞のニュースでは、現場は「伏見区の住宅街」までしか出てきません。町名まで書かれているのは、京都市が処分と同時に出した「廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく行政処分」(2026年7月28日公表)のほうです。まず、その資料と報道に出ている数字を並べます。
| 項目 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 所在地 | 京都市伏見区深草鞍ケ谷12番ほか(ふかくさくらがたに・〒612-0822) | 京都市の公表資料/日本郵便の郵便番号データ |
| 積まれているもの | 資材やコンクリート片などの産業廃棄物 | FNN(フジニュースネットワーク)プライムオンライン 2026年9月3日 |
| 高さ(ピーク) | 2026年6月時点で約11メートル | FNN 2026年9月3日 |
| 高さ(2026年9月2日) | 東側 約5メートル/西側 約7〜8メートル | FNN 2026年9月3日 |
| 命令の名宛人 | 有限会社東海テックス(本社:宇治市木幡金草原31番地)と同社代表取締役 | 京都市の公表資料 |
| 命令の根拠 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の5 | 京都市の公表資料 |
| 履行期限 | 2026年8月31日 | 京都市の公表資料 |
読みは「ふかくさくらがたに」、郵便番号は612-0822です。名神高速の東側、稲荷山のふもとにあたる一帯で、JR京都駅から南へおよそ4キロ、伏見稲荷大社から南へ約1キロの位置にあります。
ニュースで見たけど、うちの近くの話なのか分からなくて。
市の資料に町名まで載っています。深草地域の東の端で、稲荷山の斜面が住宅地に降りてくるあたりです。
屋根より高い…京都の住宅街に大量の産廃 市が指導も廃棄続くhttps://t.co/49X3nsQUIo
— 毎日新聞 (@mainichi) 2026年6月12日
京都市伏見区の住宅街の一角にある私有地に大量の産業廃棄物が積み上げられ、周辺住民を悩ませています。市はこの私有地を使用する業者に撤去を繰り返し求めているが、改善されていません。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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住民が「山」に気づいたのは2025年10月ごろ
関西テレビが2026年6月10日に出した特集では、近くに住む人が「私が知ったのが去年10月ぐらいだと思います」と話しています。同じ特集では、春に桜を撮った写真にはまだ何も写っていなかったという証言も紹介されました。FNNの9月3日の記事でも「2〜3年前にはなかったよね」という声が出ています。つまり、この山は数年かけて少しずつできたものではなく、1年足らずで住宅の3階建てを超える高さまで積み上がったことになります。
京都市の説明では、宇治市の業者が2年ほど前にこの土地で産業廃棄物を保管する届出を出していました。市は、実際に積まれている量が届け出られた量を明らかに超えていると指摘しています(関西テレビ2026年6月10日)。
現場を見た人の記録としては、伏見区選出の京都市会議員が6月に視察したときの投稿が残っています。
おはようございます。
— 平田けい 京都市会議員(伏見区選出) (@Khirata_0729) 2026年6月11日
一昨日ですが、地元・伏見区内で問題となっている産業廃棄物の堆積現場を視察しました。
住宅街の中に突如現れた“山”は、新聞やTV報道のとおり産業廃棄物が積み上げられたもの。現地では高さ・規模ともに想像以上で、周辺住民の皆さんが不安を感じるのも当然だと実感しました。… pic.twitter.com/qqswNw2Led
悪臭と粉じん 住民が訴えていること
FNNの取材に、近くの住民は「オイルの臭いというか、なんか生臭い臭いとか。(洗濯物を)外に干せない感じですね」と答えています(FNNプライムオンライン2026年9月3日)。関西テレビの特集では、乾いた日に砂ぼこりや土ぼこりが立って洗濯物が汚れるのではないか、という懸念も出ていました。
この2つ――においとほこり――は、住宅の隣で何かが始まったときに最初に生活へ出てくるものです。京都市が2026年8月7日に公表した「京都市における公害苦情の状況(令和7年度)」を見ると、その順番がそのまま数字になっています。
| 種類 | 令和7年度の苦情件数 | 構成比 | いちばん多い発生源 |
|---|---|---|---|
| 騒音 | 303件 | 53.3% | 工事・建設作業(40.3%) |
| 大気汚染(粉じんなど) | 113件 | 19.9% | 工事・建設作業(68.1%) |
| 悪臭 | 82件 | 14.4% | 飲食店営業(36.6%) |
| 水質汚濁 | 45件 | 7.9% | 発生源不明(46.7%) |
| 振動 | 16件 | 2.8% | ― |
| 合計 | 569件 | 100% | ― |
注目したいのは粉じん側です。京都市に届いた大気汚染の苦情113件のうち、68.1%が工事・建設作業から出ています。前の年度の69件から113件へ、1年で44件ふえました。市全体の苦情も388件から569件へ181件ふえています。においや音は「気のせいでは」と流されがちですが、京都市は受け付けた569件のうち94.6%を3日以内に現地調査へ動かしています。
においや粉じんで、家の中まで健康に影響が出ているということですか?
そこは分かれます。報道されているのは住民が不安や不便を訴えているところまでで、健康被害が出たという発表は京都市からも出ていません。
大雨で崩れないのか 京都市が命令の理由に書いたこと
京都市が措置命令の理由として資料に書いたのは、次の一文です。
上記1の被処分者による産業廃棄物の保管が、法に定める産業廃棄物処理基準に違反しており、当該産業廃棄物が崩落し、保管場所から流出することによる生活環境の保全上の支障が生じるおそれがあるため。
京都市「廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく行政処分」(2026年7月28日公表)
ここは読み方に気をつけたいところです。京都市が書いているのは「崩落した」でも「危険な状態にある」でもなく、崩落して流出するおそれがあるという段階の話です。実際、命令の中身も「撤去せよ」ではなく、保管の高さと囲いを法律の処理基準に合わせなさい、という形になっています。
その囲いについては、FNNが金属製の壁が廃棄物の重みでゆがみ、裂け目ができている場所があると伝えています。命令が高さと囲いの2つをセットにしているのは、この状態と対応しています。
そして、住民が6月の時点で「これからきつい雨やら降ったら、崩れてきたら大変なことなる」と話していた雨は、今週まさに京都へ来ています。気象庁は京都府南部で3日昼前から5日ごろにかけての大雨を予想し、多いところで24時間150ミリという数字を出しました。
これは「不法投棄」ではない 届出は出ていた
「産廃の山」と聞くと、夜中にこっそり捨てられた不法投棄を思い浮かべます。今回はそれとは別の話です。京都市が処分の根拠にしたのは廃棄物処理法第19条の5で、これは処理基準に合っていない保管を直させるための条文です。市が不法投棄と認定した事実は公表されていません。
解体工事などで出た産業廃棄物を、工事現場の外の土地に300平方メートル以上まとめて置く場合、事業者は自治体へ届出をします。許可ではなく届出なので、書類がそろっていれば保管は始められます。隣に住んでいる人に通知が届く仕組みにはなっていません。ある日突然、隣の空き地にダンプが入り始める、という形で始まるわけです。
| 段階 | 根拠 | 行政がすること |
|---|---|---|
| ①保管を始める | 廃棄物処理法 第12条第3項(事業場の外での保管の届出) | 届出を受理する(許可ではない) |
| ②基準に合っていない | 行政指導 | 文書などで是正を求める(法的な強制力はない) |
| ③支障のおそれがある | 廃棄物処理法 第19条の5(措置命令) | 期限を切って是正を命じる行政処分。今回はここ |
| ④命令に従わない | 廃棄物処理法 第19条の8(行政代執行)ほか | 行政が代わりに措置し、費用を事業者に請求する。刑事責任を問う道もある |
京都市がこの案件で①から③まで進むのに、住民が山に気づいてから1年近くかかっています。行政指導には従わせる力がないため、命令を出すには「支障が生じるおそれ」を市の側で固める必要があるからです。
8月31日の期限を過ぎて、山はどうなったか
まず、何も動いていないわけではありません。ピーク時に約11メートルあった高さは、9月2日時点で東側が約5メートル、西側が約7〜8メートルまで下がりました。重機の作業も続いています。事業者はFNNの取材に「真摯に受け止めて是正作業はやります」と答えています。
それでも京都市は、まだ是正の内容が足りないという立場です。市はFNNに対し、業者への指導を続けると説明しました。命令が求めているのは高さと囲いを処理基準に合わせることなので、高さが下がっただけでは履行したことにならないという整理になります。
期限を過ぎているのに、まだ終わっていないんですね。
この手の事案は「命令=解決」になりにくいんです。全国の数字を見ると、その理由が分かります。
命令が出ても片付かない事案は、全国に2,920件ある
環境省が2025年12月19日に公表した「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和6年度)」によると、その年度に新しく判明した不適正処理は113件・6.0万トンでした。夜中に捨てる不法投棄(106件・1.4万トン)とは別枠で、今回の京都のケースはこちらの側に近い性質の事案です。件数は投棄より多く、量は4倍以上あります。
さらに効くのが残っている数のほうです。令和6年度末の時点で、まだ片付いていない残存事案は2,920件・999.1万トン。前の年度より44件ふえました。そのうち現に支障が生じているとされたのは7件、支障のおそれがあるとされたのが76件です。住民が「そらもう早いこと、無くしてもらいたい」と言っても、そう進まないのが全国の実情になります。
改善されなければ次に何が起きるのか
京都市長は2026年7月16日の記者会見で、この案件についてこう述べています。市の公式記録に残っている発言です。
正直私が直前に得た情報で言うと、十分な是正が行われていません。
行政命令が履行されない場合は、刑事責任の追及も含めて考えていかなければいけないと思っております。
京都市「市長記者会見(2026年7月16日)」より
行政代執行についても記者から質問が出ましたが、市長は「まだ今の時点で言えば、そんなふうに言ってしまうと、事業者が放棄されても困ります」と答え、まずは事業者の責任で処理させる姿勢を示しました。行政代執行は、命令に従わない場合などに一定の手続きを経て行政側が必要な措置を実施し、その費用を事業者に請求する制度です。京都市が行政代執行や刑事告発を決めたという発表はありません。
家を買う・借りる前に、隣の土地を見る5つのこと
ここからは、京都以外に住んでいる人にも関係する話です。今回のように、隣の土地の使われ方は届出だけで変わります。建物の内見は入念にするのに、隣地は「空き地だな」で終わらせてしまうのがいちばん危ないところです。

現地で見ておきたいのは次の5つです。
- 隣接地と向かいの土地が今どう使われているか(空き地・資材置場・工場・車庫)
- 大型車の出入りの跡(門扉の幅、路面のわだち、タイヤ痕の泥)
- においと音(窓を開けて1分立ち止まる。風下側で確かめる)
- 敷地の高低差と水の流れ(雨のあとに、水がどちらへ流れた跡があるか)
- 囲い・フェンスの状態(ゆがみ、たわみ、あとから足された壁)
そして、1回で判断しないことです。資材置場や工場の出入りは平日の朝と夕方に集中し、休日は静かなことがあります。においは風向きと気温で変わり、乾いた日と雨上がりでも違います。平日と休日、昼と夕方の最低2回は同じ場所に立ってみてください。
気になる動きが始まったときの窓口は、市区町村や都道府県の廃棄物担当課です。京都市なら環境政策局 循環型社会推進部 廃棄物指導課(075-222-3957)が担当しています。公害のにおい・粉じん・騒音は環境部局が別に受け付けていて、京都市では受け付けた苦情の94.6%が3日以内に現地調査へ回っています。黙って様子を見るより、件数として残したほうが動きます。
まとめ
- 場所は京都市伏見区深草鞍ケ谷(ふかくさくらがたに)12番ほか。京都市が公表資料に書いている
- 高さは2026年6月時点で約11メートル、9月2日時点で東側約5メートル・西側約7〜8メートル
- 京都市は7月27日付で措置命令。根拠は廃棄物処理法第19条の5で、不法投棄の認定ではない
- 履行期限の8月31日を過ぎても作業は続いており、京都市は是正の内容が不十分としている
- 命令の理由は「崩落し、保管場所から流出することによる生活環境の保全上の支障が生じるおそれ」
- 京都府南部は3日から5日ごろにかけて大雨の予想。住民が心配していた雨が今週来ている
生活・仕事にどう効くか
- 毎日の洗濯と換気:住民は「オイルの臭いというか、なんか生臭い臭い」で洗濯物を外に干しにくいと訴えている。京都市に届く大気汚染の苦情113件のうち68.1%は工事・建設作業由来で、粉じんは住宅地で最も出やすい苦情。
- 大雨のとき:京都府南部は9月3日昼前から5日ごろにかけて大雨の予想で、24時間150ミリの見込み。京都市は措置命令の理由に「崩落し、保管場所から流出することによる生活環境の保全上の支障が生じるおそれ」を挙げている。
- 家を探すとき:事業場の外での産業廃棄物の保管は300平方メートル以上でも届出制で、隣地に通知は届かない。内見のときに隣接地の使われ方・大型車の出入り・においを自分で見るしかない。
結局どうすればよいか
- 京都市の公表資料(2026年7月28日)で、所在地と命令の内容を自分で確かめる
- 隣の土地で似た動きが始まったら、市区町村の廃棄物担当課へ連絡する(京都市は廃棄物指導課 075-222-3957)
- 家を買う・借りる前に、隣接地を平日と休日・昼と夕方の最低2回見る
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ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 京都市「廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく行政処分」(2026年7月28日発表)
- 京都市「市長記者会見(2026年7月16日)」(2026年7月16日発表)
- 京都市「京都市における公害苦情の状況(令和7年度)」(2026年8月7日発表)
- 環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和6年度)について」(2025年12月19日発表)
- FNNプライムオンライン「「なんやあれ?」京都市の住宅街に“謎の山”の正体は「産業廃棄物」」(2026年9月3日発表)
- 関西テレビ「京都に現れた「産廃の山」 3階建てマンションよりも高く…」(2026年6月10日発表)
更新履歴
- 2026年9月3日 初版を公開
※本記事は2026年9月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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