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IT重説と書面電子化の違いとは?不動産会社が整える承諾・事前確認・保存手順

オンラインで重要事項説明を行い宅建士証を提示する不動産担当者のイラスト

「オンラインで重要事項説明をしたから、契約書類も自動的に電子化できる」と考えていないでしょうか。IT重説は説明方法、書面電子化は34条の2・35条・37条書面の提供方法に関する仕組みで、別々に要件を確認する必要があります。

実務の結論

  • IT重説と書面電子化は、組み合わせても別々に実施しても構いません。
  • 書面電子化には、提供方法とファイル形式を示したうえで相手方の承諾を得る必要があります。
  • IT重説では、双方向の映像・音声、書面の事前送付、開始前の環境確認、宅建士証の画面提示が重要です。
  • 通信や閲覧トラブルを解消できない場合は中止し、対面や紙の書面へ切り替えます。
双方向のオンライン重要事項説明と電子書面の安全な提供の違いを示すイラスト
IT重説は説明方法、書面電子化は書類の提供方法です。
目次

IT重説と書面電子化の違い

IT重説書面電子化
目的重要事項説明をテレビ会議等で行う法定書面をメール、ダウンロード等で提供する
主な対象35条の重要事項説明34条の2、35条、37条書面
重要な要件双方向通信、事前送付、環境確認、宅建士証提示相手方の承諾、出力可能性、改変防止、宅建士の記名など
組み合わせ電子書面+対面説明、紙書面+IT重説も可能

賃貸取引のIT重説は2017年10月、売買取引は2021年3月から本格運用されています。書面電子化は2022年5月18日から法令上実施可能になりました。現在は国土交通省の2024年12月版実施マニュアルが公開されています。

書面電子化で先に行う承諾手続

電子書面を提供する前に、相手方が利用予定のソフトウェアや端末に対応できるかを確認します。そのうえで、電子書面の提供方法とファイル形式・バージョン等を示し、電子提供を受けることについて承諾を得ます。

  • メール等による提供
  • Webページからのダウンロード
  • 電子書面を記録したCD-ROMやUSBメモリ等の交付

承諾は紙、電子メール、Web上の同意など、紙に出力可能な形で取得します。提供方法やファイル形式を変更した場合は、変更後の内容で改めて承諾が必要です。相手方が電子提供を拒否した場合、電子書面で提供してはいけません。

電子書面が満たす要件

  • 相手方が出力して紙の書面を作成できる
  • 電子書面が改変されていないか確認できる措置がある
  • 35条・37条書面では提供を行う宅建士が記名されている
  • 変換後に文字化け、欠落、表や図面の不鮮明さがない
  • 別紙参照の添付書類も本体と同様の要件を満たす

電子署名だけが唯一の改変防止措置ではありません。採用する方法について、国土交通省マニュアルと自社システムの仕様を照合し、相手方へ確認方法と保存方法を説明します。

IT重説の実施フロー

IT環境確認、承諾、書面送付、オンライン説明、記録保存までのIT重説と電子書面の流れ
承諾、事前送付、説明、保存を担当者別に切らず、一つの案件記録として管理します。
  1. 意向とIT環境を確認:端末、OS、ソフト、映像・音声、文書閲覧の可否を確認します。
  2. 電子提供の承諾を取得:提供方法とファイル形式を示し、承諾記録を保存します。
  3. 重要事項説明書を事前送付:相手方が書面を見ながら説明を受けられる状態にします。
  4. 開始前テスト:双方が映像・音声を確認し、質問できる双方向環境か確かめます。
  5. 宅建士証を提示:画面上で相手方が視認できたことを確認して説明します。
  6. 終了後に記録:提供日時、承諾、使用ファイル、トラブルの有無、対応内容を案件フォルダへ保存します。

中止・切替基準を決めておく

通信、書面閲覧、本人確認、質問対応、紙への切替、保存を確認するIT重説チェックリストのイラスト
「つながったから開始」ではなく、説明を理解できる環境かを確認します。

音声が途切れる、書面が開けない、宅建士証が見えない、相手方が質問できない状態では、そのまま進めません。再接続や別端末で解消できなければ中止し、別日、対面、紙書面などへ切り替えます。現場担当者が無理に続けないよう、社内チェックリストと責任者への連絡基準を用意しましょう。

よくあるミス

  • 「オンライン希望」の一言だけで電子書面の承諾を得たことにする
  • 提供方法とファイル形式を説明せず同意を取る
  • 重要事項説明書を直前に送り、相手方が開けるか確認しない
  • 宅建士証を一瞬映すだけで視認確認をしない
  • PDF変換で図面や小さい文字が読めなくなっている
  • 電子書面の保存方法、改変確認方法を説明しない

よくある質問

IT重説なら重要事項説明書も電子で送る必要がありますか?

必須ではありません。紙の重要事項説明書を事前送付してIT重説を行うこともできます。

電子書面なら説明もオンラインにする必要がありますか?

ありません。電子書面を提供し、重要事項説明は対面で行う組み合わせも可能です。

スマートフォンだけでも実施できますか?

端末の指定はありませんが、小さい画面では書面や署名パネルを確認しにくい場合があります。相手方が内容を十分に確認できる環境かを事前に確認します。

まとめ

IT重説と書面電子化は、便利さだけでなく「相手方が理解・保存・確認できること」を支える仕組みです。両制度を分けて理解し、承諾、環境確認、事前送付、宅建士証提示、改変防止、トラブル時の中止を標準手順にしましょう。個人情報を含む書面の取扱いは、送付先確認とアクセス権管理も別途徹底してください。

参考資料

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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