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雨の日の、お迎え。

高校時代、ルーズソックスのひーちゃんと友達3人。駅の駐輪場でない所に置いた自転車が撤去され、雨の中で困っている。
保管所は、もう何年も前に廃校になった学校の元体育館。長い公園の道の途中、遠いベンチ脇に男の子が立つ。
無言のコマ。雨の公園で男の子が1人ぽつんと立っている。青い傘をさし、もう1本の黄色い閉じた傘を持っている。
男の子へ近づき、前のめりで大丈夫かとたずねるひーちゃん。男の子はお母さんを待っていると答える。
手前の男の子を残し、4人は公園の道の奥の体育館へ歩いて行く。ひーちゃんが振り返りバイバイ。
体育館で、手前のひーちゃんと奥の友達が、それぞれ別の自転車の列を探す。私の、どれー。
返却受付のおっちゃんと支払皿を前に、財布を見るひーちゃん。お金ない、立て替えてや、と友達に頼み、お団子の友達はおっちゃんへマケてや。
ようやく自転車を取り戻し、体育館から4人が前後にずれて歩いて出る。ひーちゃんが大きく手前、友達が奥。
帰り道を逆向きに見る。手前のひーちゃん越しに、遠い同じベンチ横の男の子へ気づく。雨が強まっている。
斜めからの近い構図。ひーちゃんが自転車を止めて前のめりになり、寒いやろ、大丈夫、送っていこか、と男の子へ声をかける。
ひーちゃんの考える顔の寄り。家を聞くと怖がるかもしれない。学校がわかれば先生に頼めるかも。
ひーちゃんの肩越しに男の子を見る。キミ、どこの学校。
暗い雨と廃校の校舎を背に、目元に傘の陰が落ちた少年が、ここ、と静かに答える。
ひーちゃんを大きく手前、友達を奥へずらし、4人が一瞬、無言で硬直する。
完全無言の引き。少年にいちばん近い先頭はピンク傘のひーちゃん。その後ろに黒ボブの緑傘、茶直毛の紫傘、お団子のクリーム傘が、自転車を持って続く後ろ姿。奥の小さな少年と廃校の校舎全体が映る。
4人が自転車を押して悲鳴を上げて逃げる。手前のひーちゃんだけ、波打つ白目と鼻水の情けない顔。友達3人の顔と身体、自転車は元の絵を保持。
暗い雨の公園、少年の後ろ姿。あの子は、今も…お母さんを待っているんやろか。