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土砂災害警戒区域とは?家は建てられる?レッド・イエローの違い

斜面近くの住宅地に土砂災害の警戒区域を重ねたイメージ

家や土地を探していて、ハザードマップに黄色や赤色がついているのを見つけると、「ここに住んでも大丈夫?」「家は建てられないの?」と不安になりますよね。

けれども、色がついているから即ダメ、というわけではありません。まず確認したいのは、その色が何を表し、対象地にどのような注意点や制限があるのかです。

健康診断の結果を見たとき、数値だけで絶望するのではなく、数値の意味や生活上の注意点を確認するのと少し似ています。土砂災害の区域も、意味を知り、現地の条件や避難方法まで一つずつ確認することが大切です。

この記事では、土砂災害警戒区域、イエローゾーン、レッドゾーンの違いを、不動産の知識がない方にもわかりやすく解説します。住宅購入・売却・住み替え・賃貸探しで確認したいポイントもまとめました。

この記事でわかること

  • 土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域の意味
  • イエローゾーンとレッドゾーンの違い
  • 区域内に家を建てられるのか
  • 購入・売却・賃貸の前に確認したいこと
  • ハザードマップの基本的な見方
目次

目次

  1. 土砂災害警戒区域とは?
  2. イエローゾーンとレッドゾーンの違い
  3. 土砂災害警戒区域に家は建てられるの?
  4. 購入・売却・住み替え・賃貸で確認したいポイント
  5. ハザードマップはどう見ればいい?
  6. 不安を整理する確認チェックリスト
  7. よくある質問
  8. まとめ

土砂災害警戒区域とは?

土砂災害警戒区域とは、土砂災害が発生した場合に、住民の生命や身体に危害が生じるおそれがあるとして、都道府県が指定する区域です。土砂災害防止法に基づいて指定されます。

一般に「イエローゾーン」と呼ばれ、危険を住民に知らせること、市町村が警戒・避難体制を整えることなどが中心になります。

簡単にいうと、警戒区域は信号でいう「注意して確認しましょう」というサインに近いものです。ただし、信号そのものではなく、災害リスクを示す区域なので、実際には避難場所や建物の状況まで具体的に確かめる必要があります。

対象になる3つの土砂災害

土石流・地すべり・急傾斜地の崩壊を比較した3分割イラスト
土砂災害警戒区域の対象となる主な3種類(イメージ図)

土砂災害警戒区域の対象は、主に次の3種類です。

  • 急傾斜地の崩壊(がけ崩れ):急ながけが崩れ、土砂や岩が落ちてくる現象
  • 土石流:大雨などで、谷や川の土砂・石が水と一緒に一気に流れ下る現象
  • 地すべり:斜面の一部が、まとまったまま比較的ゆっくり動く現象

同じ「黄色」でも、がけ崩れなのか土石流なのかによって、注意する方向や避難の考え方が変わります。色だけでなく、災害の種類まで確認しましょう。

「指定されている=絶対に住めない」ではない

区域に指定されていても、そこに住宅があり、人が暮らしているケースはあります。指定は「居住禁止」の表示ではありません。

一方で、「住める」と「リスクを気にしなくてよい」は別の話です。次のような点を確認し、受け入れられるリスクかを考える必要があります。

  • 敷地のどこまで区域に入っているか
  • 想定される災害が、がけ崩れ・土石流・地すべりのどれか
  • 建物の位置や構造
  • 擁壁や砂防施設などの状況
  • 避難場所、避難経路、避難にかかる時間
  • 高齢者、乳幼児、ペットなど家族の事情

イエローゾーンとレッドゾーンの違い

斜面近くの住宅地に黄色と赤色の区域を重ねたイメージ図
黄色の警戒区域と赤色の特別警戒区域の広がりを表したイメージ図。実際の区域は自治体の資料で確認してください。

土砂災害に関する区域には、大きく分けて黄色と赤色があります。最も大切な違いは、想定される被害の程度と、法律上の規制の重さです。

イエローゾーンとは

イエローゾーンは、正式には土砂災害警戒区域です。

土砂災害が起きたときに、住民の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域で、危険の周知や警戒避難体制の整備が進められます。

土砂災害防止法上、イエローゾーンであることだけを理由に、住宅の建築が全国一律に禁止されるわけではありません。ただし、別の法律や自治体の条例、造成・がけ・接道などの条件による制限がかかることはあります。

レッドゾーンとは

レッドゾーンは、正式には土砂災害特別警戒区域です。イエローゾーンのうち、土砂災害が起きた場合に建物が壊れ、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域です。

そのため、危険の周知や避難体制に加えて、次のような規制があります。

  • 住宅宅地の分譲や、社会福祉施設・学校・医療施設などのために行う一定の開発行為は、都道府県知事の許可が必要
  • 居室のある建築物には、土石などの力に耐えられるよう構造上の基準が適用される
  • 対象となる建築では、都市計画区域外でも建築確認が必要になる場合がある
  • 安全性が十分でない既存建築物に、移転などの勧告が行われる場合がある

つまり、レッドゾーンも全国一律の「居住禁止区域」ではありませんが、イエローゾーンより慎重な確認が必要です。新築や建て替えを考えている場合は、購入を決める前に自治体の建築担当窓口や建築士へ相談しましょう。

違いを表で比較

比較項目イエローゾーンレッドゾーン
正式名称土砂災害警戒区域土砂災害特別警戒区域
区域の考え方生命・身体に危害が生じるおそれ建物が損壊し、生命・身体に著しい危害が生じるおそれ
主な対策危険の周知、ハザードマップ、警戒避難体制の整備左記に加え、一定の開発許可や建物の構造規制など
家を建てられるか区域指定だけで一律禁止ではない一律禁止ではないが、構造基準や許可などの確認が必要
取引時区域内である旨が重要事項説明の対象区域内である旨や関係する規制を特に慎重に確認
確認先自治体、不動産会社など自治体、不動産会社、建築士など

ひとことで整理

黄色は「土砂災害に備え、避難方法を確認する区域」。赤色は「さらに、建物や開発にも具体的な安全対策が求められる区域」です。

土砂災害警戒区域に家は建てられるの?

結論からいうと、区域内だからという理由だけで、すべての家が建てられないわけではありません。ただし、イエローゾーンとレッドゾーンでは確認内容が異なります。

イエローゾーンの場合

土砂災害防止法では、イエローゾーン内の一般住宅に対して、区域指定だけを理由とする全国一律の建築禁止や構造規制は設けられていません。

ただし、次のような別の条件で建築が制限される場合があります。

  • 建築基準法に基づく災害危険区域
  • 自治体のがけ条例
  • 都市計画法や盛土規制法などに関する許可
  • 接道、用途地域、擁壁の安全性
  • 宅地造成や開発に関する基準

「黄色だから建てられる」と地図だけで判断せず、自治体の建築指導担当に、地番・計画建物・造成の有無を伝えて確認するのが安心です。

レッドゾーンの場合

レッドゾーンでは、居室のある建物について、想定される土石などの力に耐えるための構造が求められます。たとえば、外壁や基礎を強くする、土砂が来る側に居室を配置しない、防護壁を設けるなど、敷地ごとの検討が必要になることがあります。

また、住宅宅地の分譲を目的とする一定の開発行為などは許可制です。個人が1戸建てを建てる場合でも、造成内容や計画によって関係する手続きが変わるため、自己判断は避けましょう。

構造対策や造成工事が必要になると、建築費や設計期間に影響する可能性もあります。購入前に建築士や施工会社へ相談し、「建てられるか」だけでなく、どのような対策が必要で、費用がどの程度変わるかまで確認することが大切です。

区域以外の規制も確認する

「土砂災害警戒区域」と、建築基準法に基づき自治体が指定する「災害危険区域」は別の制度です。このほか、急傾斜地崩壊危険区域、砂防指定地、地すべり防止区域などが重なっていることもあります。

ハザードマップの色だけでは、建築の可否を最終判断できません。必ず最新の指定図と、関係する法令・条例を確認してください。

購入・売却・住み替え・賃貸で確認したいポイント

土地・住宅を購入するとき

購入を検討する際は、価格や間取りと一緒に、次の項目を確認しましょう。

  1. 区域の種類と境界
    敷地全体か一部か、建物部分が区域に入るかを指定図で確認します。
  2. 土砂災害の種類
    がけ崩れ、土石流、地すべりのどれが想定されるかを見ます。
  3. 建築・造成の可否と条件
    建て替えや増改築も含め、自治体の担当窓口へ確認します。
  4. 建物と擁壁の状態
    中古住宅では、構造、基礎、擁壁、排水設備、過去の補修履歴などを確認します。
  5. 過去の災害・避難情報
    自治体の記録、地域の防災情報、売主からの告知などを確認します。
  6. 避難のしやすさ
    避難場所まで実際に歩き、夜間や大雨時にも使える道かを考えます。
  7. 資金面への影響
    住宅ローン、火災保険・地震保険の補償範囲、将来の売却可能性について各事業者へ確認します。

不動産会社が仲介する売買・賃貸などでは、対象となる宅地や建物が土砂災害警戒区域内にある場合、その旨は契約前の重要事項説明の対象です。ただし、説明を受けるまで待つのではなく、検討の早い段階で質問するほうが比較しやすくなります。

不動産会社への質問例

「敷地と建物は、イエローゾーン・レッドゾーンのどちらに、どの範囲まで入っていますか?」
「新築・建て替え・増築には、どのような許可や構造条件がありますか?」
「指定図、自治体の回答、過去の災害履歴を確認できる資料はありますか?」

売却するとき

区域内の不動産でも、売却そのものが一律に禁止されるわけではありません。ただし、買主にとって重要な判断材料になるため、区域の種類や判明している制限を正確に伝えることが大切です。

まずは最新の指定状況を確認し、購入時の重要事項説明書、建築確認関係書類、擁壁や防災工事の資料、修繕記録などをそろえましょう。過去に土砂の流入や避難、擁壁の損傷などがあった場合は、不動産会社に隠さず相談してください。

売り出し価格や売却期間への影響は、立地、建物の状態、対策工事、地域の需要などによって異なります。「区域内だから売れない」と決めつけず、災害リスクのある物件の取扱経験がある不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。

賃貸住宅を探すとき

賃貸は建物を所有しないため、購入より確認を軽く考えがちです。しかし、実際に避難するのは入居者です。

  • 寝室ががけ側にないか
  • 何階に住むか
  • 大雨時に使える避難経路があるか
  • 管理会社から避難に関する案内があるか
  • 夜間や子ども連れでも避難できるか

内見時には周囲の地形も見ましょう。晴れた日の室内だけでなく、建物の裏側、がけ、谷、水路、擁壁、避難場所までの道を見ると、暮らしを具体的にイメージできます。

ハザードマップはどう見ればいい?

パソコンとスマートフォンでハザードマップを確認する人のイラスト
住所・区域・避難経路を、複数の端末と自治体資料で確認するイメージ

国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」では、住所から災害リスクを検索できます。「重ねるハザードマップ」で広い範囲を見たあと、「わがまちハザードマップ」から市区町村の最新情報を確認する方法が便利です。

5つの手順で確認する

  1. 住所を検索する
    候補物件だけでなく、駅、学校、職場、実家なども確認します。
  2. 「土砂災害」を表示する
    黄色・赤色の有無と凡例を見ます。色の意味は必ずその地図の凡例で確かめます。
  3. 地点ではなく周辺も見る
    自宅が区域外でも、避難経路や前面道路が区域内ということがあります。
  4. 市区町村のハザードマップと指定図を見る
    国の地図への反映に時間がかかる場合があるため、自治体の最新情報と照合します。
  5. 避難情報まで確認する
    避難場所、避難経路、自治体の防災メール、警戒レベルごとの行動を家族で共有します。

ここが大切

ハザードマップは、土地を選ぶためだけの地図ではありません。住み始めたあと、「いつ、どこへ、どう逃げるか」を考えるための地図でもあります。

地図に色がない場所も「安全確定」ではない

地図上で色がついていない場所でも、災害が絶対に起きないとは限りません。区域は一定の基準と調査に基づいて指定されますが、想定を超える雨、地形の変化、未指定・調査中の場所などもあり得ます。

また、地図の更新時期や縮尺によって、敷地境界を細かく判断できないことがあります。売買や建築の判断では、画面の見た目だけに頼らず、都道府県・市区町村が公表する指定図や窓口で確認しましょう。

不安を整理する確認チェックリスト

候補の家や土地に色がついていたら、次の順に確認してみましょう。

  • [ ] イエローゾーンかレッドゾーンか
  • [ ] 災害の種類は、がけ崩れ・土石流・地すべりのどれか
  • [ ] 敷地・建物・道路のどの部分が区域内か
  • [ ] 自治体の地図は最新か、指定予定や調査中ではないか
  • [ ] 新築・建て替え・増改築・造成に必要な許可や構造条件は何か
  • [ ] 擁壁や防災施設の所有者、状態、維持管理はどうなっているか
  • [ ] 過去の災害や修繕の記録はあるか
  • [ ] 避難場所と安全な避難経路を確認したか
  • [ ] 家族構成に合った避難ができるか
  • [ ] 住宅ローンや保険について個別に確認したか
  • [ ] 重要事項説明の内容を契約前に理解できたか

全部を一人で判断する必要はありません。区域の指定は自治体、建築条件は自治体や建築士、取引条件は宅地建物取引士、ローンや保険は各事業者へ確認すると、疑問を切り分けやすくなります。

よくある質問

Q. 土砂災害警戒区域に指定された家には住めませんか?

いいえ、指定だけで一律に居住禁止になるわけではありません。ただし、災害リスクがあることを理解し、建物の状態、避難場所、避難経路、家族の避難方法を確認する必要があります。

Q. イエローゾーンなら安全ですか?

イエローゾーンも、土砂災害によって生命や身体に危害が生じるおそれがある区域です。レッドゾーンより規制が軽いことと、災害リスクがないことは同じではありません。

Q. レッドゾーンに家は建てられますか?

一律に禁止されているわけではありませんが、建物の構造基準や、計画によって開発許可・建築確認などが関係します。敷地や建築計画によって結論が変わるため、購入・設計前に自治体と建築士へ確認してください。

Q. 区域内の不動産は売却できますか?

売却自体が一律に禁止されるわけではありません。指定状況や既知のリスク、関係する制限を正確に伝え、資料をそろえることが重要です。価格や売却期間への影響は物件ごとに異なります。

Q. 重要事項説明では何を確認すればよいですか?

区域内かどうかだけでなく、区域の種類、敷地内の範囲、災害の種類、建築・開発に関する条件、自治体資料の基準日を確認しましょう。分からない言葉は、その場で説明を求めて構いません。

Q. ハザードマップで色がなければ安全ですか?

色がないことは「災害が絶対に起きない」という保証ではありません。周辺地形、未指定・調査中の区域、別の災害リスクも確認し、自治体の最新情報と照合しましょう。

Q. 区域の指定は解除されることがありますか?

対策工事の実施や地形・調査結果の変化などにより、区域が変更・解除される場合はあります。ただし、予定や時期を自己判断せず、都道府県や市区町村へ確認してください。

まとめ|色だけで決めず、内容を確認して判断しよう

土砂災害警戒区域は、土砂災害による危険を知り、避難に備えるための区域です。

  • イエローゾーンは「土砂災害警戒区域」
  • レッドゾーンは、より大きな被害が想定される「土砂災害特別警戒区域」
  • 指定されているからといって、絶対に住めない・売れないとは限らない
  • レッドゾーンでは、一定の開発許可や建物の構造規制などを確認する
  • 購入・売却・賃貸では、地図の色だけでなく区域の範囲、災害の種類、建物、避難方法まで見る

大切なのは、「黄色や赤色だから怖い」と止まってしまうことではなく、何が想定され、どのような備えが必要かを具体的にすることです。

まずはハザードマップと自治体の最新資料で調べ、判断に迷う場合は自治体、不動産会社、宅地建物取引士、建築士などに相談しましょう。事実を一つずつ確認すると、不安を「次に確認すること」へ変えられます。

参考にした公的情報

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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