「老後のお金は自分で守る時代」と言われるようになり、特に女性やシングル世帯にとって、老後資金の不安はより現実的な問題です。
平均寿命が長い女性は、老後期間が20年〜30年に及ぶケースも珍しくありません。その中で、退職金とiDeCoをどう受け取るかは、老後の安心度を大きく左右します。
本記事では、女性・シングル世帯の視点から、退職金の税金の基本と、iDeCo併用時に「損しないための考え方」をわかりやすく解説します。
① 女性・シングル世帯ほど「退職金の受け取り方」が重要な理由
女性やシングル世帯は、以下のような特徴を持つことが多いです。
・現役時代の収入が比較的低め
・厚生年金額が少なめになりやすい
・老後を一人で支える期間が長い
・突発的な医療費・介護費を自分で負担する可能性が高い
このため、退職金を「何となく一時金で受け取る」「会社に言われるまま選ぶ」といった対応は非常に危険です。
税金を抑えつつ、老後資金を長く・安定して使える形で受け取ることが重要になります。
② 退職金は税金が優遇されているお金
退職金は、長年の勤務に対する後払い給与という位置づけのため、税制上の優遇措置が設けられています。
最大のポイントは「退職所得控除」です。
この控除のおかげで、同じ金額を給与でもらうより、退職金として受け取った方が、税金は圧倒的に少なくなります。
③ 退職所得控除の仕組みを知っておこう
退職所得控除は、勤続年数によって決まります。
【勤続20年以下】
40万円 × 勤続年数(最低80万円)
【勤続20年超】
800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
たとえば、勤続30年の女性の場合、
800万円+70万円×10年=1,500万円
これが退職所得控除額です。
④ 実際の退職金の税金計算イメージ
退職金が2,000万円、退職所得控除が1,500万円の場合、
(2,000万円 − 1,500万円)×1/2=250万円
この250万円に対してのみ、所得税と住民税がかかります。
「半分課税」になる点も、退職金が有利と言われる理由です。
⑤ 女性に多い「退職金が少なめ」ケースの考え方
女性の場合、非正規雇用期間があったり、転職回数が多かったりして、
「思ったより退職金が少ない」というケースも珍しくありません。
しかし、退職金が少ない場合ほど、
・税金を最小限に抑える
・一気に使い切らない
という視点が重要になります。
一時金で全額受け取ってしまい、数年で減ってしまうと、その後の生活が苦しくなりがちです。
⑥ iDeCoは女性・シングル世帯の強い味方
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、女性やシングル世帯にとって非常に相性の良い制度です。
・掛金が全額所得控除
・運用益が非課税
・受取時も税制優遇あり
特に、現役時代に節税しながら老後資金を積み立てられる点は、将来の安心につながります。
⑦ 退職金とiDeCo併用時の「落とし穴」
注意すべきなのが、退職金とiDeCoを両方一時金で受け取る場合です。
受け取り時期が近いと、
退職所得控除を十分に使えず、iDeCoの一時金に思った以上の税金がかかることがあります。
「退職金で控除を使い切り、iDeCoがほぼ課税対象になる」
これは実際によくある失敗例です。
⑧ シングル世帯におすすめの受け取り方の考え方
女性・シングル世帯の場合、
・退職金:一時金
・iDeCo:年金受取
という組み合わせが向いているケースが多くあります。
iDeCoを年金形式で受け取ることで、公的年金等控除が使え、
毎年の税負担を抑えながら、安定した収入を確保できます。
「長生きリスク」に備える意味でも、有効な選択肢です。
⑨ 老後に必要なお金は「生活費+ゆとり費+備え」
老後資金を考える際は、
・最低限の生活費
・楽しみや趣味のためのお金
・医療費・介護費の備え
この3つを分けて考えると整理しやすくなります。
退職金を「備え」として残し、
iDeCo年金を「毎月の生活費」に充てる、という考え方もおすすめです。
⑩ まとめ:女性こそ「受け取り戦略」で差がつく
退職金とiDeCoは、金額そのものよりも受け取り方で差が出ます。
特に女性・シングル世帯は、
「税金」「受取時期」「資金の持ち方」を意識することで、老後の安心感が大きく変わります。
知らないまま選ぶのではなく、
「自分はどう生きたいか」「どんな老後を送りたいか」
そこから逆算して受け取り方を考えることが、最大の節税であり、最大の老後対策です。


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