将来のライフプランを立てる上で、大きな柱となるのが「退職金」です。
「公務員は退職金が多くて安泰」というイメージがある一方で、最近では「民間企業(大手)とそれほど変わらない」という声も聞かれます。
今回は、公務員と会社員の退職金事情について、最新の統計データに基づいた「正しい現状」を解説します。
【公務員vs会社員】退職金の実態比較
結論から言うと、「平均額」だけで見れば公務員と大企業の会社員に大差はありません。 しかし、制度の「確実性」や「企業の規模による格差」において、両者には決定的な違いがあります。
1. 公務員の退職金:平均額と「100%支給」の真相
公務員の退職金は、法律や条例に基づいて厳格に定められています。
平均支給額(定年退職の場合)
- 国家公務員(常勤職員): 約2,100万円〜2,150万円
- 地方公務員(全職種平均): 約2,000万円〜2,100万円
- ※内閣官房「国家公務員退職手当実態調査」および総務省「地方公務員給与実態調査」参照
「100%支給」と言われる理由
公務員の場合、民間企業のような「業績悪化によるカット」や「倒産による未払い」が実質的にありません。懲戒免職などの例外を除き、規定の勤続年数を満たせば、計算式通りの金額が必ず支給されるという点が、会社員との最大の違いです。
2. 会社員の退職金:格差と「制度の有無」が鍵
会社員の退職金は、法律で支払いが義務付けられているわけではなく、あくまで「企業の福利厚生」の一環です。
平均支給額(定年退職・大卒の場合)
- 大企業(従業員1,000人以上): 約1,900万円〜2,200万円
- 中小企業: 約1,000万円〜1,200万円
- ※厚生労働省「就労条件総合調査」参照
民間企業で「退職金制度がある」割合
すべての会社に退職金があるわけではありません。厚生労働省の調査によると、退職金制度がある企業の割合は**全体で約70%〜80%**です。
- 1,000人以上の企業: 約90%以上が導入
- 30〜99人の企業: 約70%程度が導入
注意点: 近年、民間企業では「退職一時金」を廃止し、**確定拠出年金(企業型DC)**へ移行するケースが増えています。この場合、運用成績次第で受け取り額が変動するため、「将来いくらもらえるか確定していない」という不安定さがあります。
3. 【比較まとめ】結局どっちが「多い」のか?
現在の数値を比較すると、以下のようになります。
| 項目 | 公務員 | 会社員(大企業) | 会社員(中小企業) |
| 平均額(定年時) | 約2,100万円 | 約2,000万円 | 約1,100万円 |
| 支給の確実性 | 極めて高い(100%) | 企業の業績に依存 | 低い(制度がない場合も) |
| 制度の形態 | 法定の退職手当 | 一時金・企業年金・DC | 一時金・中退共など |
比較のポイント
- トップ層との比較: 外資系や超大手企業の一部では、公務員を遥かに凌ぐ(3,000万円以上など)退職金が出ることもあります。
- 安定感の公務員: 「100%もらえる」という安心感と、景気に左右されない計算式が公務員の最大の強みです。
- 格差の会社員: 会社員は「どこに勤めるか」で、老後資金に1,000万円以上の差がつくのが現実です。
結論:退職金だけで「得」は判断できない
公務員は確かに「確実に、高水準の」退職金を受け取れます。一方で、会社員(特に大企業)は現役時代の給与やボーナスが公務員より高い傾向にあり、生涯賃金や資産運用(持ち株会やDC)を含めると、トータルでは会社員が上回るケースも少なくありません。
自分の勤め先の退職金規定(就業規則)を一度チェックし、**「自分の場合はいくらになるのか」**を早めに把握しておくことが、賢い老後設計の第一歩です。



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